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お題
開催期間 2004/07/03~2004/07/13
参加作品数 29
審査員 6人
本スレ 11の442-521
議論スレ 8の420-431


【チャンプ】

【準チャンプ】

作品一覧


No. タイトル 作者 点数
443 布団 わに 1
444-445 猫の額 - 2
446-447 愚者の楽園(マリーノ超特急) Canopus 4
448 ちいさな世界 - -
449 庭には2羽鶏がいる 山田 3
450 小さな御庭 - 1
451-453 始まりは庭だった - -
454 神の庭 - 2
455 紫陽花が咲く庭で - -
457 ハリネズミのジレンマ - -
458 名前はいらない - -
459 完璧な瑕 - -
465 「庭」~雨の庭~ - 1
466 名前はいらない - -
467 パクリ - -
468 にわにはにわ - -
470 それは大切な - -
471 神様の庭で - 2
472-473 向日葵 - -
474-475 意識のある庭 - 6
476 天体観測 - 1
477 不完全に気づいた時 - -
478 憧憬 - 1
479 Sweet time - -
480-481 つばさ - -
482 幻想庭園 虚構の真実 4
483-484 苗木 - 2
485-487 小さな庭の情事と朝焼け - 1
488-497 Sky Fruits グリーンブック 6

【審査員】
  • MUJINA ◆iXws.WGCLY
  • ななほし ◆lYiSp4aok.
  • てるあき ◆DDfwggPC..
  • 山田 ◆jipx.wAXvs
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.
  • わに ◆Wani6uvhK.

【採点レス】

503 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [mistyage@nifty.ne.jp] 投稿日:04/07/11 19:26 ID:k/0ySOoy
  [2点]
   471   「神様の庭で」
   483-484 「苗木」

[1点]
444-445 「猫の額」
446   「愚者の楽園(マリーノ超特急)」
   454   「神の庭」
   474-475 「意識のある庭」
   476 「天体観測」
   485-487 「小さな庭の情事と朝焼け」
   488-497 「Sky fruits」 

504 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/07/12 02:00 ID:U0an9pYB
3点 >488 :Sky Fruits (1/10) :04/07/10 23:30 ID:bLfsl8kg
2点 >446 :愚者の楽園(マリーノ超特急):1/2 :04/07/05 23:33 ID:np9Cnou+
2点 >474 :意識のある庭1 :04/07/09 18:51 ID:AO0Y7CVX
1点 >443 :布団 :04/07/04 19:01 ID:kaY0UHEV
1点 >444 :猫の額 その一 :04/07/05 00:43 ID:eF/Vdba0
1点 >449 :庭には2羽鶏がいる :04/07/06 16:24 ID:PZfivCWv
1点 >450 :小さな御庭 :04/07/06 18:21 ID:58Tes2CH

506 名前:てるあき ◆DDfwggPC.. [] 投稿日:04/07/12 16:26 ID:GX0qBM/7
1点 >449 :庭には2羽鶏がいる

508 名前:山田 ◆jipx.wAXvs [] 投稿日:04/07/13 00:18 ID:3uVjBlWD
2点
>474-475  意識のある庭

1点
>446-447  愚者の楽園(マリーノ超特急)
>488-497  Sky Fruits

509 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:04/07/13 01:00 ID:/3zyKun9
2点
>>482

1点
>>465
>>474-475
>>478
>>488-497

510 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/07/13 15:30 ID:7lqaOLuD
簡単に採点させていただきます。すいません~

>482 2点
>454 1点
>449 1点


作品





布団



微熱が続く僕の庭は
目の前に広がる白い大地
小人たちが畑仕事をしているよ
僕にはお手伝いも出来ない
僕の身体は無力だから

頭が重くてうっすら目を開けると
眼下に広がる白い庭
ママの広げた玩具が広がる
僕だけのスペース
手を伸ばしても届かないけど

ある日訪れた来訪者が
僕を庭に連れ出した
とてもとても楽しかったけど
広すぎてもう元に戻れない
庭を見下ろす今までの位置まで



443 名前:布団[] 投稿日:04/07/04 19:01 ID:kaY0UHEV


【コメント】

504 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/07/12 02:00 ID:U0an9pYB
1点 >443 :布団 :04/07/04 19:01 ID:kaY0UHEV
  小人が畑仕事を……あたりから、子供の病気だけじゃない胸騒ぎがしてくる。
  「ある日訪れた来訪者が」<この一行は興ざめ。仕掛けが見えてしまう。わかっていてもはこぼれていく。そんなフレーズを期待する。たとえを短直にいえば、おもちゃのねずみがウインクするとか……これもあんぐ……り、だが

428 名前:わに ◆Wani6uvhK.  [sage] 投稿日:04/07/14(水) 22:27 ID:D2vrFM/U
くみ。さんチャンプおめでとうございました。

私の文章で不快になってしなった皆様。
大変申し訳なく思っております。
・・・・どの作品も選びがたい中から
これと思ったものを選んでおります。
自分が批評するにはまだ力不足は感じているので
3点はつけないようにしていますが。

さて、今回私は一番乗りで「布団」をかきました。
ななほしさんありがとうございました
実は高校生ごろ書いたものだったのですが
自分の中で気に入ってても、さすがに梁山泊の壁は厚かったです
反省とともに出直してきます


【得点】 1点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:1点





猫の額



うちの家には庭がある 
猫の額のような庭
猫の額の庭だけど
とても大きい木があるよ
親に名前を尋ねたら
とてもすばらしい木と言った
意味がわからずもう一度
親に尋ねてみたけれど
親は笑って取り合わず
書斎で小説読んでいた

とても大きくすばらしい
立派な木があるうちの庭
木の迫力に押されて
猫の額は窮屈そう
猫の額の大きな木
あまり大きくなりすぎて
隣の家まで根を伸ばし
やむにやまれず切りました


うちの家には庭がある
猫の額のような庭
とても大きな木があった
窮屈そうだった猫の額
大きな木がなくったとて
猫の額は猫の額
大きな木がなくなったから
とてもさびしい猫の額
新芽を見つけた穏やかな日も
木陰で涼んだ暑い日も
焼き芋焼いた枯葉の日
空が広がる寒い日も
今では遠い思い出と
欅とすごした日々のこと
広い空見て懐かしむ
猫の額のような庭



444 名前:猫の額 その一[sage] 投稿日:04/07/05 00:43 ID:eF/Vdba0
445 名前:猫の額 その二[sage] 投稿日:04/07/05 00:44 ID:eF/Vdba0


【コメント】

500 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [mistyage@nifty.ne.jp] 投稿日:04/07/11 01:46 ID:qprr8mba
>>444-445 猫の額
猫の額と、大きな木の対比。小さな庭と、不釣合いな大きい木の話というふうに普通に
読めてしまう。それはそれでよいが、「大きな木」を何かの隠喩や象徴と読むことも可能。
大きな木については、「とてもすばらしい木」としか言及しておらず、余計な描写が一切ない
のがミソ。「大きな木」とぼかすことで、この詩に茫洋としたふくらみを持たすことができた。

504 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/07/12 02:00 ID:U0an9pYB
1点 >444 :猫の額 その一 :04/07/05 00:43 ID:eF/Vdba0
  自分の庭を持ったことがない。畑も持ったことがない。はたしてこの詩の作者の庭はいまドンナ花が咲いているのかなぁ?? 

505 名前:てるあき ◆DDfwggPC.. [] 投稿日:04/07/12 16:25 ID:65flWfSV
1点 >444 :猫の額
結構楽しい詩でした
りずむかんもあってよかったとおもいます

506 名前:てるあき ◆DDfwggPC.. [] 投稿日:04/07/12 16:26 ID:GX0qBM/7
すいません、上のは誤入力です
タイトルのコピペミスりました
正しくは

1点 >449 :庭には2羽鶏がいる
です
この場を借りてお詫び申し上げません

424 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:04/07/14(水) 03:17 ID:bl1C0eyX
「意識のある庭」の作者さん、グリーンブックさん
チャンプおめでとうございますっ☆

今回は「庭には2羽鶏がいる」を書きました。
日本人なら知らない人はいないこの言葉w
これは作ってる最中も楽しく書け、
作ってる本人もかなりノリノリだったのでw
何事にも楽しく(by自分スタンス)詩を書く上でも
実験的でありつつ初心に戻れたような詩でした。

「庭には2羽鶏がいる」 に評をくれた
ななほしさん、てるあきさん、わにさん
遅くなりましたが、前回「手紙を書こう」に評をくれたシオンさん
どうもありがとうございました。

425 名前:山田 [sage] 投稿日:04/07/14(水) 03:21 ID:bl1C0eyX
↑あ、コテハン入れるの忘れてた。
山田(サンタ)です。


【得点】 3点
  • MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:1点
  • てるあき ◆DDfwggPC..:1点





愚者の楽園(マリーノ超特急)




水曜日には
お気に入りのアクアバイクに跨がって
積めるだけ積みこんだジャスミンの花束を届けに
海上に浮かぶ列車整備駅まで出かけていく

海に囲まれたプラットホームで
彼は私を待ってるだろう
明日やってくる海洋特急の準備に大忙しで
流れる汗と機械油にまみれて
彼は私に手をふってほほえむだろう

明日はマリーノ超特急がやって来る
海に敷かれたレールをしずしずとやって来る
停車時間は一時間 次から次へ迫りくる仕事を
彼はひとりでこなしていくだろう

エンジンの点検と調律 車輌のサビ落とし
滑車にこびりつく塩塊の除去 客車に機器に侵入するフナムシ退治
フナムシ退治にはジャスミンガスが有効で
それは彼の独自の研究成果で
私は毎週ジャスミンガスの原料を届けにいく

かつて駅には整備士がふたりいて
私の入り込めない硬い友情で結ばれていて
ある日ジャスミンガスの効能を管理局に報告した同僚は
めでたく上級技術職に転身して
彼はひとりになった

(だってさあ
  エラくなって迎えにいくなんて不可能だよ
  えっ 誰をって?)



たったひとつの彼のこだわり
それは
ジャスミンガスは使用前日につくること

ジャスミンを抽出している間に
私は彼の庭をのぞきにいく
武骨な駅舎の片隅に設けられた
こじんまりとした花壇に
ひと株の野バラが取り残されたように咲いている
色褪せた小さな花と乾いた葉っぱ
吹き荒れる海風のなか枯れずに咲いてるのは奇跡だった

(ここには潮の香りしかない)

葉っぱにしがみつくアブラムシをちくちく取りながら
私は野バラに話しかける ねえ 結婚しない?
私はあなたの助手もできるし
それからプラットホームでジャスミンを育てよう
海に侵食されたこんな世界だけど
この駅だけは花の香りでいっぱいにしよう
そしていつか私の子供たちが
広いジャスミンの庭ではしゃぎまわるそんな日を夢みよう

(マリーノ超特急の旅人よ もしあなたが
  海風のなかにジャスミンの香りを感じたら)

いつの間にか 見渡すかぎりの海に月がのぼって
私は今週も帰りそびれてしまった
明日は彼の助手をしよう ジャスミンガスも出来たし
彼もまんざらでもないふうで
実のところ海洋特急はいつ到着するのかわからないし



446 名前:愚者の楽園(マリーノ超特急):1/2[sage] 投稿日:04/07/05 23:33 ID:np9Cnou+
447 名前:愚者の楽園(マリーノ超特急):2/2[sage] 投稿日:04/07/05 23:34 ID:np9Cnou+


【コメント】

500 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [mistyage@nifty.ne.jp] 投稿日:04/07/11 01:46 ID:qprr8mba
>>446-447 愚者の楽園(マリーノ超特急)
この詩の作者の強みは独自の世界を持っていること。「海上に浮かぶ列車整備駅」などの
描写で、私たちが住む世界とは全く別のアナザーワールドに招待してくれる(「海に侵食された
この世界」とあるから、もしかしたら、温暖化が進行した未来の地球か?)。数日に一度しか
やってこないマリーノ超特急、一体どこからやってきてどこへ向かうのだろう? 非常に
ソソラレますな。今回はジャスミンガスの話が大半をしめていたけれど、もう少しこの列車の
由来や、アナザーワールドの中身を見てみたかった、というのは私だけのワガママだろうか。

504 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/07/12 02:00 ID:U0an9pYB
2点 >446 :愚者の楽園(マリーノ超特急):1/2 :04/07/05 23:33 ID:np9Cnou+
  砂漠も海洋も飲み水に事欠く過酷な世界だが海の世界の舞台装置、のんびりする。

508 名前:山田 ◆jipx.wAXvs [] 投稿日:04/07/13 00:18 ID:3uVjBlWD
1点
>446-447  愚者の楽園(マリーノ超特急)
RPGの世界みたいだな~というのが最初の印象。
世界観がいいですね。
「庭」というテーマを考えると、ちょっと弱いかも。

429 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e.  [sage] 投稿日:04/07/14(水) 23:42 ID:In9WowSz
みなさまがたオメデト&オツカレさまでした。
大方の予想通りですが、『愚者の楽園(マリーノ超特急)』を書きました。
ありがとうございました。マリーノ超特急は、実はシリーズの2作目というべ
き作品です。ちょいと推敲などして、1作目ともども来月あたりにお目にかけ
たいと思ってます。
遅れましたが、前回のウッカリにも関らず、MUJINAさんから批評をいただいた
りななほしさんから選外佳作をいただいたりで、すんげー嬉しかったです。
本当にありがとうございました。

431 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY  [mistyage@nifty.ne.jp] 投稿日:04/07/16(金) 00:09 ID:4xj0j4aD
>>429&430
本スレで、山田さんが「マリーノ超特急」を評してRPGみたいだ、と発言していたのが
印象的でした。確かに、漫画のようでもあるし、RPGのようでもある。でも、Canopusさん
には、RPGをも超えてもらいたい、と過剰な期待をしております。それは「ファイナルファンタジー」
なんか映像が詩的で美しいし、独特の異世界をつくっているけれど、ストーリーや人間像が
イマイチだったりするでしょう。だから、まだまだ文字の世界(あえて文学とは言わない)が
対抗できると思っているわけです。だから、Canoさんには、これからもアナザーワールドと
そこに住んでいるひとたちの物語を開拓していってもらいたい、と一ファンとして思っております。


【得点】 4点
  • MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:2点
  • 山田 ◆jipx.wAXvs:1点





ちいさな世界



ここは柵で囲まれたちいさな世界

蟻が歩き
犬がその上を通り
その上をすずめが飛ぶ

外界と同じように
春が来て夏が来る
秋が来て冬が来る

ここは圧縮された自然界
草が生え
花が咲き
虫が来る

この庭というちいさな世界
たとえここでも
自然界の掟は消えない

蟻が、蜂の屍を運び
蜘蛛が蝶を食らう



448 名前:ちいさな世界[] 投稿日:04/07/06 06:29 ID:YhW6G76y





庭には2羽鶏がいる



庭には 2羽 鶏が いる

今日はお祭りだったんだ
焼き鳥を食べたんだ

庭には 1羽 鶏が さみしそう

今日でお祭りは終わるんだ
ピンクのヒヨコを買った

庭には 1羽 鶏と 1匹のヒヨコがいる

庭には 2羽 鶏が いる

その日はそんなに遠くはない  




449 名前:庭には2羽鶏がいる[sage] 投稿日:04/07/06 16:24 ID:PZfivCWv


【コメント】

504 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/07/12 02:00 ID:U0an9pYB
1点 >449 :庭には2羽鶏がいる :04/07/06 16:24 ID:PZfivCWv
  出ました庭鳥ネタ。呼ばれたら、締められた……か??

510 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/07/13 15:30 ID:7lqaOLuD
>449 1点 庭といえばこれですねw
      なんていうかお約束の美、とでもいうべきか
      水戸黄門における印籠を出すシーンのような
      由美かおるの入浴シーンのようなかんじですよね
      予想できない驚きより予想範囲内の驚きのほうが効果的であると私は考えます


【得点】 3点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:1点
  • てるあき ◆DDfwggPC..:1点
  • わに ◆Wani6uvhK.:1点





小さな御庭



さぁ早く 此方にいらっしゃいな
そんな所で見てないで
此処は空が広い

貴方に似合う花を差し上げましょう

嗚呼 只今
急ぐ街並みを抱く貴方を
そっと抱きしめる
広い空の隙間から
屋根と雀がそっと顔を出す

私の場所 私の世界

さぁ早く 其の綺麗に飾る柵を乗り越えて
此方にいらっしゃいな



450 名前:小さな御庭[sage] 投稿日:04/07/06 18:21 ID:58Tes2CH


【コメント】

504 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/07/12 02:00 ID:U0an9pYB
1点 >450 :小さな御庭 :04/07/06 18:21 ID:58Tes2CH
  兄弟がいないから、兄弟の味は知らない。庭も除きこむだけで庭からの景色は見たことがない。そうか、……屋根と空が……見えるのか。


【得点】 1点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:1点





始まりは庭だった



ラ ラ ラ ラ ラ
歌いそして踊る少女がその庭に居た
それは遠い昔の出来事・・・
桜が散り 皆、春の行事が過ぎ去り
ほっと 一息を着いている時期だった。
僕はいつもどおり 家から飛び出し
僕にとってのお外という庭に遊びに出た
僕の家には庭などない ただのマンション暮らしだ
だから 本物の庭など見たことがなかった
あの場所で見るまでは

いつもと同じように家を飛び出した僕は
昨日より遠くまで遊びに行こうと決めていた
資金は朝 親にねだって調達してきた
これなら電車に乗って遠くにいける
地元の駅から電車に乗って 8駅先の駅に向かった
わくわくどきどきの一人旅 なんて子供心に思っていた僕が居た
目的の駅に着き 改札を通り抜け
見知らぬ 街へと歩を進める

僕は見知らぬ街をひたすら歩き探索を続けた
まだ見ぬ 何かに出会えるかもしれないと信じて
まあ 世の中 そんなにすぐ出会えるようには出来ていなかった
朝出た頃のからの晴天の空は もう紅く染まり始め
じわりじわりと夜へと向かっていた





急いで家まで帰らないとっと思った僕は駅に向けて走り始めた
幾つもの路地を曲がり 駅へと向かう途中で僕は見てしまった
庭で歌い踊る少女を・・・
まあ 少女といっても 僕と同じぐらいの年頃だと思うのだけど
紅く染まった太陽の光を背に受け 庭で踊る少女は綺麗だった
その時の僕はまだ 綺麗って言葉を心から使った事はなかったけど
今回だけは心から綺麗って言えると思う
僕はその場所で5分ぐらい 立ち止まってその少女を見ていた
それから駅に向かい 家に帰った
しかし 案の定 あの5分の立ち止まりが尾を引き
家に帰り着く頃には 回りは闇に覆われていて
親からはしこたま 怒られた僕


あれから 時は流れ
僕は少年から青年の階段を上り
甘く切なかったかもしれない 初恋を思い出していた
そんな事を考えている場所はとある街のある家の庭だった
僕はその庭の椅子に腰掛け のほほんとしている
誰かが話し掛けてきて 踊ろうと言ってきた
しょうがないなぁと 思いながら 差し出された手に
自分の手を重ねた・・・・・・・・

今となりで笑いながら踊っている彼女が
僕の初恋の相手だった




451 名前:始まりは庭だった act1[age] 投稿日:04/07/06 21:42 ID:GSGVnsFE
452 名前:始まりは庭だった act2[age] 投稿日:04/07/06 21:43 ID:GSGVnsFE
453 名前:始まりは庭だった act3[age] 投稿日:04/07/06 21:49 ID:GSGVnsFE





神の庭



張り付いたような月と星空が
まるで有限の壁のごとく私を囲む

月に照らされた遠くの山も
沿岸の工場地帯のロウソク煙突も
工場の光で紫に光る雲も
公園の電灯に集まる蛾も
ライトアップされた桜並木も
兄と走ったが今は消えた運動場も
母と歩いたが今は消えた帰り道も
私が生まれた今は消えたあの部屋も
私が歩いている今生まれたこの道も

この空を外せば覗けてしまう
誰かの箱庭なのだろうか



454 名前:神の庭[sage] 投稿日:04/07/06 22:50 ID:mFKYfCaB


【コメント】

500 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [mistyage@nifty.ne.jp] 投稿日:04/07/11 01:46 ID:qprr8mba
>>454 神の庭
タイトルで既にオチがわかっちゃっている。タイトル、変えたほうがよかったのでは?
違うタイトルでも、最後まで読めば、自ずと想像できる。読者が想像する楽しみを残す、
というのが詩の技法、と私は個人的に思っております。苦言で失礼。

510 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/07/13 15:30 ID:7lqaOLuD
>454 1点 空は夢幻に広がっているのに箱庭だと感じる
      そのキモチは精神的な壁なのか?
      景色がだんだん私的になってゆく感じとリズムが私の好みです


【得点】 2点
  • MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点
  • わに ◆Wani6uvhK.:1点





紫陽花が咲く庭で



あの日 この庭で起きたことは
ぼくと君と紫陽花だけの秘密さ
君の白い水玉の傘も
ぼくの黒いブカブカの長靴も今はない

君の記憶が途切れた場所
紫陽花が咲く庭で

あの日 ふたりでながめたかたつむり
青い紫陽花の緑の葉の上
ゆっくりゆっくり這っていた
どこまでも憂鬱な灰色の空の下

あの日 この庭で起きたことは
ぼくと君と紫陽花だけの秘密さ
君の赤いピカピカの鞄も
雨にぬれた君の白い肌も今はない

君の笑顔が途切れた場所
紫陽花が咲く庭で

君とふたりで過ごした最後の日
あの夜 雲の隙間から月が見えた
黒い夜空に輝いていた
まるでぼくのしたことをゆるすように

あの日 この庭で起きたことは
今はぼくと紫陽花だけの秘密さ
君は今もこの庭に
今は赤い紫陽花の葉の下に



455 名前:紫陽花が咲く庭で[sage] 投稿日:04/07/07 01:45 ID:PgRMCdex



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最終更新:2007年04月15日 23:28