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お題 私自身の歌
開催期間 2006/04/01~2004/04/11
参加作品数 22
審査員 5人
本スレ 16の552-765?
議論スレ 13の130-370?


【チャンプ】

【準チャンプ】

作品一覧


No. タイトル 作者 点数
554 私自身の歌 - -
556 ぽんこつアンプ ◆notePDkbPQ -
557-558 Rez - -
562 つながりについて はと -
563 Postludium アルペジオ 1
566-567 UTAをウタう - 1
568-571 竹輪交響曲第五番 メタリック竹輪〔Remodeling〕 -
572-573 My History - 1
574-576 カンダタ・サナガラ 穢土 -
577 キスがしたい 心霊写真 3
578-580 海について んなこたーない 1
581 葡萄の樹に泣いた朝 リーフレイン 1
582 あなたを愛するとき - 1
583 葬列 ゼッケン -
666 The book あぶく -
679-680 シイナ - -
681-683 気がつけば - -
684 ナブラチロワもいいけれど 曾村益廊 -
685 ごっこ遊び - -
691 花の如く カコ -
692 奇麗事 ◆jipx.wAXvs -
714 オレのウタ 俺ノ歌 - -

【審査員】
  • メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo
  • 桜鴉 ◆666.SaoPvk
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.
  • シオン ◆poetsyov/2

【採点レス】

751 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/04/10(月) 19:31:57 ID:qEkjk7ce
  採点
  1点>>577 キスがしたい
  1点>>581 葡萄の樹に泣いた朝

755 名前:桜鴉 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/04/10(月) 20:29:59 ID:SitQqaO5
採点

1点>>563 Postludium ID:1BoPHHJk

758 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [] 投稿日:2006/04/11(火) 21:19:06 ID:DSkwu6wg
採点
>>577 キスがしたい 一点以上です

761 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/04/11(火) 22:29:42 ID:bpQEFNjk
採点す。

>>566-567 UTAをウタう
>>577 キスがしたい
>>578-580 海について

に1点づつ。

762 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2006/04/11(火) 23:57:28 ID:J81uY7Vj
>>572-573 My History ID:JfuiQX9n氏

>>582 あなたを愛するとき ID:i9uAEj/y氏

(568-571は審査前にメタリック竹輪〔Remodeling〕氏がリタイア宣言しました)


作品





私自身の歌



in the Making


554 名前:私自身の歌[(これは投稿作品です)] 投稿日:2006/03/32(土) 07:29:38 ID:DJaVSQgb


【コメント】

746 名前:桜鴉 ◆666.SaoPvk [sage] 投稿日:2006/04/10(月) 01:30:56 ID:SitQqaO5
>>554 私自身の歌
お馴染一行氏の作品。寺山修司が「私は私自身の記録である」と叫んだように
「私は私自身の下男である」と叫んだように、たった一行でシンプルに表す
それ自体が一行氏にとって、今回のお題はピッタンコカンカンだったのかも知れません。
というのも名無しであると思われる氏が、一行以外の詩を未だに梁山泊に発表していないということに
このような想像が生まれてしまう(推測)。それが in the making・・・
けれど実際問題、氏は別の作品も作っているのかも知れなく、マイブームだけなのかも・・・
けれど、氏の存在は梁山泊を彩り鮮やかにしています(審査になっていないっちゅうの(汗)。

757 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/04/11(火) 00:39:16 ID:rBMBPRir
>>554 私自身の歌は、私自身の人生が完遂された時に完成される。だから作
りかけ、ということ。深いけど、見せ方に工夫があってもいいと思う。

130 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/04/09(日) 12:05:17 ID:6kxwoneP
554 私自身の歌
=My own song
 >in the Making と掛かる意で読むのか
待ち受けている意味ならforを挟まねばだし 修業中 製作中と読むのが素直と思った
なんとなく 意味深一発芸 !Marking! (マーキング)のほうに
わざと読み違えて楽しんでみた

208 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/11(火) 11:51:44 ID:tcpewFMn
>554 私自身の歌
簡潔であります。





ぽんこつアンプ



   さて、と
「・・・・・」 
   うん?
「・・・くね」 
   んーんん聞こえんな。こうか、こうかな?
「よろしくね」 
   は、苦労させやがって。
   まだ、音小さいな。これでいいか。
「よろしくねっ!!!」 
   うあ、びっくりした。
   なんだい微調整きかせろ、な。
   この、ぽんこつアンプ。


556 名前:「ぽんこつアンプ」[sage] 投稿日:2006/03/32(土) 19:49:07 ID:G3vNcqbU


【コメント】

746 名前:桜鴉 ◆666.SaoPvk [sage] 投稿日:2006/04/10(月) 01:30:56 ID:SitQqaO5
>>556
独り言に返される挨拶、音楽好きな作中某
作者は恐らくどんなことにでも、霊性を感じてしまう山川草木悉皆成仏というアニミズムの持主なのでしょう。
アンプの音が徐々に大きくなる。実際には『よろしくね』なんて喋っているわけでなく、
音が鳴っているだけなんだろけど、そのアンプに魂を込め喋らせる。
どんな些細なことも氏にとっては詩の材料、素材。
作品の奥から別のメッセージを感じますが、それは自己主張・・・
鉤括弧が付いていないけど10行め・・・誰もが経験したことのある・・・生々しさ。命こもってますね♪

757 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/04/11(火) 00:39:16 ID:rBMBPRir
>>556 微調整はできなくても、言いたいことはハッキリしてる。まっすぐな
感じで、好印象。

130 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/04/09(日) 12:05:17 ID:6kxwoneP
556ぽんこつアンプ
アンプに向き合っている図だね
こういった現象はアンプを所有したことのある私にも経験はないんだけれど
調節がきかずに「語尾」のみ聞こえる現象っていうの
逆ならあった ぶちぶちいって頭だけ聞こえたりするの
ということは アンプを知りえたうえでの何か仕掛けが含まれている可能性があるかも知れないと
つ か さ ず 探 り 出 そ う と試みる!
アンプ amplifier 増幅器 ボリュームUPする意義がアンプの主な用途
アンプラグド=電系楽器を使わない演奏のこと
あんぷ=暗譜(楽譜を暗記してる意でもある)
ここまで考えて 素直に読んでみる
主役のアンプがよろしくねという 
これを逆からうまく文章で増幅効果を狙ったのがわかる シンプルでも丁寧で愛情が感じ取れて
この作品を読んだあと きっと 「アンプ(生物)」君の高感度は高まること間違いなしとおもふ
 >  この、ぽんこつアンプ。
とは書いているけれど この最終連がある為に 
アンプから聞こえてくる(もっとも語らせたかったと思われる)  「よろしくねっ!!!」
が生き生きとした

208 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/11(火) 11:51:44 ID:tcpewFMn
>556 ぽんこつアンプ
アンプに仕立てた不器用で微笑ましい人間像

262 名前: ◆notePDkbPQ [sage] 投稿日:2006/04/13(木) 19:19:45 ID:gcdz74Vo
「ぽんこつアンプ」書きました。竹輪さん、ありがとうございます。リアリティは一寸アレですね。
桜鴉 さん、ありがとうございます。テーマは仰るとおりです。あとは、見立てでいきました。
Canopusさん、ありがとうございます。これは、捻りも何もないですけどね。私自身の歌ですので。
リーフレインさん、ありがとうございます。仰るとおりですので、ちと恥ずかしいです。
心霊写真さん、おめでとうございます。





Rez



噛み切れないベルベットを
噛み切ろうとする
夜を纏った少女の
唇の下に広がる眼下に
今日も一通の絵葉書は投函され
秋空の下で、抑揚の、春が、
アラスカの大地で凍えている時
まだ見えもしない目を
ひどくこする赤ん坊の
左手握られた赤い糸を辿って
落ちた、私の小指は落ちた、

時間よ、止まれ、君は美しくないから
あらゆる絵画に描かれている
色という質素な電気信号は絶えず
届きもしない地下深くの白亜紀の
夏日の底へ
辿った、私は辿った


―音楽は武装しない
そしてまた、私の視覚は
少年まなざしを殺して、
春空の下の、足跡を、追って

エスカルゴの幾重にまかれた
迷いの中に、季節が、忍び込み
私達が、それを食べる時、
―音楽はようやくなり始める、

そして、すぐに、少年の腕の中で
母親は優しく発狂するだろう
八月の晩餐の席で

噛み切れないベルベットを、
噛み切ろうとして
未だにベルベットを噛み切ろうとして
自らの舌を噛み切るように


557-558 名前:Rez[] 投稿日:2006/03/32(土) 20:33:58 ID:YEMv3ACy


【コメント】

747 名前:桜鴉 ◆666.SaoPvk [sage] 投稿日:2006/04/10(月) 01:31:45 ID:SitQqaO5
>>557-558
連想がどんどん展開される描写は良いです。
2連の一行目は独立していた方が良かった。改行してれば、読み易い
この詩全体からは、遙か遠い昔の記憶を想起させて現在へ舞い戻る、因果応報をイメージします。
各所良い単語やフレーズはありますけど、“8月の晩餐”という言葉で映画ゴッドファーザーを見ている気分。
何か悲劇的な詩

757 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/04/11(火) 00:39:16 ID:rBMBPRir
>>557-558 ベルベット、音楽。無形のものをを手許に引き寄せるような意味
のずらしが、この作者の詩作スタイルなんだろう。イメージの喚起がやや紋切
り型で、私の哲学のサワリに留まっている印象。

208 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/11(火) 11:51:44 ID:tcpewFMn
>557 Rez
時間よ止まれ、君は美しい
と言ったのはだれだったかな。。。あまりにも力のある言葉だったんで
こうやって裏返しに使用されるとパロディの雰囲気が強くなるね。
音楽は武装しないもそれで、前回の記憶がまだ生々しいのでどうも こつんとひっかかる。
”噛み切れないベルベットを噛み切ろうとしている少女”のイメージはいいんだけど
中間部分が寄せ集めの雰囲気が否めない。





つながりについて



ぶよぶよしたおおきなかたまりから細長く突起が四本
二本の先はひらたくつぶれる 先はほそく五つに割れ
もう二本の先は直角に折れる 重みに耐えて時折ふるえる

   わたくしのかたちなにひとつ
   わたくしがつくるものではない

さてこのかたまりの上にはもう一つ
比較的小さな丸いかたまり
こまかなでこぼこを組み合わせ
大きな穴から植物動物液体気体取り入れる

   わたくしをいかすものなにひとつ
   わたくしからはうまれていない

これはありふれたものの一つ
氾濫する有機物の一体
われわれはつながりあい食べあい消しあいそして生み
そうしてここはそのはざま

   わたくしはわたくし以外で出来ている

すべてのものはつながらねばならない
わたくしは在る
わたくしをつくるすべてのため
わたくしがつくるすべてのため


562 名前:つながりについて[sage] 投稿日:2006/04/02(日) 13:28:00 ID:u18ho2ef


【コメント】

748 名前:桜鴉 ◆666.SaoPvk [sage] 投稿日:2006/04/10(月) 01:32:41 ID:SitQqaO5
>>562
声なきモノの自己主張・・・ユーベンです。威厳があります。
説明的な1~3連から以降の描写は、“つながる”こと“つくる”ことなどを簡素に述べ
その自己主張は作中“パーツ”さんだけでなく、恐らく世界全部に当て嵌まること・・・
それを此処に求めて描写するなんてのは、結構以外であり好みでもあります。
山川草木悉皆成仏に似てしまいますけど、恐らく全てのものはこんな自己主張(自身の歌)を持っているし、
現にそうなのでしょう。でも人間はそれに気付かない。とっても大事なことなのに・・・
“はざま”という表現がいいです。真実と矛盾のはざま・・・
これ最初、細胞や菌などのことかと思ったのですが、舌または口のことですね。
アイディアはとってもいいです。

757 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/04/11(火) 00:39:16 ID:rBMBPRir
>>562 粘土細工で、私というカタチを創っていく、そんなイメージを持ちま
した。んで、粘土色のくすんだ単色のイメージもまた、持ちました。

208 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/11(火) 11:51:44 ID:tcpewFMn
>562 つながりについて
手足頭胴体をゆるやかに記述して、世界とのつながりを書く

250 名前:はと[sage] 投稿日:2006/04/13(木) 06:12:29 ID:jCoEsJ17
ああ、それから
「つながりについて」を書きました。
審査員の皆様、寸評ありがとうございました。

弱音吐きますが、
…どうせならこれ以上ないってくらいの自信作のときならよかった…





Postludium



興ざめした 時の隙間から
染み出るもの

それは
酔狂色の宝石を散りばめた
粉々に砕けた
音符の葬列

明喩された存在意義は
にわかに部屋へ染み渡る

いま 私は
その中から一匹の蝶を摘み出し
一通の手紙をしたためた

何も示さない未来に宛てて

蝶が弦を渡って行き
音符らは時へと泳ぎに行った

何も残さずに

祈念の向こうへ


563 名前:Postludium[] 投稿日:2006/04/02(日) 16:44:57 ID:1BoPHHJk


【コメント】

748 名前:桜鴉 ◆666.SaoPvk [sage] 投稿日:2006/04/10(月) 01:32:41 ID:SitQqaO5
>>563
とってもいいです。始まり良し、終わり良し。
“何も示さない未来”~“何も残さずに” 光の向こうへ蝶が飛んでゆくさまがモロ見えな詩
ラストで“祈念” みんな同じですね

757 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/04/11(火) 00:39:16 ID:rBMBPRir
>>563 タイトルの意味がマジでわからん…Radiumとのダブルミーニングだ
ろうか…。世界をガツッと汲み取って、その余白から生れたささやかな未来、
という印象。読後感は、いい。

209 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/11(火) 11:52:53 ID:tcpewFMn
>563 Postludium
前奏曲ではなくて後奏曲? あまり聞かない単語なのでちょっと自信がない。
蝶に手紙を委ねるという段が秀逸
存在の向うへ 詩が生きてのびていったように感じた。
作者にとって、詩を書くということはこういうことなのかもしれない。
蝶は酔狂色の宝石を散りばめて、粉々に砕けた音符であり、それはまた詩であるかもしれないし
他のなにかであるかもしれない、あるいは本人そのものの一部であるのかもしれないのだろう。

232 名前:アルペジオ ◆UfM5Clgw1I [] 投稿日:2006/04/13(木) 01:53:34 ID:z8IUp5pQ
皆様、初めまして。
審査員の方々、有難う御座いました。

「Postludium」
を投稿させて頂きました。
タイトルの意味はリーフレインさんの仰るとおり、
後奏曲であります。
「退場即興曲」とも言えるかも知れません。

審査員の皆様方、御寸評有難う御座いました。
精進の糧とさせて頂きます。
ではでは・・・


【得点】 1点(準チャンプ作品)
  • 桜鴉 ◆666.SaoPvk:1点





UTAをウタう



僕はギターかき鳴らすかき鳴らす
夕暮れが魔法瓶染めてきらきらきれいな空の下
ピックを弦に叩きつけて叩きつけて
夏と秋とが塗りつぶす合間を縫ってじっとり湿った空の下
胃が吊り上がってあばらの内側がきゅうきゅうと締まって
叫びだしたくなって大声
酸欠起こしながら涙を流して嗚咽して慟哭
コーヒーのにおいも踏まれて飛び散る草汁のにおいも
黒と青
塗りつぶして
かき鳴らすかき鳴らす  それはきっと 「言わないけど」

僕はこの ハート を (どくどく)
犯すその 気持ち を (毒 ドク)
知らないんです本当です僕はただ頬に手を当ててぼんやりと
窓の外を見ていただけなのにそれだけなのにただそれだけな
のに

ギターを買おうと思ったのはちょうどそんな時です。
「ぎゃいんぎゃいんぎゃがぐぎゃがぎゃぎゃぎゃ
  きちちっちちちぎちちっちつちちちちゃちちち
  ぎょごごごごききょきょきつちゃきくきゃくく
  きぃきゃっ」                ちちちちちっち

べろんべろんのびおんびおんにびょごんびょごんして、もうぎゃんぎゃん

見たかったはずのテレビ番組が
ノイズ交じりで過ぎ去って 季節はもう冬です
雪の積もった歩道を僕は真っ黒な長靴を履いて歩きます
バイキンにぼんやりと攻撃され続けている喉が少し痛みます
春をふつふつと溜め込む桜の木の下に冬眠した
僕の君は元気ですか
鼻が詰まっていてなんのにおいもしないんです
ただただあの秋の初め
僕の腕の中で泣いてくれた君が   くて
ただそれだけだったんです
春が来たらまた会いにきてくれるかな、なんて
思ってます。そのときまでに
べろんべろんのびおんびおんにびょごんびょごんして、もうぎゃんぎゃん

直しておきますね        せんきゅー、なんて


566-567 名前:UTAをウタう[sage] 投稿日:2006/04/02(日) 21:55:33 ID:Lc6Rotph


【コメント】

752 名前:桜鴉 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/04/10(月) 20:21:35 ID:SitQqaO5
>>566-567
全編、ギターの音だけで占められていて、それ以外の事柄が消えています。
冒頭のハチャメチャぶりも、ギター音同様に電気疾走していて、本来意味は必要ないのでしょう。
必要なのは、ギターを買った動機のみ。

757 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/04/11(火) 00:39:16 ID:rBMBPRir
>>566-567 ことば自体は全天候型の破天荒さを感じるけど、要所で季節がひ
ょこっと顔を出すよね。季節のことばが何か引っ掛かる、いい悪いはよく分ん
ないけど。実はすごく好み。

209 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/11(火) 11:52:53 ID:tcpewFMn
>566 UTAをウタう
語りかけ調でうまい。内容もとても素直で、冒頭の血反吐をはくような気分が
読むにつれて、ほのぼのした気分に変わっていった。歌うという手段を得て
心が安定していったのがつたわてくるような気がする。ギターの弦の音がいい。

370 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/04/26(水) 18:32:19 ID:bs83hubd
めちゃめちゃ遅れたのですが、「UTAをウタう」書きました。
僕はギターなど弾いたことはないのですが、
よく全校生徒の前で弾き語りをする、という妄想をしているようなそんな生徒でした。
僕もギターを弾きたかったんです。そんな詩です。


【得点】 1点(準チャンプ作品)
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点





竹輪交響曲第五番



  泣いた後の鼻血 表通り二階建 木枠に龍の彫刻
  土産屋の赤緑色 電話ボックスが見える
  即座に裸足で竹輪行為をする俺
  互いに鏡を見つめたよう 姿の似ている竹輪同士
  強く心の流通を欲しているけれど
  声もなく立ち止まり
  時間だけ浪費するかのように見つめ合うだけで 会話もなく
  流れぶつかる人波に足元運ばれ
  いつのまにかはぐれる  
  出会いはすぐ失う 得てもいないのに失う
  そしてすぐ忘れ 記憶にもならないというのに忘れて
  また出会うこの単純な循環

  Ⅰ
  最大限に竹輪を傷つけ 殺す事が出来る存在とは
  赤の他人ではなく
  鏡に映った「竹輪」そのもの以外に考えられない

  Ⅱ
  竹輪塔の見えるベンチは 五月のパリ
  日照り返るコンクリートの路上 画家達がそれぞれに思い思いの竹輪塔を描く
  それが俺の背景で風景の一部に属している証拠だった
  ノイズに漂白された白と 赤い吹き抜けのコントラスト
  塔の足元と平行にある 橋を渡り川岸のベンチに腰を下ろす
  そして空を見上げる そこにただある馬鹿みたいに青ざめた空を
  見惚れる程に魅力はない空を 見ていた
  俺の手の中では
  路上カフェで買ったカップアイスが温もりに反応して溶けていた

  真っ白なチョコミント
  背中には竹輪塔 川に向かって並ぶスプーン形の街灯が空の青を掬い
  放り込まれた真っ青に逆らいもせずに流れているのが川
  上品は糞 声を大にして叫ぶこと小一時間
  しかし糞は上品に服従しないから糞なんだ なんて素晴らしいのであろうか
  脳内絶叫に日は落ちる
  誰も理解など出来るものかと石を蹴る
  川に向かって並ぶ猫足の曲線
  輪郭半分のベンチにはカップルがぽっつりぷつぷつと寄り添う時間

  垣根に日差しが籠もると
  ミニ薔薇を差し置いて黄色の薔薇が咲く
  空に溶けず スンと佇む竹輪塔 溶けたアイスクリーム
  ほんの少し影か伸びた楽園 筆をかざす画家
  落園 夕暮れ黄色に染まる真っ只中
  溶けたアイスクリームの 液体を手の甲に垂らし 舐める

  白い粒 邪魔なホワイトチョコチップ
  アイス クリーム状のチョコミント
  影に滴らし睨んでは舐める 掌を

  生きていると痛感するまで止めるものか
  無駄な抵抗は止めろ叫んでも誰も聞き取らない
  知りつつも甘い夕暮れ相手に
  染まることを拒み 真っ黒に染まり悪態を晒す薔薇千輪
  夕暮れ 刺トゲ数万個に包囲され
俺はこの上なく極上な一つの影になる ベンチもろとも
  ホワイトミントチョコを舐め続ける
  白を舐めて白より白くなれと
  災いとは形状を多々変化させ目前に出現する食料の事である
  竹輪塔の影は白いクリーム状

  Ⅲ
  竹輪という極めて理解しているようで
まるで知らない記憶の集合体を現代社会において
  飾りも無く表現するのは他の生物の前で裸になるより危険な事である

  Ⅳ
  白い稲妻は直に幸運をもたらす
  数年分のカレンダーが全焼する それが月日
  束ねた一刻を竹輪と呼ぶならば
  昨日は無くなり もはや貴方とは 明後日の他人だ

  Ⅴ
  竹輪は産毛に包まれてる
  この竹輪構造こそが人間の愚かさならば
  残忍さは竹輪そのものだ
  血揺らし時眠れる

  Ⅵ
  公衆便所を探していた
  夕日の観覧車 電光時計が見える窓0429
  そこから逃げるように飛び出した後の逆光照り返し 目に染みて痛い ものもらいの突起が光線に突かれて痛む
  瞬間に見た景色は切り取られ刷り込まれた記憶になる
  それも竹輪の仕業だ

  真実は時が経てば忘れ 作り話は何時までも覚えている
  無責任な他人がつまり竹輪である
  自分でも虚像でもない
  確信と融合が肉体を動かす
  ものもらいが痛むと過る景色に 必ず竹輪0429はいる
  そして公衆便所を探している そんな夕暮れ

  何故窓から外を見ていたのか記憶にない
  何用で部屋を利用したのかも覚えていない
  何故逃げ出したのかもわからない でも竹輪は知っている
  公衆便所にだけあるむき出しのやりっぱなしさ
  それが一番欲しいことも全て

  Ⅶ
  時折囀る竹輪 歌を忘れたはずが曲のみ思い出し
  囀る姿はキーボードの連打音と共に消える
  眠れ血はめぐる

  Ⅷ
  他へ無頓着さ 私物じゃなけりゃ破廉恥垂れ流しの実態
  その空間に包囲されていたい瞬間がある
  裏通りを歩き回った
  繁華街の深紅に逆らって
  肉まん臭い道 豚臭 腐った肉
  裏口通路ビニール鈍く光る中
  蒸かし湯気が立ち上る窓の無いビル 背を向け合う間
  細い排水溝 真新しい豚足がプカプカ浮いていた

  ここにおたまじゃくしがいたらリアリティーがあると竹輪が言った
  おたまじゃくしの腹の渦巻きと感触を忘れないでとも言った
  パリの公衆便所でおたまじゃくしを飼う竹輪を見つける
  本当は横浜であっても存在している場所などどうでもよいらしく
  竹輪は公衆便所で笑っているいつでも


568-571 名前:竹輪交響曲第五番[] 投稿日:2006/04/03(月) 20:14:51 ID:LL8pGQOM


【コメント】

725 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/04/10(月) 00:15:48 ID:qEkjk7ce
>568-571 竹輪交響曲第五番 ID:LL8pGQOM氏
  竹輪がかきました
  失格願います
  大変勝手なお願いで申し訳ございません

749 名前:桜鴉 ◆666.SaoPvk [sage] 投稿日:2006/04/10(月) 01:53:41 ID:SitQqaO5
>>568-571
一読超長編詩であり、長いし読み解くのも「て~へんだ♪て~へんだ♪」となりますが、
題名見れば交響曲とありますので「なるほど!」と肯きながら も一度読む。
う~むむむ・・・主張もそれ豊富ですし、だからと言って統一されていないというわけじゃないけど
・・・まさに錯乱した“竹輪”の“脳内絶叫”自問自答詩・・・まはお題に沿ってこれだけ書けるというのは凄いです♪
でクラシークというのは“Ⅰ”が長く重要と想うのですが、此処では“Ⅱ”が長い。
それもめっちゃ長い。同じく“Ⅵ”も長い。
それ以外の章は、アイスクリームやラーメンのトッピングのようなもので、
この交響曲は取り合えず“Ⅱ”だけ読んでおけ!なんて言いたくなる。
けども各章もそれなりに面白く、落ちも面白い。問題は超長編を読む体力が読者にあるかどうか?
でも題名“交響曲”が「これは長いんだよ」と教えてくれてる♪

751 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/04/10(月) 19:31:57 ID:qEkjk7ce
568-571 竹輪交響曲第五番
  自白そのもの 自白を地でいってしまい失格作品
  他人にがたがた言われる位なら自白したほうがマシな
  竹輪のスピリットそのまま
  とにかくルール違反はしていない

757 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/04/11(火) 00:39:16 ID:rBMBPRir
>>568-571 パリと竹輪の取り合わせは、皿に盛っても見応えあるね、確か
に。ただ、竹輪に暗喩を取り込もうとした結果、作品中の竹輪が「竹輪、のよ
うなもの」に変容してしまってるかな。竹輪そのものを感じたかった。

209 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/04/11(火) 11:52:53 ID:tcpewFMn
>568 竹輪交響曲第5番
竹輪とは、
中に空洞を抱えた くにゃくにゃな和風の存在であり、
酒の肴として充分であると同時にさほど珍重されえない絶妙な存在であり、
実質をそなえた脇役であり、
屹立するセックスであり、社会へ唾する行為であり、
片隅でこっそり行うオナニーであり、その空洞にこそ自分があるのではなかろうかという欠落であり、
詩であり、ポエジーであり、本人そのものである。
竹輪は、怒りをもって、彼の空洞を満たすものを探す。
あるいは、彼の哀しく卑しい空洞を放出すべく泥の中へ邁進する。
空洞の確かな存在の瞬間を感じた。

自分が竹輪であるという定義こそ、作者のやや諧謔なポエジーの芯である。
HNと重なっているのもむべからぬことであろう。
彼は一片の竹輪として、詩を書く。
彼は一片の竹輪たらんとして詩を書いてきたのである。
#いやあ、熱すぎて飲むのが辛いですy。あたしゃあ猫舌なんで。。。

(568-571は審査前にメタリック竹輪〔Remodeling〕氏がリタイア宣言しました)




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最終更新:2006年09月03日 20:10