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お題
開催期間 2005/02/26~2005/03/10
参加作品数 26
審査員 7人
本スレ 13の612-681
議論スレ 9の611-639


【チャンプ】

【準チャンプ】

作品一覧


No. タイトル 作者 点数
613-614 落ちてくる ame 10
615-617 That's news to me... - -
618 あーもう、やってらんねー - 1
619 DNA - -
620-621 - -
622 人・まぼろし - -
623-624 ベルと殺人~チューリングに捧ぐ MUJINA 2
625 猿だよ - 1
626-629 赤いソファー 心霊写真 5
632 グッバイサンキューMr.Comedian 3/20 - -
633-635 紙切れ ゼッケン 4
636 陽とヒト - -
638 夜、霧の中に・・・・・・ リーフレイン 4
639-640 無題 - 2
643 Take me out. - 4
644 おべんきょうのじかん ヒゲルド 1
645 今や無人である - 1
646 人を為す根拠 浴用抑揚 3
647-648 ぼたん雪 まーろっく 11
649-650 理解と真似真似 - -
651 野良風 - 1
652 親愛なるステレオに - -
653 ホモサピエンスの生態 - -
654 問う魂(TOKON) - -
655 人は全て - -
656 無題・作品番号111111 - -

【審査員】
  • 園川 ◆nWfXpQxHHM
  • ななほし ◆lYiSp4aok.
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w
  • 大木人 ◆hMyRGSodPk
  • ゼッケン ◆DgT0G2eW4I
  • ame ◆yUHAxrOw2c

【採点レス】

665 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/09(水) 15:38:40 ID:ggY+FGQy
3点 ぼたん雪
2点 Take me out.
1点 人を為す根拠

666 名前:ななほし ◆lYiSp4aok.  [] 投稿日:05/03/10(木) 01:15:05 ID:8UvUh9iW
3点 >>638 :「夜、霧の中に・・・・・・」:05/03/04 10:43:40 ID:o/OAyGUW
2点 >>639 :名前はいらない :05/03/04 10:55:56 ID:bxPrMYiw
2点 647 :ぼたん雪    上 :05/03/06 16:41:17 ID:bMXTMtuR
1点 >>626 :赤いソファー 1/4:05/02/28 13:22:38 ID:qX+poiKr
1点 >>625 :猿だよ :05/02/27 23:46:49 ID:WTKwcwMH
1点 >>613 :落ちてくる 1/2:05/02/26 21:35:25 ID:V9srDDP8
1点 >>633 :紙切れ 3の1:05/03/01 13:18:14 ID:qjHKYM9k

667 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e.  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 01:23:04 ID:hUK86MsT
3点
>>613-614 『落ちてくる』
2点
>>647-648 『ぼたん雪』
1点
>>618 『あーもう、やってらんねー』

668 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:40:14 ID:ncXFc4g7
>>613 落ちてくる      3点
>>626 赤いソファー   2点
>>646 人を為す根拠   2点
>>623-624 ベルと殺人~チューリングに捧ぐ    1点

669 名前:大木人 ◆hMyRGSodPk  [] 投稿日:05/03/10(木) 16:45:23 ID:ym9P+Xt5
◎3点
>613-614  落ちてくる

○2点
>643 Take me out.
>647  ぼたん雪 

670 名前:大木人 ◆hMyRGSodPk  [] 投稿日:05/03/10(木) 16:46:56 ID:ym9P+Xt5
△1点
>623-624  ベルと殺人~チューリングに捧ぐ 
>626-629 赤いソファー 
>638  「夜、霧の中に・・・・・・」
>645  「今や無人である」
>651  野良風

671 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 19:14:31 ID:/6yJrKTc
1点 >>644『おべんきょうのじかん』

672 名前:ame ◆yUHAxrOw2c  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 22:54:31 ID:eonNgoV3
3点
>633-635  紙切れ
2点
>647-648  ぼたん雪
1点
>626-629  赤いソファー


作品





落ちてくる



イキモノに似た木彫りの置物と
たくさんの鈴の音のなかで
五月蝿い発電機が目立つ広場に
好き勝手な遊びを止めて人が集まる
彼らが遊ぶその向こうに空が落ちてくる

日付のない方言詩が
好き勝手に読まれて威厳をつける
文字を付け足したり並べ替えたりすれば
カレンダーの数字から先に読み出される
子供たちが遊ぶ向こうで今日も陽が落ちてくる

表紙のない本の群れの中から
明日の天気予報にも満たない
予言書のラクガキが見えてきて
僕らが傘を振り回す
雲ばかりの山の上から雨が落ちてくる


  空が落ちてくる
  空が海に落ちてくる
  誰かが石を放り投げても水を切れなくて
  砂の上にできた小さな仮宿も
  次の日にはとうに消えていた


はるか昔たった二人の男が
腰掛けた石を後に奉りはじめ
彼らが知らないうちに人は集まり
次々と松葉杖を放り投げた
女性が一人で泉のある洞窟を出て
空が落ちるのを見つめている

昔々のある日 西の国の蝶に間違えなかった人のうち
祭りを楽しみにした幾人が
空が崩れ落ちるのを心配しながら
酒と肴を持って遊び尽くした
船の上で遊ぶその向こうに月が落ちてくる

三時半に鳴らされるメロディーが
子供たちの行き先を変えてみた
遊びはこれでおしまいだと目を瞑って
大人たちは寝床につく
わずか支えた柱のある箱の中で 
誰かの空から緞帳が落ちてくる


空の向こうから緞帳が落ちてくる


613-614 名前:落ちてくる [sage] 投稿日:05/02/26(土) 21:35:25 ID:V9srDDP8


【コメント】

630 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/02/28(月) 18:28:14 ID:jQdD/FCT
>>613-614 落ちてくる

読もうとしたら読めなかった。あれこれ考えてみるが分からない。もう一度、
分からなくてもいいから読んでみる。そして感じたこと、今度はそれだけについて考えてみる。

まず「読めない」という感覚を肯定する。すると僕は自己と作品との間に距離を発見する。
この距離が大事なんじゃないか。距離によって、僕は作品の、ある異質な存在感に気づく。

作品との同化によって感じるのではなく、異化によって観察する。
脈絡など分かりはしない。(伝えようとしていないから。)
無言の球体の映す景物を、解釈などうっちゃって、そのまま心に溶かし込む。
気がつけば、何かを諦めた影たちの、美しく無気力な遊びの時間が始まっていた。

でも、多分、
この作品は読まれることを欲していない。又は読まれることが出来ない。
ただ在る様な作品。と言ってもやはり読まれたいわけで、
結果みんなの前に無言で現れる。みんなの間に戸惑いを生む。
ある者は解釈しようとする。ある者は無視する。ある者は反発する(?)。
球体は無言のまま彼らの中心に鎮座する。ずるいと思う。

作者の内部では、もっとシンプルに、
無形の影を言葉という有形で表現しようという試みなんだろうなと想像する。

666 名前:ななほし ◆lYiSp4aok.  [] 投稿日:05/03/10(木) 01:15:05 ID:8UvUh9iW
1点 >>613 :落ちてくる 1/2:05/02/26 21:35:25 ID:V9srDDP8
  人が集まる集まらなきゃ人じゃない。……空から落ちてくるものなど無い。
  すべては気の迷い?? 

667 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e.  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 01:23:04 ID:hUK86MsT
3点
>>613-614 『落ちてくる』
ぼくのイチ押し。ソフト硬派とでも言うのかな、わずかに硬質なことばが積み
上げられながら世界が構築されていく、この詩の方向性は、ぼくは大好きです
。人々の生活を舞台での遊びに見立てて、そして突如として役所の終業時間の
ような幕切れ。カッコいい。
所々に分りにくい比喩(「松葉杖」とか「西の国の蝶」とか)があって、焦点
がややぼやけてしまった印象は否めません。

669 名前:大木人 ◆hMyRGSodPk  [] 投稿日:05/03/10(木) 16:45:23 ID:ym9P+Xt5
◎3点
>613-614  落ちてくる
ガルシア・マルケスの小説のような、濃厚な物語を感じます。
まさに秀逸な寝物語のようで、読み手は言葉の海に漂い、空想に遊ぶことができます。
詩情の豊かさ、テーマとの合致性、文句無しの3点です。

612 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [] 投稿日:05/03/10(木) 11:47:17 ID:ncXFc4g7
>613 落ちてくる
気持ちよかったーーー。まずこの一言につきます。
SFの異世界もの読んでるような気分に浸らせていただきました。
なんか、いやに巨大な衛星を抱えた星で、でっかい月がどーーーんと地平線に落ちていく気がします。
なんというか宇宙的にでかい力の前に、右往左往してしまっている卑小な人間の
可愛らしさというか、日常と非日常が交錯しているような快感です。

617 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:41:43 ID:ED5LueCG
>613-614 落ちてくる
作品全体としては終末に向かって不安な雰囲気が不穏に進行するのに、
「彼らが遊ぶその向こうに空が落ちてくる」。一連目最終行。ここで挫折する。飲み込めない。
「彼ら」の上にじゃなくて「その向こうに」「空が落ちてくる」。
作中でも扱われていますが、杞憂の時代からすでに空の圧迫感というテーマがあったわけで、
それは逃げ場のなさが不安をかきたててくれるから、繰り返し使いたくなるテーマなわけで、
それが向こうに落ちちゃうんじゃ、セーフじゃないですか。

こまかい部分にこだわりやがって、と、お叱りを受ける覚悟で尋ねます。この一行、どう読むんですか?

639 名前:ame ◆yUHAxrOw2c  [sage] 投稿日:05/03/12(土) 23:53:27 ID:LcoUwGTv
こんばんわ。「落ちてくる」を投稿しました。
この詩の原稿もHDDと一緒に吹っ飛んでしまいました(´Д⊂グスン

とりあえず、この詩は視覚先行でしたので、リーフレインさんの感覚に作者としては近かったと思います。
そして、ふと読み返してみると、園川さんの「ずるいと思う」についても、ああわかるなぁ、と。
なんとなく、全く無関係なようなんだけど、妙に納得してしまう、させられてしまう、そんなことをやってみたくて。
「落ちてくる」って、意味として自動詞なものですから。誰かに左右されることもなく。
そんな映像とやってみたいことが重なってできた詩、だったと思います。
それから、祭りって自分は好きなんですが、祭りってどことなく無意味さがあるように思えて、
でもその無意味さが祭りとして面白くて、それで好きになるという個人的感覚があって。
縄文の昔から、祭祀に使われるという想像以外に使い方わからんアーティファクトって結構あるもんで、
自分はそういうのも見てきてはいるんですが、きっとあれはそういう圧迫感を「忘れる」ためだったんじゃないかな、と。
というわけで、ゼッケンさんの質問について、
自分としてはそういう意味で彼らが「忘れる」ゆえに、物語はセーフになるんだと、そう思っています。

今回も審査採点された皆様、お疲れ様でした。
感想批評頂いて、ありがとうございます。
そして、チャンプのまーどっくさん、おめでとうございます。

では、次回もよろしくお願いします。ameでした。


【得点】 10点(準チャンプ作品)
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:1点
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:3点
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w:3点
  • 大木人 ◆hMyRGSodPk:3点





That's news to me...



Good evening.
Here now, the news!

まず
今日も戦地では
自爆テロで
若い兵士がギセイニナリマシタ...

けたたましい爆撃音
Can you hear me?
宙を舞う肉と骨
穴だらけの建物
文明の残骸

鮮血と腐臭と蠅の群れ
太陽が異常なほど高い
汗と泥水と...and again blood!
人間のニオイがする

極度の緊張で喉が渇く
放っておけば朦朧とする意識を
無理やり叩き起こして
曇った両目のレンズ
焦点をあわせていく

俺は人なのかヒトなのか
それとも...

リビングでニュースを見ることと
生きるために殺すこと
どちらが人間らしいのか

稲妻のような閃光
国に残してきた恋人を見た
どうして...
考えるより先に本能が
少女を撃ち殺す

今日何度目かの炸裂音
Is that you, Kady?

少女の華奢な体を無数に射抜く
そうしなきゃ俺が殺られていた
まだ生暖かい物言わぬ屍
機関銃より花束が似合う

クリーンな戦争
Oh fuck!

日陰に逞しく花が咲く
名前も知らぬ野草を
手折って屍に投げた

ギロリと見開いた目
半開きの口から唾液が垂れる
胸元に一輪の花

人としての尊厳の破片
それすらこの太陽の下で
いつか乾いてひび割れる

ロックスターの自殺と
ニュースにもならない沙漠での死
どちらが人間らしい死に方だろう...

今日はこんなところです

That's the way it is.

And...

Hoping your news is good news.


615-617 名前:That's news to me... [] 投稿日:05/02/26(土) 23:02:46 ID:qw7Jo5w4


【コメント】

630 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/02/28(月) 18:28:14 ID:jQdD/FCT
>>615-617 That's news to me...

英文の挿入が効果的でないと思った。例えば歌詞は音によってそれが生きるが、この作品には音がない。
かといって音に代わるものもない。

612 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [] 投稿日:05/03/10(木) 11:47:17 ID:ncXFc4g7
>615 ニュース
スマートです。とても。それらしい語句が、非常にそれらしく並んでいる。
ただ、かえって心に響きにくい気がします。血が書いてあるのに、血の味がしないような?趣味の問題かもしれませんが。

617 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:41:43 ID:ED5LueCG
>615-617 That's news to me...
テーマから逃げなかった。えらい。でも、作品の真摯さに対して言葉が細い。
作者さんは感傷が先走って、つい見も知らない「戦地」に自分が行ってしまったんでしょうが、
わざわざニュース映像のなかに入っていかなくたって「ニュースを見る」「リビング」も
じゅうぶんにこわいのがテロな現代で、罪深い同盟国日本でしょう。

最終行の「Hoping your news is good news. 」は、罪深いリビングへの愛がすとんと伝わる。
この作者さんは、自分の立ち位置を「ニュースを見る」「リビング」に固定した方が、
私たちの戦争の悲惨さも描けたと思う。





あーもう、やってらんねー



星に深々と彗星が刺さり
星は分裂を始める
分裂を繰り返し星は巨大に
ふくれあがる
巨大に

時がくれば
それは宇宙のソトへ
かつて星だったものは生まれる

それが
原子と分子
無機物と有機物
植物と動物
星と人の
記憶を喰らい生まれたならば

それは人である
それは新しい神である

そのための進化であった


618 名前:あーもう、やってらんねー [sage] 投稿日:05/02/27(日) 03:41:29 ID:h5UDUzkD


【コメント】

637 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/01(火) 19:02:00 ID:eJb5zaKH
>>618 あーもう、やってらんねー

なんとも言えない。題と中身の衝突から何か生もうとしているんだろうけど、
何が生まれたか分からなかった。中身だけ見ると、子宮を宇宙に見立て、
胎児はそこで創世以来の全進化を反復するという事か。分かりにくかった。
「宇宙のソト」という語が何を指すのか分からないため。
担おうとしている内容に言葉が全く追いついていなかった。

667 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e.  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 01:23:04 ID:hUK86MsT
1点
>>618 『あーもう、やってらんねー』
生命の誕生への軌跡を、マクロにミクロに転生させていく発想は、いい。ただ
その考察が未消化に終わってしまったのが残念で、読み手にうまく伝わってき
ません。そのもどかしさがタイトルにも表れたのかなあ。

612 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [] 投稿日:05/03/10(木) 11:47:17 ID:ncXFc4g7
>618 あーもう、やってらんねー
受胎、生誕を宇宙の誕生と生成に重ねて進化であると定義。
どうも、実感がついていけないんです。でかいテーマですね。

618 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:42:54 ID:ED5LueCG
>618 あーもう、やってらんねー
タイトルは照れ隠しでしょうか。それとも思いつかなかったんですか? 試験勉強中でしょうか。おつかれさまです。
さておき、内容はシンプルな一発イメージ勝負です。宇宙と生命、ようやく時代はSFの文脈で語られる日が来ましたよ。
で、前半は好みな展開です。
それだけに、続く、「原子と分子」「無機物と有機物」「植物と動物」これらの対照の安易さに脱力です。
理科の教科書をぱらぱらめくって拾ってきたっぽい。
ここにそれげな響きの言葉を探して持ってこれるかどうかが、雰囲気の演出ということになるんじゃないでしょうか。
その後で「進化」の究極に「神」という単語を持ってこない詩的進化をね、私も模索していきたいわけです。


【得点】 1点
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点





DNA



遠い昔、オレンジ色の海で扉は開かれた
コヨリのように水を吸って、それは捩れながら長く伸び続けた
尾ひれを付け、手足を伸ばした時、初めて乾いた空気を吸った
目の前に熟れた色とりどりの果実をつかんだ
そして言葉の果てに、本当の喜びとあがなえぬ悲しみを知った
人よ!意思があると思うのは幻、ただ前に進むための欲望がある
人よ!広島を経て、アポロが月に届いて久しいのだ
そして人よ!我をも含めて、すべての語りは偽装なのだ
 ・・・君のヒトミに映ったヒトミに映った瞳に乾杯!


619 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:05/02/27(日) 04:10:34 ID:6DlcOE/K


【コメント】

637 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/01(火) 19:02:00 ID:eJb5zaKH
>>619 DNA

創世神話、>>618と似ている。こちらは多少面白い。というのも「色とりどり」とか「オレンジ色」
とかいう言葉に色を見、「海」やら「こより」やらの言葉に景色と物を見たから。
ただそれが後半直接的に語られる主張とどう関係するのか、乱暴すぎるのでは。

「赤い」と言えば赤が見える。心に赤が現れる。
主人公に「悲しい」と言わせずに悲しい風景を描くべきだと言う前に、
まずは端的なこの事実について考えたい。作品の感想とは別にそんなことを思った。

612 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [] 投稿日:05/03/10(木) 11:47:17 ID:ncXFc4g7
>619 DNA
オレンジ色の海で扉は開かれたという一行が好きです。
偽装であっても、その手段があるこに感謝。

618 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:42:54 ID:ED5LueCG
>619 DNA
壮大な生命史ともいかず、軽妙にもなりきれなかったですね。
これを狙い通りに書くならもっと時間をかけるしかなさそう。

人というお題でDNAを持ってきたくなる。なぜ?
利己的遺伝子のおまじないを唱えるとなにかしら解放される気になるのはなぜ?
その心理こそ、いまという時代の人間なのだろうなあと思いつつ。







君は人だというのか
おお 私は始めて知ったぞ

我々は凍えるような寒さの中で
つららから一滴の水滴

もしくは
サバンナで草食獣と肉食獣の
均衡の間で降り注ぐ雨水の一滴

君の説は恐らくヒトではあろう
しかし私は人でありたいと思うのだ

それは
夕刻の茂みの中をじりじりと燃え尽きながら
落下する夕日を目の前にして
凡庸でありながらも突き動かされる衝動
自然のありのままという無垢を無残にも
ずたずたに引き裂き文化で切り取る

これこそが人であると思わないかね
若者よ


620-621 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:05/02/27(日) 07:10:05 ID:XRxCAH3n


【コメント】

612 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [] 投稿日:05/03/10(木) 11:47:17 ID:ncXFc4g7
>620
これは、異論あります。
基本的に主義主張詩なので、内容をもっと深化してください。

618 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:42:54 ID:ED5LueCG
>620
地球を食いつぶしたら火星だってタイタンだってある。そこも食い終わったら他の恒星系にだって行けるさ。
そういう凶悪な楽観主義で食糧危機や気候変動を切り抜けていきたい今日この頃、私、ちゃんと読めてるでしょうか。
心配です。

さて、文化(自然に対するのは文明の方が適切か?)は、自然の産物としての
ヒトの成り行きである工夫する脳、器用な指先、輸送力に富んだ直立二足歩行のさらに産物ということで、
文明すら「自然のありのまま」の一様式でしょう。川が流れると中州ができる。人が住むと街ができる。
光合成植物の誕生によって酸素濃度が上昇した。文明の誕生によって二酸化炭素濃度が上昇する。
外部の自然を「ずたずたに引き裂き文化で切り取る」のがまさにヒトであっていいような気がする。
気休め的な環境保護論や無責任な人類無力論に kick ass したいという点では作者さんに賛成です(重ねて言う、
ほんとに私、読めてるんでしょうか。心配です)。





人・まぼろし



欠落して久しい部屋の面で午後のカーテンが揺れている
優しい日差しの中に現れて、椅子はかすかな粒子をまとう
夕闇から夜へ、主のいない空気は静かに潤う

再び覚めぬ眠りが音楽を奏でるとでも言うのか?
眠りが眠りを誘い、もう悲しみでさえないメロディがたゆたう

椅子を巡る静かな崩壊の時間、そこに座り、
本のページをくくる所作、居眠りのあどけなさは、あれは、
あれは私の心が映し出した彼女の幻なのか・・・

私は荷作りの動作で、封印するかのように縫い合わせる
そして、このポッカリと開いた時空の裂け目は閉じ、
明日からは新しい人影と共に、きっと花弁がこぼれ落ちている


622 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:05/02/27(日) 11:18:45 ID:jU6EKS2p


【コメント】

612 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [] 投稿日:05/03/10(木) 11:47:17 ID:ncXFc4g7
>622 人・まぼろし
失われた人の追憶ですね。描写が美しいです。

619 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:45:51 ID:ED5LueCG
>622 人・まぼろし
「あれは私の心が映し出した彼女の幻なのか・・・ 」って、
この説明的な響きの一行が作品の幻想的な雰囲気をぶっこわしてると思った。





ベルと殺人~チューリングに捧ぐ



ピンポーン
外へ出てみると
マンションの廊下を走って逃げる子供の後ろ姿
またいつものあの子

他愛のない悪戯
と一言で済ませることもできる
けれど
ちょっと違う
おそらくは
確かめたかったのだ――
あの子にとって
呼び鈴が鳴るか
どんな音がするか
住人はどんな反応をするか
それらの事々が
その子供にとって何よりの重大事で
ただそれを確かめるために
ほとんど毎日のように
私の部屋の前にやって来ては
ベルを押す

人を殺す体験がしたかった――
そう言って老人を刺殺した少年がいた
冷酷にもほどがある
人は非難する
生命の尊厳を学校の教師は教えなかったのか
大人たちは誰かを指弾する
けれど

彼も確かめたかったのかもしれない
人を刺すと
本当に血が出るのか
本当に人は死ぬのか
人が平然と生きているということが
彼にとって何より不思議でならなかったのだろう

告白しよう
何かを確かめたいという欲求に
私もときおり駆られる
何を確かめるって?
いろいろある
たとえば
ネットの向こうに誰かいるのか
その誰かは機械やロボットでなく
本当に人間なのか
この言葉が本当に君に届いているか
人に伝わる言葉とは何か
言葉が伝わる人間とは何か

だから私はいま
ベルを押して逃げる
そうしたら
ネットの向こうで
知らない誰かが胸をかきむしって
息絶えているかもしれない


623-624 名前:ベルと殺人~チューリングに捧ぐ [catwelk7@nifty.ne.jp] 投稿日:05/02/27(日) 22:49:45 ID:09/78XVl


【コメント】

631 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/02/28(月) 19:17:43 ID:jQdD/FCT
>>623-624 ベルと殺人~チューリングに捧ぐ

この作品を読んで思ったのは、改行というスタイルのもつ意味として、
リズムによる印象の強弱というのは確実にあるなあ、と言うこと。(無知なのでよく知らないんです)
改行することにより音読にリズムを生み、リズムを通して読者は言語化以前の作者の内観と一体になる。
作者の視線の移動、遠近の切り替え、思考の展開・・・というものは始めは全てリズムとして表れ、
様々な技巧はそこから派生していったものなのではないだろうか。

僕は今のところ「詩である」ということの意味を広い意味で「韻文である」という点にしか見出せず、
ならばどれだけ韻文できているだろうという点が評価の大きな基準になる。
そう考えたとき、この作品は改行のリズムを音読のしやすさ以外に利用できていないように見え、
あんまり評価できない。ただ、構成の的確さと相俟って、とても読みやすいという点は美点だと思う。

もうちょっと感覚的に言うと、平坦な印象だが、逆にそれに惹かれもする作品。

670 名前:大木人 ◆hMyRGSodPk  [] 投稿日:05/03/10(木) 16:46:56 ID:ym9P+Xt5
△1点
>623-624  ベルと殺人~チューリングに捧ぐ 
コミュニケーションと確認作業、主題として良く洗練されていると感じました。
最終連に作者の視点の深さが伺えます。
もう少し詩情が加味されればより良くなると思います。

612 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [] 投稿日:05/03/10(木) 11:47:17 ID:ncXFc4g7
>623 ベルと殺人・・・・
「確かめたかったんだ」ていう主題をよく追い込んであります。
ただまあ、ネットのこっちで、しばしば熱出しますよ。とりあえず私は死んでないですが。。

619 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:45:51 ID:ED5LueCG
>623-624 ベルと殺人~チューリングに捧ぐ
社会性人工知能のクラスターが出現したら、やっぱ、勝手に他のドメインを消去してはいけませんって
学習させるんじゃなかろうか。ったく、最近のAIはフィードフォワードもできんのかって、
マトリックスの長老がたもアルファケンタウリの陰で嘆いておられましょう。

ベルとチューリングが並んでる題名はかっこいいと思いました。

632 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY  [] 投稿日:05/03/11(金) 22:05:12 ID:9dvTxweb
マーロックさん、ちゃんぷおめでとう。私も「人間の条件」って映画、もう何回
も見てて、葉土さんの「既視感」が納得しました。雰囲気があっていい詩に思います。
大連という街は大陸ロマンのイメージがあって、ぜひ一度訊ねてみたいなあ。
さて、今回、私は「ベルと殺人~チューリングに捧ぐ」を書きました。葉土さん、
大木人さん、評価してくださり、ありがとうございます。ゼッケンさん、園川さん、
寸評うれしい限りです。「洗練」という言葉が何より嬉しかった。いろんな詩の可能性を
これからも追求してゆきたいと思っとりますが、今回のようなシンプルなスタイル
が取り合えずの私の詩の到達点と考えています。
  チューリングについて、若干の解説を。彼はアメリカの研究者で、チューリングマシンという
今あるコンピュータのおおもとをつくった碩学であります。「チューリング・テスト」
という有名な話がありまして。人間と変わらないAIを完成させた際に行うテストのことで、
次のようなものです。
  3つの隣接する部屋があり、中央の部屋に試験官を置く。その両サイドの部屋の
一方に人間、もう一方にAIを入れ、どちらにAIが入っているのかは、試験官」からは、
わからないようにしておく。そうした上で、試験官が質問を出してゆき、人間とAIがそれぞれ
同じ質問に答えてゆく。それで、回答だけを見て、どちらに人間が入っているか試験官
がわからないようであれば、本物のAI、人工知能の完成、というわけです。
今回の私の詩はこの詩が下敷きになっています。
  あなたが、試験官だったら、AIに対してどんな質問を出しますか。
私なら、もちろん、「人、というお題で詩を書きなさい」と質問するに決まっています。
ところで、「MUJINA」は人間だと思ってました? 実はAIソフトだったんです。だから、
今回の詩もコンピュータが作った詩で――と言われたら、どうします。
これを反証する方法を示しなさい。


【得点】 2点
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点
  • 大木人 ◆hMyRGSodPk:1点





猿だよ



間抜けなお題に躓きそうになった。
でも分かるような気もする。
ここに詩を投稿しているのは猿ばかりで、
人なんていないのだから。
俺はまたバナナの早むき大会でもやってんのかとおもったよ。
どれ、次世代のボス猿はどの個体だ?
人間様に良くみられたい、賢い猿はどいつかな?




625 名前:猿だよ [] 投稿日:05/02/27(日) 23:46:49 ID:WTKwcwMH


【コメント】

666 名前:ななほし ◆lYiSp4aok.  [] 投稿日:05/03/10(木) 01:15:05 ID:8UvUh9iW
1点 >>625 :猿だよ :05/02/27 23:46:49 ID:WTKwcwMH
  詩人だなぁ……。でも、猿はほかの猿のまねをしないんだそうだ。
  しかし、人間のやってることを、形だけ真似する。それが、……意外と本質を突いている。
  虫歯の手術を受けるゴリラ、医者の差し出す名詞を食べたそうだ。このゴリラ
手話で人間と意思疎通できる。その先は人間がゴリラの意思を尊重するか? 否か?
  である。当然ゴリラはカギの掛かる部屋にいて、自分で扉をあけることはできない。

613 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 11:51:38 ID:ncXFc4g7
>625 猿だよ
踊るあほうに見るあほう、同じあほなら踊らなそんそん

619 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:45:51 ID:ED5LueCG
>625 猿だよ
潔くひとことで片付けたかと思いきや、最後に「人間様」がしゃしゃり出てくる。
「人間様」ってのは猿相手にも黙っていられないんだなあ、と、これは人が持つ顕示欲の逆説的な風刺ですね。


【得点】 1点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:1点



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最終更新:2006年11月16日 01:33