W杯、夢破れて・・・ -- 青二才 2006-06-23 23:47:54
「……ん…眩しい…今、何時…?なんだ、まだ6時か…もうちょっと寝よ…
……ええっ!もう6時!?いけない!日本VSブラジル戦、とっくに始まってるじゃん!!!
寝過ごしちゃった…」
あわてて飛び起き、そのままルキアは、テレビがある居間へ走った。
(ばんっ)
「ねえ○○!試合どうなってる!?」
「……」
「え…?」
ルキアが勢い良くドアを開けた先には、
日本のW杯・予選リーグ敗退を伝えるテレビの画面を、
俺がぼーぜんとした表情で眺める光景があった。
「…日本負けたよ、4対1で……これで、今回の日本の挑戦は、終わったよ…。」
「…そんな…」
ルキアは、ショックでその場にしゃがみこんでしまった。…そして
「……うっうっ……うわ――――――――ん!」
ルキアは、大声で泣き始めた。
「ど、どうしたんだよ、ルキア!?」
「あたしのせいよ……。あたしが寝過ごさずに、最初から応援していたら……」
「何、言ってんだよ!ルキアだけの責任じゃないだろ!?」
「ううん、違うの。あたしの応援が届かなかったから……うわー…」
(おろおろ)「おいおい、もう泣くなよ…」
ルキアの号泣は、止まりそうになかった。俺は、どうしていいのかわからなかった。
でも、どうにか泣き止んでほしくて、
(ギュッ)
「!!!」
俺は、ルキアを抱き締めた。
「……大丈夫。これはきっと、神様が与えた試練だよ。
『どんなに苦しい状況だって、あきらめるな』って言いたくて、
日本代表にあえて辛い経験をさせたんだよ……」
「……」
「だから、俺達もこの試練を乗り越えよう。何度予選落ちしても、
あきらめずに、優勝を目指そう。
そうすれば、つぎのW杯で、日本は優勝できるよ、きっと……」
「……そうね。きっとそうよね……」
「おっ、落ち着いたみたいだね、ルキア」
「うん。なんか、思いっきり泣いたら、スッキリしちゃった。」
とうとう、ルキアは泣き止み、いつもの笑顔を見せてくれた。
「よかった。これで、今日は、安心して学校へ行けるね。」
「そうだね。じゃ、朝ご飯食べて、支度しよっか」 「ああ!」
その日の朝は、雲ひとつない青い空が広がっていた。
まるで、日本代表の、次回のW杯での優勝を祈るかのように……
最終更新:2006年08月26日 10:37