お題 ふたり
開催期間 2005/09/24~2005/10/04
参加作品数 7
審査員 3人
本スレ 15の252-276?
議論スレ 11の703-707?


【チャンプ】

【準チャンプ】

作品一覧


No. タイトル 作者 点数
261 Dreamer and Dream - -
262 荷造り ゼッケン -
264 月を見上げて - 1
265-266 迷いネコ、モナー Canopus -
267 阿吽 ◆L4LyBSss3w 1
268 二人鬼 5
269 朝の放屁 リーフレイン 3

【審査員】
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.
  • ◆L4LyBSss3w
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w

【採点レス】

272 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/10/03(月) 00:38:53 ID:Lwdsgg+4
2点
>>268 『二人鬼』

1点
>>267 『阿吽』
>>269 『朝の放屁』

273 名前: ◆L4LyBSss3w [] 投稿日:2005/10/03(月) 22:45:02 ID:8WtTNg2n
【2点】
>>269:「朝の放屁」

【1点】
>>264:「月を見上げて」
>>268:二人鬼

274 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/10/04(火) 20:35:00 ID:wIpoCkpw
>>268 二人鬼 2点


作品





Dreamer and Dream



眩しいから 眩しすぎるから
また目を閉じる
また手を離す

これが最後かしら


私が抱きしめれば抱きしめるほど
あなたは強く強く光りだす

時間の経過に比例して
あなたはどんどん大きくなる

やがて太陽と見間違うほど
大きく 光る
あなた

これで何度目かしら

ねぇ悲しそうな目をしないで
あなたも悪いのよ

あなただけを見ていたら何も見えなくなってしまう
あなただけを見ているわけにはいかないの
あなただけと手を繋いで 抱き合って そうしてるわけにはいかないの

いつか あなたは完全に死んでしまう
その時 私は絶望という名の涙を流すかしら


261 名前:Dreamer and Dream[sage] 投稿日:2005/09/29(木) 11:36:58 ID:4T/P5JI2


【コメント】

271 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/10/03(月) 00:36:18 ID:Lwdsgg+4
>>261 夢の中での世界ということなので、もっと何でもあり、にした方が、
詩が映えるように思われます。ついでに言うと、太陽と地球の関係は、そのま
ま美しい暗喩にとどめておいとくのは、いかがでしょうか。





荷造り



三人でも五人でもおれはもうかまわなくなったので
おれはひとりで荷造りをする
望みのままにかたちを変える未受精卵パックで出荷される
過ごした時間は永遠ではなかったとはいえ真実とても大切なものに

むき出しのひび割れ 
どう? 鑑賞に耐えうる亀裂じゃないか
ビリビリとときどき震える 
元気ですか?
元気だとうれしいです

ずっとなんて言葉は忘れて昔の部屋に置いてこようと思うんだ
なんだかとてもいじわるしたいような気分ひさしぶり
思春期ちょっと手前の純粋な気持ちなんだよ
大きな声で叫びたいんだよ

うんこちんこでべそ!


262 名前:荷造り[age] 投稿日:2005/09/29(木) 14:17:14 ID:Zq3ujzWQ


【コメント】

271 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/10/03(月) 00:36:18 ID:Lwdsgg+4
>>262 同棲時代の終わり、てことかなあ。生産しない性、その亀裂、ある種
の開き直り、未練、そしてヤケクソ。破綻してるように見えて、結構考えて創
ってるよね。

704 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY [sage] 投稿日:2005/10/05(水) 12:37:57 ID:tRy0pGUO
ども、「荷造り」を書きました。
Canopusさん、雨さん、リーフさん、審査おつかれさまでした。

ふたりというお題でかわいい作品が集まった中、
二人鬼は最後の2行でお題の重力を振り切りましたね。
そこの凄みが際立っていました。
虫さん、ありがとう。





月を見上げて



月を齧り合ったっけ
君は「甘酸っぱい」と言って
僕は「ほろ苦い」と答えたっけ

月を齧り合ったのはいつもの丘の上で
いつも僕が先に来てたっけ
遅れてきた君は早々と
僕を置いてまず パクリ と月を齧って
「今日もやっぱり甘酸っぱい」と答えたっけ

夏の暑い日には、月をガリガリと削って
カキ月なんか作ってシロップをかけてたべたっけ

唇はもちろん黄色くなった

それを見せ合って互いに笑いあったっけ

僕の中では月はいつも欠けている
そうまさに君の歯型がくっきりとついた
三日月


264 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2005/09/29(木) 19:56:22 ID:V8BRsR2K


【コメント】

271 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/10/03(月) 00:36:18 ID:Lwdsgg+4
>>264 月をいっしょに齧った、甘酸っぱくもほろ苦い思い出の、それ以上で
もそれ以下でもないんだよね、この作品は。単純な構図なので、読者を引き付
ける魅力がもっとほしかったところです。


【得点】 1点
  • ◆L4LyBSss3w:1点





迷いネコ、モナー



君は誰? 君は僕だよね 君は僕で 僕は君じゃない
ドアを開けたら 鏡 鏡 鏡だらけの迷路で
僕が ひーとり ふーたり たくさんいるよ
まるで ミラーハウスみたいだね
って 看板に「ミラーハウス」て かいてあったじゃん
アヒャヒャヒャ ヒャ ハァ…

僕が 右手をあげると 君は 左手をあげるよ
僕が 目をまんまるくすると 君は 口が ∀ になるよ
僕の 耳が ぴくぴく動く ああ 君もまた
んで 君は僕じゃないの?

僕は 君と 肩組んで歩こう
鏡だらけの 迷路を どこまでも行こう
僕が 立ち止まって どうしようもないDQNに
「オマエモナー」 て言う
すると 君は ポッケから 米酒取り出し
「のまのま いぇ~」


君は 僕じゃないの? 僕は 君じゃないの?

ずっと歩いていたんだ
狭くて 広くて マターリ殺伐してて
すぐに 逝ってヨクなる世界だったんだ
カエレ! と言われて 帰らないヤツばかりだったんだ

厚化粧の女子高生が 図太い鼻声で 僕をビビらせる
あ ノマねこー かわいくねー?
かわいーのか かわいくねーのか どっちなんだよ
僕 モナーは その瞬間 ふたりになった

ひとりでも じゅうぶん 迷っていたのに


なんかへんなバイクみたいなのがプンスカいいながらとおっていった


265-266 名前:迷いネコ、モナー[sage] 投稿日:2005/10/01(土) 02:34:39 ID:QNUPZFpm


【コメント】

271 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/10/03(月) 00:36:18 ID:Lwdsgg+4
>>265-266 時事ネタの詩は、時期さえ逸さなければ、かなり効果が期待でき
るんだよね。のまネコ問題って、エイベックスの登録取り消しで、一気に終息
に向って、ネットの時の移り変わりはえらい速いなあ、としみじみ思いました。

705 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/10/05(水) 20:24:23 ID:9el5gxG2
虫さん、おめでとうございまっす。

『迷いネコ、モナー』を書きました。
ちょっと今イチ面白みに欠けたかなあ。事情がありまして、ぼくは半角でカナ
を打てないので(つまり打ち方が分らない)、あんな感じになりました。

ここんとこ投稿作品は少ないけど、まあ、やっていきましょう。
投稿および審査していただいた方々、どうもありがとうございました。





阿吽



きみは片頬を突きながらテレビを見ていて

私は寝転んだまま小説を読んでいて

きみがふ、と首筋を伸ばす様に視線を左右させて
指先をくるくるっ、と擦る仕草を見せた

私は寝転んだまま右足を一杯に伸ばして
きみの脇腹を親指で少し強めに突っつく

「禁煙。」

きみがちょっと恨めしそうに唇を尖らせて振り返る
私は知らん振りでころん、と背中を向ける

きみは片頬を突きながらテレビを見ていて。

私は寝転んだまま小説を読んでいて。


267 名前:阿吽[] 投稿日:2005/10/01(土) 13:22:45 ID:ni9SMY/s


【コメント】

271 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/10/03(月) 00:36:18 ID:Lwdsgg+4
>>267 固定カメラで、長時間を一本撮りで撮影したような、そんな詩。簡潔
なことばが、この簡潔な構図を際立たせている。初読では「なーんだ」と思っ
ていたんだけど、読み返すと味が出てきたね。

707 名前: ◆L4LyBSss3w [sage] 投稿日:2005/10/06(木) 04:03:08 ID:w8CD5qeP
ありゃ、昨日のうちに規制解けてたのね… orz

「阿吽」書きましたです。
相変わらず「簡潔」、要するに薄味との評価です。進歩ねーです。

虫さん、優勝おめでとう!
実にじつに端正で濃い言葉を操れる人だと思います。
…ねぇ、折角だから審査にも参加してみませんか?
毎回読み込み過ぎて血を吐く事請け合いですよ♪


【得点】 1点
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点





二人鬼



夕暮れの光が
ぴらぴらと
くさのうえで燃えあがる
色にだまされ
つめたいはずのかぜが
ちりりと肌を焼く

夕焼けの旬は秋ですねえ
などと 背を丸めていうおとこが
おなじこえで
おれは鬼です
と いった

とはまた壮大なイメージ
みれば夕日に赤くそまって
紅蓮のほのおにたつ赤鬼
なるほど おれとはちがう
おれのあしもとは影さして
まだらに赤い色もうすぐらく
さながら ちまみれの
幽鬼

鬼どうし

幽鬼のおれが軽薄にわらったが
赤鬼のおとこはわらわなかった
斜光でひだるまになりながら
意思のちからで それを
ぬぎすてようとしていたのかもしれない


268 名前:二人鬼[] 投稿日:2005/10/01(土) 16:58:58 ID:C9XBO4OP


【コメント】

271 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/10/03(月) 00:36:18 ID:Lwdsgg+4
>>268 いい感じのことばの安定感が、変ったシチュエーションをきっちりと
支えています。が、この作者には、さらに高次元のことばの高みを求めたい。
赤鬼の秘めたる炎の爆発を表現したい、かなあ。

274 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/10/04(火) 20:35:00 ID:wIpoCkpw
採点です

>>268 二人鬼 2点

なかなか登場人物2人書ききるのは難しいのに
この詩は発話してる人(幽鬼)と「鬼です」と言い切った対象(赤鬼)の
ふたりが同じ価値を持って生きていると思います。
一番どきっとしたのは「おれは鬼です」という一言で、これは対象が語っている。
(しかも直前の形容は 背中を丸めているどちらかといえば控えめな男の姿なのだ)
で、発話しているほうは、自分の姿を幽鬼とどちらかといえば消極的かつ自虐的な
姿に定義した上で、赤く燃える赤鬼が”意思の力で脱ぎ捨てている”と
どこか羨望と恐怖を篭めた感情で書き出す。この両者の対比がドラマチックでした。
書いてはないのだけれど、男女であったのならエロスも含まれているのかもしれない。

276 名前:虫[] 投稿日:2005/10/05(水) 01:15:56 ID:ZWQC4KeG
二人鬼、書きました。
読んでくださった方へのお礼は後日雑談の方へ書きます。
眠い…orz

706 名前:虫[sage] 投稿日:2005/10/05(水) 23:12:27 ID:ZWQC4KeG
投稿して、モニターに出た自分の詩を見ると、
いつも雰囲気にそぐわないちぐはぐな感じがするんですが、
読んでいただいて、評もいただくと、自分はこのまま
ちぐはぐなりに精進しよう、と前向きになれます。
読んでくださった方、評を下さった方、ありがとうございます。

カノープスさんがおっしゃったように一皮剥けたい、です。
雨さん、評価をいただけて嬉しいです。
葉土さんの評にはドキリとしました。AはBにエロス含みの
憧れを抱きながらも傍観者という立場に甘んじている、という
勝手に考えていた設定を言い当てられましたので。
ゼッケンさん、嬉しいお言葉をありがとうございます。


【得点】 5点(チャンプ作品)
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点
  • ◆L4LyBSss3w:1点
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w:2点





朝の放屁



明け方の 夢うつつ

ばふん

腸が活動し始めた音が聞こえる
なさけない笑みがもれて
熟睡している夜中は ああいう音はでないもんね
不思議と

布団は別のほうがいいかな
男の人はいいなあと思う瞬間

揃って並べられたことのない靴
読んだことのない本が増えていく本棚
煙草の香り

しめった紙に違う色の絵の具を落としたように
色がにじんで新しい色になっていく日々は
ぽつんと落とした最初の輪郭も次第に曖昧で
あえて分けようというのも馬鹿らしくなっていく

ほんの少し甘辛い味付け
沢庵の銘柄 モルト
入浴剤 今日のニュース

できあがっていく中間色は
泥のように濁っていくようでもあり
目が覚めるような色合いが出来上がるときもあり
とり返しのつかない工程を繰り返して
二つとない紙を作っていく

とりあえず、おならは我慢


269 名前:「朝の放屁」[sage] 投稿日:2005/10/01(土) 19:37:29 ID:4Vei0QOc


【コメント】

271 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2005/10/03(月) 00:36:18 ID:Lwdsgg+4
>>269 この作品も、静かでシブいことば運びだよね。取り立てて言及するよ
うな欠点はないし、「ふたり」というお題も、よく消化されている。あえて言
うなら、最終連をおならで締めなくてもいいように思えます。

703 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2005/10/05(水) 10:29:52 ID:QjD94lfh
二人鬼の虫さん おめでとうございます。
カノープスさんも書いてたけど、今回は渋い詩が多かったですねえ。
阿吽とかも心惹かれたんですよ、、細やかに描かれた二人の空間が良かったなあ。
えっと、朝の放屁書きました。カノープスさん雨さんアリガトウゴザイマス。
最後の一行なんですが、やっぱしあそこで落としておきたいような気します。
途中が少々観念的なんで、あの一行がないと冒頭の空間がただの導入部に
なっちゃうような気しませんか? 


【得点】 3点(準チャンプ作品)
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点
  • ◆L4LyBSss3w:2点



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最終更新:2006年06月16日 09:51