火の魔法使い

ある休日の昼下がり。何やら窓の外から物音が聞こえる
不思議に思って身を乗り出してみると、そこには箒を片手に、落ち葉の山とにらめっこするルキアの姿が。

ル「あっ、○○~。ちょうど良かった。今からお芋焼こうと思ったんだけど
  中々火が点けられなくて・・・。手伝ってほしいの。」
そういえばルキアは火の魔法があんまり得意でなかったっけ・・
○「しょうがないなぁ。 ほら、こんなもんでどう?」
表向きは渋々だけど、内心はウキウキして外に出る名無し。
お茶の子さいさいで落ち葉に火をつけてあげる。

ル「わぁっ どうもありがとねっ!!  そうだ、お礼に・・・」
首尾よく焼き芋を作れてご機嫌のルキア。
おもむろに名無しの方を向くと彼女は・・・
ル「はいっ。 お礼に分けてあげるね。」
と言いながら焼き芋を割って差し出してくれた。
しかし、どう見ても半分こではなくて2:8ぐらい。
○「・・・・」
少し恨めしそうにルキアを見る名無し。
しかしそんなことにはお構い無しに幸せそうに食べるルキア
ル「ん、おいひい~。 ムシャムシャ・・」
あまりにも満足げなその表情にいつしか不満など忘れて見とれる名無し。

殆ど食べ終えたところでようやくルキアは視線に気付く
ル「・・・? あ、ごめんごめん。やっぱりもっと欲しかった?」
○「いや、ルキアが美味しそうに食べてるの見てるだけで、こっちまで美味しく食べた気になるから、十分だよ。」
ル「そっかぁ・・・それって、褒められてるのかな? えへへ・・」
照れ笑いを隠せないルキア。

ル「でもね、やっぱり、あれっぽちじゃ足りないよね・・・じゃ、こんなおすそ分けは、どうかな・・」
○「!?」
ほんの一瞬だけ、二人の唇が触れ合った。ほんのりと感じる、焼き芋の香と、それとは違う甘い香。
ル「私もね・・○○と一緒に食べたから、いつもよりずっとずうーっと美味しかったよ。」
恥ずかしさと嬉しさで、顔から火が出そうな名無し。
○「まったく、人の顔に火を点ける魔法はすごく上手なんだから・・・。」
最終更新:2006年01月04日 20:46
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