SF百科図鑑 ed. Dozois "The Year's Best Science vol.18"


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January 08, 2005

Peter F. Hamilton "The Suspect Genome"

YBSF18英国SF協会賞受賞短編。邦訳のある「マインドスター・ライジング」(未読)と同じシリーズらしい。ドゾアの年刊アンソロジー18集に収録。
ちなみにこのアンソロジイには他に、こんな作品が入っている。
? The Juniper Tree [Society of Cousins] ? John Kessel ? nv Science Fiction Age Jan, 2000
? Antibodies ? Charles Stross ? ss Interzone Jul, 2000
? The Birthday of the World ? Ursula K. Le Guin ? nv F&SF Jun, 2000
? Savior ? Nancy Kress ? na Asimovs Jun, 2000
? Reef ? Paul J. McAuley ? nv Skylife, ed. Gregory Benford & George Zebrowski, Harcourt, 2000
? Going After Bobo ? Susan Palwick ? nv Asimovs May, 2000
? Crux [Crux] ? Albert E. Cowdrey ? na F&SF Mar, 2000
? The Cure for Everything ? Severna Park ? ss Sci Fiction website Jun 22, 2000
? The Suspect Genome [Greg Mandel] ? Peter F. Hamilton ? na Interzone Jun, 2000
? The Raggle Taggle Gypsy-O ? Michael Swanwick ? ss Tales of Old Earth, Frog, Ltd., 2000
? Radiant Green Star ? Lucius Shepard ? na Asimovs Aug, 2000
? Great Wall of Mars ? Alastair Reynolds ? nv Spectrum SF #1, 2000
? Milo and Sylvie ? Eliot Fintushel ? nv Asimovs Mar, 2000
? Snowball in Hell ? Brian Stableford ? nv Analog Dec, 2000
? On the Orion Line [Xeelee] ? Stephen Baxter ? nv Asimovs Oct/Nov, 2000
? Oracle ? Greg Egan ? na Asimovs Jul, 2000
? Obsidian Harvest ? Rick Cook & Ernest Hogan ? na Analog Apr, 2000
? Patient Zero ? Tananarive Due ? ss F&SF Aug, 2000
? A Colder War ? Charles Stross ? nv Spectrum SF #3, 2000
? The Real World [Silurian Tales] ? Steven Utley ? ss Sci Fiction website Aug 30, 2000
? The Thing About Benny ? M. Shayne Bell ? ss Vanishing Acts, ed. Ellen Datlow, Tor, 2000
? The Great Goodbye ? Robert Charles Wilson ? vi Nature Sep 21, 2000
? Tendel?os Story [Chaga] ? Ian McDonald ? na PS Publishing, 2000
? Honourable Mentions: 2000 ? Misc. Material ? ms
Cure For Everythingのみ既読。既訳も結構入っているようだ。イーガンとかスワンウィックとか。マコーリイも訳されてたと思う。もしこれらもついでに読んだら、別スレ立てるのが面倒なのでここにコメントする。

***
以下、粗筋(一部訳)

疑惑のゲノム ピーター・ハミルトン

1 危険な取引
それは問題の月曜日の朝、まだ九時一五分だったが、九月の太陽は既に熱く、オーカムの路面のターマック舗装がやわらかくなるほどだった。リチャード・タウンゼントのメルセデスの幅広で弾力のあるタイヤは、路面の軽く粘りつくような感触にほとんど影響を受けることなく、黒いスポンジのような路面を通過しながら、狐が喉を鳴らすような音を立てた。
ラトランド局のラジオ番組が流れていた。バーン・タイラーのニュースにまだ興奮覚めやらぬ様子だ──この有名人の死が、付近のここ一ヶ月で最大のニュースだった。ニュースキャスターが、犯人が逮捕されないことについて探偵にインタビューしていた。死体は金曜日に発見されたが、警察はまだ手がかりをつかんでいない。
リチャードがハイ・ストリートに曲がると、明らかに路面がよくなった。町の中心部は再び栄えている。地元の商店が、中心部の土地に進出しようとする全国チェーンの有名店としのぎを削りながら、この町に訪れた経済的繁栄の跡を追いかけつつ、その勢いを倍増させていた。リチャードは常々、消費主義の新しい波に興味を示さずにきたことを後悔していたものの、その旨味にあずかるバスにはもはや完全に乗り遅れていた。小売部門が復調し始めたPSP時代の直接の影響で、現金流通が甚だしく不足していた。
彼はピリングス産業地区に乗り入れた。ここは町外れの小工場や倉庫が立ち並ぶ地区だ。道路の右側に並ぶこぎれいな菜園の数々には、何列ものバナナの樹が植えられ、緑色のバナナの房が、蒸し暑いそよ風を受けてやさしく揺らめいている。と、その先では太い幹の列が突然途切れ、雑草がからんで垂れ下がった柵が、放置された荒地を取り囲んでいた。以前そこに建っていた工場の名残といえば、散らばったレンガのかけらや、壊れたコンクリートの土台が、からみつくイラクサや生い茂る蔓の合間に垣間見えるだけだ。新しい掲示板が鉄のように硬い茶色の粘土板に打ち込まれ、ここはゾーン7です、ラトランド開発委員会・タウンゼント地所共同による再開発予定地です、と告げていた。
ゾーン7は見るものを困惑させる。ピリングス地区に入ると最初に目に入る土地である。悪しき昔の時代の、崩壊寸前の遺物だ。ピリングスという皮肉な存在が、現実のサクセスストーリーとなりつつある。もともと存在していた企業体、二〇世紀の工場や建築代理店は、生き残り可能な事業にすっかり衣替えし、その一方で、町を取り囲む青々としたカカオ農園へと広がりつづける新開発地区は、二一世紀建築様式の角砂糖のように同じ形をした無味乾燥な建物を次々と外へ向かって建て続けていた。風雨に強い構造をした継ぎ目のない壁に、きのこに似たエアコンの換気孔や、漆黒の太陽熱発電盤で碁盤目状に仕切られた屋根が散りばめられていた。中で企業が何を製造していようと、標準仕様の多目的エントランス・ユニットによって巧妙に覆い隠されていた。リチャードその人ですら、一部の工場で何を作っているのか明確には知らなかった。
彼はベンツを自分のオフィスの脇にとめた。最近改築した小さなレンガの建物だ。アシスタントのコルムは既に出社しており、デスクトップの端末に一晩の間にたまったデータの数々をチェックしていた。
「ゾーン31の設計担当者が、お目にかかりたいそうです」リチャードが入るなり、コルムはいった。「床の補強方法に問題があるとか。それから、ミスター・アラン・オヘーガンとかいう人が面談を求めています。今朝一〇時三〇分に来るそうです」
リチャードは動きを止めた。「私の知り合いかね?」
コルムは端末で調べた。「ここにはいっさい記録がありませんね。ゾーンに興味があるそうです」
「そうか」リチャードは微笑んだ。「いいとも、一〇時三〇分だな」
端末に届いたデータの数々は、毎朝処理している典型的なものばかりだった。建築業者、原料供給業者、販売先、会計士、役所の地域計画担当部局。彼らの誰もが、自分の仕事上直面しているちょっとした問題を彼に解決してもらいたがっている。この四年というもの、彼は多額の私財をついやし、地区開発プロジェクトへの参加を認められるべく、郡や町の議員に陳情と贈賄を繰り返し、支払った分の元を取り返しつつあった。いまやタウンゼント財団は、八つのゾーンの開発プロジェクトに参加し、更に三つのゾーンのプランニングに設計士を送り込んでいた。一年前、大企業<事象の地平線>社の力で、ゾーン12にメモックス処理施設を建設したことが、この町に真の勝利をもたらした。他の小さな企業がすぐに周囲に群がって、下請けの仕事を求めだした。委員会の開発担当者たちがいったいどうやってその状況を覆すことができたものかと、リチャードはいつも不思議に思った。ラトランド開発委員会の連中ほどに、本来プロフェッショナルであるべきにかかわらず無能な人間の集団を、リチャードは知らない。彼が請け負う仕事の一つ一つが、行政手続による遅延や、絶え間ない反対派の計画変更要求に悩まされているのだ。
***
一〇時半きっかりに来た男は、リチャードの予想と違っていた。五〇代後半で、ふだん地区の周りを嗅ぎまわっている野望に満ちた若いビジネスマン・タイプには見えなかった。アラン・オヘーガンは、グレイのビジネススーツに、薄い紫色のネクタイをつけていた。どことなく威厳を備えており、リチャードは思わずチェアで背筋を伸ばし、ネクタイを直した。握手一つとっても注意深くコントロールされ、ありあまる力を抑えているような印象を与えた。
「どういったご用向きですかな?」デスクの前のレザーのチェアに客が座ると、リチャードはきいた。
「私の会社です」アラン・オヘーガンは、掌サイズの銀色のサイボファックスを掲げた。デスクトップの端末にデータパッケージを送信しながら、そのキイがかすかなピンク色のライトを点滅させた。リチャードは急いで情報に目を通した。
「ファイアドレイク商社? きいたことがありませんな」
オヘーガンは微笑した。「ご存知のはずがありません。私が経営している、ちっぽけなヴァーチャル会社に過ぎませんからね。オンラインで、音楽アルバムやマルチメディアのドラマゲームを専門販売しています。いくつかのドイツのソフト会社と契約しましたし、ヨーロッパではまだ発売されていないアフリカン・ジャズのバンド二つとも契約しています。その関係で、ちょっと調整が必要なんですよ」
「ははあ」リチャードは、ドイツのソフト会社がどういう種類のものか、即座に推測をめぐらせた──PSP末期には、イギリスの全面的な逆検閲は行われていなかった。「で、ピリングス地区がそれとどういった関係が?」
「私は、ファイアドレイクをヴァーチャル・カンパニー以上のものにしたいのです。&&」(以下略)
***
男の希望は、通販サイトの運営上、ペテルボローの通販会社と契約しているが、その手数料を引くとマージンがほとんど残らないので、自前の販売拠点を持ちたいというものだった。ピリングス地区を使えば、隣の事象の地弊社のメモックス工場製の水晶も手に入るし、ペテルボローとライチェスターへの鉄道網も使える。税制優遇もあるというわけか、とリチャードがきくと、オハーゲンは、近頃の産業開発地区はどこもそうだ、コービーもそうだと答えた。リチャードはコービー地区の商売敵の名を出されると、俄然対抗意欲が沸き、ライバルよりもいい条件を出すと請け合った。工期に関しても努力するといい、2時間ほど話し合った。帰り際、オハーゲンは、夜にディナーに招待したいといい、マーケットスクエアのロードネルソン・レストランの名を告げた。
***
昼食後、リチャードは、町の法務庁舎に行く。30代半ばのおかかえの事務弁護士、ジョディ・デブソンが待っていた。彼はジョディに、オハーゲンの商談を相談する。そして、オハーゲンが扱うインタラクティブ・ドラマ用反応フォーミュレーターの有望さをアピールした。ドラマソフト内にプレイヤーの行動指令を送り込み、その反応を返信するための装置だ。これは他社製のどれよりも速い反応時間を誇り、しかも既存のあらゆるソフトに関して、完全な擬似現実的没入を可能にする装置だった。
二人は土地登記・係争担当係の窓口へ行き、農民からの土地返還訴状の受領サインをする。この手の土地紛争でPSP地域土地権利分配委員会はパンク状態だと事務員は文句をいう。リチャードは、でもこの事業のおかげで雇用やもろもろの経済効果があるんだから、がんばってくれよという。
***
リチャードは役所の庭でアンディ・ブローディと会う。この男は今朝父親を事故で亡くしたらしい。このレジャーランド建設計画で土地を収用され、代替地を与えられた。恐らく立ち退き請求に対し、補償を求める反訴を起こすのだろう。リチャードに対して険悪な態度で役所に入っていった。しかし、権利は完全に彼らのものなのだ。
***
夜、オハーゲンの持ちかけた商談は、リチャードにファイアドレイクの株の半分を譲り共同経営の形をとって銀行から必要な融資を引き出したいというものだった。更に担保としてマッカーシイの高価な絵を差し出す。将来事業が軌道に乗れば、むろんリチャードの利益も保証される。リチャードは乗り気になり、オハーゲンの事務所で財務に関し会計士の説明をきくことにした。
***
リチャードはオハーゲンのオフィスに行き、感じの悪い娘事務員に迎えられ六階のオフィスにあがり、会計士のジェーン・アダムスに財表データを見せてもらう。売上は多くないものの右肩上がりだ。絵を見せてもらい、鑑定に出すことにする。
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リチャードが絵を鑑定に出したところ、オハーゲンの見積もりよりは安かったがそこそこのものだったので、申し出を受けると連絡し、スージーという女事務員を呼んで2年さかのぼった日付で2通の提携契約書を交わし、株券を受け取って金庫にしまった。共有相手の名前がニュートン・ホールディングスとなっていたが、輸入担当者だということだった。
***
翌朝、アマンダ・パタースン刑事が警官と報道陣を連れて、バーン・タイラー殺害容疑でリチャードに任意同行を求めた。断れば逮捕だという。リチャードは、この誤認逮捕でアマンダを提訴し、地獄に落としてやるといい、同行前に弁護士に電話をいれる。
***
オーカム署の尋問室でリチャードはジョディ弁護士と話す。アマンダは本気でリチャードを疑っているらしい。そして、グレッグ・マンデルという腺超能力者に尋問に参加させ、嘘がないかをチェックするという。リチャードとしては被害者と会ったことすらないから、堂々と疑いを晴らし、マスコミを呼びつけ信用を失墜させたことを謝罪させ、賠償を求めることにする。
***
マンデルとジョディ立会いの下、アマンダの取調べが始まる。容疑の理由は、リチャードが半分を譲り受けた会社の共同経営者が被害者の雇い人であること、鑑定依頼した絵が被害者殺害時に盗まれたものであったこと。これをきいて、リチャードは洗いざらい話し、オハーゲンにはめられたんだと訴える。これに対し、マンデルがきく、自分で手は下していなくとも、他人に殺人を依頼したことはないかと。リチャードは動転し、マンデルは宣告する、「有罪」と。

2 疑惑の秋
アマンダ・パタースン刑事は以前にビスブルックを訪問したことがあった。アッピンガムのすぐ外側にある深い谷の縁に沿ってひっそりとたたずむ、小さな村だ。ラトランドを基準にしてすら、注目すべきものや事件に乏しく、ヨーロッパで最も退屈な場所を争っていた。今日までは。つまり、制服警官の一人が、清掃会社から半ばヒステリックな電話を受け、疑わしい状況で発見された死体の存在を確認するまでは。
***
アマンダは車を飛ばし、アリスン・ウェストンとともに、村の教会の現場に急行した。若手人気俳優のバーン・タイラーの死体が金曜日に掃除婦によって見つかったのだ。階段から事故で落ちたのかそれとも落とされたのか。仰向けの死体の首は奇妙にねじれ、鼻血が出ていた。その上にエアコンの噴出し口が蒸気を噴出していた。争った形跡はないが、二階の寝室のベッドは奇妙に乱れていた。アマンダは現場検証チームを呼び、当地を立ち入り禁止にした。
***
デンツィル・オズボーンが死体を調べる。判明したのはシンソというドラッグを注射していたこと、死亡推定日は水曜日であること。アマンダは他殺を疑っており、可能な限り詳しく調べてくれと頼む。
***
アリソンはヴァーノン・ラングレイ警部に、タイラーは殺されたと力説する。殺人事件としての捜査に乗り気でないヴァーノンに対し、アリソンは、タイラーほどの人物は保険に入っているはずなので、それを原資に独自捜査で手がかりをつかんで見せる、という。
***
アリソンは、アッピンガムにあるクレア・サリヴァンの住所を調べた。更にアマンダ宛の簡潔な報告ファイルをまとめたが、大半はタブロイド紙のデータベースが元ネタだった。
アマンダは、刑事補の運転でサリヴァンのバンガローに向かいながら、サイボファックスのファイルに目を通した。「タイラーはタムツィン・サリヴァンと婚約していたのね?」
「ええ、クレアの姉です。モデルとして、ダーマニ・ハウスと接触を持ちました。主に、彼女自身とタイラーの名声の後ろ盾で。婚約を発表すると、芸能人を招いてパーティーを次々と大々的に行った。朝、ドアをあけると、そこで彼らがパーティーを待っているという具合に。彼ら一人一人では、ゴシップの種になるには役不足ですが、二人一緒なら、放送する価値がある。二人とも同じプロダクションに所属していたことも都合がよかった」
アマンダは、スクリーンに映ったタムツィンの映像を見る。馬鹿馬鹿しいほど高価な流行のドレス用のブレスレットやイヤリングといったダルマーニ製品のコマーシャル用にポーズをとっている。娘は確かに美人だが、その高貴すぎる美貌が傲慢な性格を暗示していた。
「で、その妹が、姉のフィアンセの家で夜中に何してたの?」
「一つの考えは」アリソンがドライにいった。「いつも姉のボーイフレンドのことを嫉妬していた。それにバーンも聖人君子じゃない。あまりにひどい三流新聞の記事はそこに載っていないけど、彼はすぐに女の子に手をつけるので、『マリナ・デイズ』を首になった、と書いてあったわ」
アマンダは画面をクレアのところまでスクロールさせた。娘は一八、デモンフォート大学医学部の一年生。まだ母親と同居している。大学の学費は、父親が扶養料の一環として支払っている。父親はオーストラリア在住。アマンダは母親の記事までスキップさせた。マージナ・サリヴァン。
早計な判断はアマンダの受けた訓練上本質的に忌避されるべきだったが、マージナの記録にはそうせずにいられないものがあった。三人の子供がいたが、すべて父親が異なり、しかも、みな子供の全員を私立校にやり手当を送るに十分なほどの財力があった。国税庁内国税局の記録上、マージナ・サリヴァンの職歴は存在しなかった。彼女の確定申告(いつも期限遅れだった)は、収入源として二種類の投資信託を記すのみだ。彼女はアッピンガムのバンガローを所有し、クレアやタムツィン、九歳の息子ダニエルと住んでいるが、信用調査の格付けはひどいものだった。
目的地に着くころには、マージナのイメージがアマンダの頭の中に膨れ上がり、コンクリートのように固まっていた。老いぼれた、壊れやすい猛女。
***
マージナの家に着き、事件を告げると、マージナはショックを受けた。在宅したクレアやダニエルも詳細を知りたがった。タムツィンはパリにいるらしい。マージナはすぐ所属エージェントのホットハウスに声明を出させるといった。アマンダはクレアに任意同行を求め、クレアも水曜日に被害者に最後に会ったことを認める。この数ヶ月、被害者に口説かれ弄ばれていたと。逆上するマージナに、アマンダはケースワーカーを紹介するというが、マージナは断る。
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クレアの尋問の結果。彼女は、姉の公演を見にバーンと行き、車で送っていったときに誘惑されて寝た。だが、バーンはあくまで姉が一番であり、クレアのことは秘密だった。バーンはクレアに車を与え、姉の留守中にセックスしたくなったときは電話で呼びつけた。水曜日は夜9時ごろ行き、セックスして11時ごろ帰った。寝室は暖房をきかせ、シーツはかけていなかった。ワイングラスを振舞われたと思う(現実には現場にグラスが1つしかなかった)。来客の予定はきいていなかった。
アマンダはクレアの生体標本採取の上、家に帰す。カウンセリングを勧める。
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アマンダはクレアの暖房が正常だったという供述から(発見当時は故障し熱風が噴出していた)、本件の事件性を上司に強調。上司も、保険金の存在が判明したといい、現場や死体に関する殺人としての捜査権限を与える。容疑者として、アマンダはクレアがその一人であることは否定できないと告げた。
***
翌朝、早くも事件のニュースがテレビで流れていた。アマンダは現場検証をすることにして、上司にいうと、保険会社のマイク・ウィルソンを同行させるという。この保険は、無制限に犯人を有罪にするまでの全費用が支給される代わり、担当者がついて回り、無駄がないかをチェックするという。うっとうしいかも知れないが、専門家をすぐ紹介しますし役に立ちますよ、とマイクは請け合った。そこへデンジルから検死結果の連絡。強壮ドラッグ、アルコール、いずれも転落するほどの酩酊を含めた死因に結びつくものではなかった。体に引っ掻き傷はあったが、クレアがつけたのだろう。
***
アマンダはマイクと車で現場検証に行った。二人の担当者がきていた。レクスは近所のききこみ。デンジルから連絡、唾液はクレアのだったが、引っ掻き傷は違ったらしい。内務省のデータとのDNA照合で探せと指示。
また、クレア以後の訪問者について、セキュリティシステムデータの改竄はないのか、マイクに調べてもらう。
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アリスンの調査ではタイラーは収入があるにかかわらず借金を返していなかった。金の流れも不可解で、金の出所も行き先もわからない。マイクが専門の会計士に分析させることにした。また、DNAの一致データはなかったが、マイクは、DNAから持ち主の顔を割り出すゲノム解析法が可能になっていると告げ、一晩で結果が出るという。アマンダは依頼することにした。
***
日曜出勤してみると人だかりがして、バーンがベッドでセックスする場面が映っていた。バーンは隠しカメラで自分の行為をとりまくっていたらしい。あいにく水曜の分はなかったという。アマンダはビデオを止めやじ馬を追い払った。バーンは相当お盛んで、もてまくっていたようだ。相手の女の彼氏や亭主をリストアップすれば容疑者はかなりの数に上るだろう。
更に、マイクがゲノム解析で割り出した被疑者の外見の変遷データを持ってくる。アマンダは早速、運転免許証データと照合してリストアップした、この外見と似たものを上位から調査することにする。
***
アマンダが偶然グレッグ・マンデルと会う。マンデルは、エリナー家の家族の交通事故の調査中だった。アマンダはグレッグにクレアの尋問の嘘発見のための立会いを依頼し、グレッグ応じる。グレッグはエリナーにクリスティンという娘を生ませたらしい。
***
彼らはアッピンガムに向かう。道中グレッグに事件のあらましを説明する。尋問の前に現場に行くことになる。現場でいろいろ話し合う。このマンションは2年半前に建てられ、バーンは2年前に入居、時々家賃を滞納した。クレアの水晶球は3つ見つかった。アマンダは水曜日のスフィアがないのは犯人が犯行をとられたことに気づき持ち去ったからだ、つまり、クレアの直後に犯人は入った、と推理し、グレッグこと永井秀和は「間違いない」という。
***
サリヴァン邸につくと、タンツィンは帰宅し、プロダクションのコリンもいた。DNAから割り出した容疑者写真は誰も見覚えがなかった。アマンダはクレアを一人にして質問をする。撮影は、気づいていたこと。バーンは多数の女優や歌手や有名人とのセックスを撮影し、クレアに見せた。クレアとの行為もとっていたが考えたくなかった。水曜日にとっていたかどうかはわからない。バーンに変わったところもなかったし、バーンと喧嘩したようなこともない。わたしはやっていない! ということだった。
***
グレッグによると、クレアは嘘をついておらず、無実ということだった。とするとだれか他に恨みを持つもの。スフィアの件はみな知っていたのか? やはり相手の女のうちの誰かの男だろうか。グレッグは犯行現場におかしなところがあったので、考え中だという。わかったら連絡をもらうことになる。アマンダはとりあえず被害者の友人知人やビデオの女のききこみをしながら、データとの相互参照をすることになる。
***
バーン・タイラーの込み入った金の動きを理解することがアマンダの最優先事項だった。彼女はそのことをヴァーノンやマイク・ウィルソンに口をすっぱくして強調し、二人とも全面的に同意した。だが、月曜に署に出勤したとき、会計士は誰もきていなかった。マイク・ウィルソンは心底すまなそうに、タイラー事件を受任するように頼んでいた会計士が別件監査の詰めで来られなかったのだ、と説明した。「でも彼は、遅くとも明日までには終わらせるといっています」
「明日ここに来るという意味?」
「多分、だと思います」彼はメモックス・スフィアを渡した。「お詫びにこれを。タイラーのエージェントから入手しました。過去一八ヶ月間に彼が締結した仕事上の契約と、仕事で一緒になった人のリストです。問題行動の多い要注意ファンのリストも手に入りますよ」
アマンダは信用できないというように、スフィアを見た。事情聴取せねばならないであろう人の数は、幾何級数的に増えている。彼女はオフィスに入り、メモックス・スフィアの娘たちの素性を調べているアリソンの仕事の進行状況を確認した。
大したものだった。リストを見ながら、時々アマンダの口元がゆがんだ。元昼メロ・スターの割に、彼は驚くほどの性的魅力を持っていた。(契約期間中という)短い期間内に、どうやってそんなに多くの女と親しくなれるのか、そしてそれほどの高い確率で、女の腹の上に乗ることができるのか。確かに少年のような美顔だし、見事な体形の維持も怠っていなかったのだが&&彼らは聴き込み調査の計画を立て始めた。大半は電話調査でやむをえない。ともかく、最初は準備的な質問に過ぎないから。
***
その後、上司が報道番組用に事件の経過報告を求める。大した情報は与えられなかった。上司はテレビ局に出かけた。
マンデルから電話があり現場で落ちあうことになった。二人は進入経路からチェックした。防犯システム記録上、最後の出入りは水曜の21時12分と23時9分である。クレアのときだ。台所、荒らされた形跡はまったくない。二階は寝室と来客用寝室2つとバスルームだ。窓は防犯ボルト完備である。当時開いていた記録はない。
そこへ、マイクから電話。会計士が水曜まで来ないというので、明日来られる会計士に変更しろといった。DNAの顔にマッチするものは見つからず。芸能界の友人で整形外科に行ったものは多数いるとのこと。
グレッグのアイデアで、盗まれた絵はないかチェックしたが、見つからなかった。
***
翌日若い会計士が来たので、アリスンに補助させて作業に入らせた。まもなく、グレッグがきて、一番小さく高価なマッカーシイの絵がおかしいと告げた。ヒュー・シュネルという専門家に見せたところちゃちな贋作だということだった。あらかじめ偽物を用意して侵入し入れ替えたのだろう。バーンがその絵を持っていることを知っている人物の計画的な窃盗目的の侵入の線が確実となった。
アマンダはグレッグに礼をいい、詳細に絵を調べさせることにした。

3 罪の段階
クリスティンが新しい一日を楽しく始めようと決めるまでに、グレッグは何とか3時間眠れた。彼女が泣き出すと同時に、彼の目がぱちぱちと開いた。目の焦点は定まらず、口はひどい味がし、手足は重くて動かない。古典的症状──もしただの二日酔いならば、昨夜それなりの時間を楽しんだということだ。
「あたしがやるわよ」エリナーがぶつぶつと言った。
エリナーがベッドを降りて乳児用ベッドに向かうと、掛けぶとんがグレッグの体の上でぴんと張って広がった。
「僕の番じゃないか?」泣き声の調子が変わるのを聞きながら、グレッグはきいた。
「ああ、そんなのどっちでもいいわ」エリナーがぴしゃりと言い返した。「ただあの子を泣きやませたかっただけだし」
グレッグは勇気を出して言っはみたものの、沈黙してしまった。軍隊にいたころ、秘密の任務で敵陣奥深く入り込み、一度に何日もぶっ続けで、睡眠をとらずに歩きつづけたことがある。おお、あののどかな日々に逆戻りだ。クリスティンは聖戦部隊に、一つや二つは忍耐の何たるかを教えてやることができそうだ。
エリナーは娘のおむつを替え始める。
ドアベルが鳴った。空耳に違いないとグレッグは思った。目を細めてよく見ると、デジタル時計の文字が焦点を結ぶ。6時23分。まだベルが鳴る。彼とエリナーは顔を見合わせる。
「いったい誰だろう&&?」
誰だか知らないが、今度はノックを始めた。
正面玄関のドアへ駆けてゆく彼の足に、ホールの床のタイルが冷たかった。ロックをかちりと外し、ドアを押し開ける前に、かろうじてガウンの前を閉じることができた。肩幅の広いいかり肩の若い男が、もう一度ノックしようと腕を上げたところだった。
「いったい何事だ?」グレッグは怒鳴った。「今何時だかわかってるのか?」クリスティンが抗議するように後ろで泣いていた。
若者の挑戦的な表情は、穏やかな混乱の中に消えてしまった。「こちらにエリナーはいませんか?」
「いるよ」グレッグは男の服装に気づいた。前に十字架を縫い付けた暗色の作業服、青いウールのシャツ、ごつい黒の革ブーツ。今度は彼が態度を和らげる番だった。エリナーの父親を説き伏せたあの夜以来、キブツのメンバーに会ったことはなかった。「君は誰?」彼は人工腺に少量のホルモン分泌を命じ、白い液体の小さなきのこ状の噴流が脳内をかけめぐって、シナプスの隙間にホルモンを満たす様を想像した。実際の生理学的機能はそれと似ても似つかない。それを想像すること自体、マインドスター・グループの退役者の大半が行っている心理的なジョークだった。人体の中に、意識的に活性化することのできる天然の器官はない。筋肉は例外だが、それは目に見える。だから精神は、その天に上る感覚の奔流を説明しようとして、動画を思い浮かべるのだ。その結果、彼は、思考のもやがかき乱されながら悲哀とからみあうのを感じた。男は、あらゆる種類の根深い疑惑を否定し、マンデル農場を強く思い浮かべた。
「私はアンディです」グレッグが自分のことをまだ知らないのが不思議だというように、彼は言った&&自分の名がすべての疑いを払拭するはずだというように。「アンディ・ブローディ。エリナーの弟です」
***
アンディによると父親が車にはねられて熱を出し出血しているが、医者に行こうとしないので、エリナーに戻ってほしいということで、エリナーは応じた。
***
グレッグは妻子を連れて、キブツの近くにあるブローディ邸へ。父親は瀕死の動けない状態で、エリナーが救急キットで調べたところ骨折や内臓出血がひどい状態だった。しかし父親は神の教えに反すると、病院を拒否した。グレッグは、アンディとともに娘を連れて室外に出、現場を見た。そこで事故の状況をきいた。事故は早朝で、明らかに狙ってはねたような状況だった。しかも1月前、テーマパーク建設計画のため必要だといって、リチャード・タウンゼントという男が地上げに訪れたらしい。
***
父親はあと1日もちそうにない状況だった。グレッグは妻に、リチャードが疑わしいと語った。そして、リチャードを尋問しながら罪悪感が生じるかどうかを調べればすぐにわかる、という。しかし、超感覚能力者の証言はまだ裁判所で採用できないという偏見が根強い。それにどうやってリチャードの尋問まで持ちこむのか? とりあえずアンディが役所の交通事故係に電話した。そこから始めようとグレッグは言った。
***
グレッグは役所に行った。だが手がかりは上がっていないとのことだった。グレッグは捜査に全力を尽くしてほしいと要求するが、被害者が高額の捜査費用保険に入っていなければ捜査費用をまかなえないので、捜査の優先ランクをあげるのは難しいだろうという。グレッグは自分の事象の地平社印証を見せなおも頼むが、つれない回答で、思わず殴ってやろうかと思う。役人は、私設の司法調査事務所を紹介しようかという。そこへ、アマンダ・パタースンが声をかけた次第だった。
***
グレッグはマイク・ウィルソンと飲んでいた。マイクの黒幕は、バーンの所属プロであるホットハウスだった。バーンは育ちが悪く、拾ってアクションスターに育てたものの、薬に手を出しひどいありさまだった。そこで、フィアンセを紹介し、干されていた仕事がようやく来るようにしてやった。また、男に飢えている人妻や一夜限りの関係を求めるスーパーモデル相手の売春を勧めたりした。だが、困ったことは今度の件で、彼の隠しどりビデオが当局の知るところとなり、芸能界全体を揺るがすスキャンダルになりかねないことだった。そこでグレッグは、それなら別の人物に容疑が行くようにしてやろうといい、リチャードの名を持ちだしたのだった。
***
グレッグは旧友のガブリエル・トンプソンと、事象の地平社のモーガン・ワルショーに計画を持ちかけた。バーンとホットハウスが半々で所有していた税金対策の幽霊会社の半分の株をホットハウスが売る。実は、この会社を利用してバーンは自分の作品の海賊版を売っていた。グレッグは、はじめからリチャードが共同経営者だったことにすれば、利益を横取りしたバーンへの殺意を裏付けられるため、日付をさかのぼってホットハウスの持分をリチャードに売りつけると提案した。そのためオフィスを偽装する必要があるといい、ガブリエルらに事務員、会計士役を依頼する。また、バーンの持っている絵のうち一番高価なものを盗まれたことにして、いかにも利益を横取りされた共同経営者のはらいせに見せかける。サイトは別の友人に頼んで偽装工作をする。彼らは快諾した。
***
計画はうまく行った。バーンの口座を分析した偽会計士は、バーンが共同経営者の利益を吸い上げていた結果をアマンダに報告し、アマンダは上司に報告し逮捕状を取り付けた。
***
リチャードに有罪と告げた後、弁護士に相談せよといい休みに入る。外に出て、アマンダは、リチャードがバーン殺しの犯人ではない気がする、できすぎている、いったいなぜリチャードを疑わせようとするのか、と詰め寄る。グレッグは、でも彼が誰かを殺したのは間違いないという。アマンダに詰め寄られ、グレッグは真犯人の顔を見せる。それはクレアの弟ダニエル・サリヴァンだった。彼は姉を脅して関係を続けるバーンを恨み、あの日後をつけてバーン邸に窓から入り、情事の場面を見て逆上、バーンともみあいになり、突き落としてしまった。クレアは証拠のスフィアを持ち去り弟と立ち去り、かばっていたというわけだ。
そして、グレッグは、葬儀に出ると言い去る。義父の葬儀があるからと&&。

silvering at 17:39 │Comments(11)TrackBack(0)読書

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この記事へのコメント

1. Posted by SLG   January 10, 2005 04:02
全体で約60ページが3部構成になっている。今第一部を少し読んだ。主人公は近未来イギリスのコンビナート建設を推進する企業の社長。あるVRインタラクティブドラマ用の装置のメーカー社長から販売拠点となってほしいという話を持ちかけられ、興味を示すといった発端。冒頭部分では殺人事件のラジオニュースが流れ、これが何かの伏線になっているかもしれない。
主人公は、男と夜のディナーの約束をし、女性事務弁護士と、土地権利関係の訴状にサインをしに行く。これも何かの伏線かも知れない。
非常にリアルで説得力のある近未来社会のディテール構築がされた、しっかりしたエンターテインメント作品というのが今のところの印象。
今日は第1部だけ読み、明日残りを読む予定。
2. Posted by SLG   January 10, 2005 05:57
第1部読んだが面白いですぅ。結局この男、殺人事件の犯人に仕立て上げられ、無実を晴らそうとするが、嘘探知能力を持つ人工エスパーのマンデル(シリーズの主人公と思われ)に「他人に殺人を依頼したことはないか」と訊かれ動揺、有罪宣告を受ける。
恐らく、別件の地上げがらみではないかという予想。
「マインドスターライジング」も面白いんじゃないか? 持ってるからちょっと探してみるか。
3. Posted by slg   January 10, 2005 12:12
バーナード・ウルフのLIMBOという作品を買ったのだが、何とスペイン語版だった(ポルトガル語かも知れん、見分けがつかん)。米国作家だと思ったがなあ。翻訳かな? 
せっかく買ったので、しょうがないから辞書引きながらたどたどしく読むか、もったいないし。ちょうどスペイン語(ポルトガル語?)の勉強にもなるし。

奥付見たらやはりスペインの本だった。
4. Posted by slg   January 10, 2005 18:35
スペイン語のリンボー、ちょっと読んでみたが全然分からんぞ、まだ2行ぐらいだが、全然意味が分からん(笑)。何か辞書に載っていない単語とかあるし、こういうのはどうやって調べればいいんだ? 単語の活用も激しいみたいだしな。
何だかんだいっても、いくら苦手と思っていても、やっぱり英語の方が全然読めてるんだなあと痛感。
5. Posted by slg   January 10, 2005 23:34
リンボーはとりあえずほっといて、ハミルトン読み進む。第二部半分ぐらい。面白いよ。女刑事が芸能人の殺人(?)事件を捜査し、死体に残っていた引っかき傷にある犯人と思しき人物のDNAをもとに、犯人の顔を割り出す。これが題名の由来か? そうすると「被疑者のゲノム」といった感じの訳題が適当か。
で、今、グレッグ・マンデルが登場したところ。
6. Posted by slg   January 11, 2005 02:29
グレッグのチェックでクレアは無実と分かる。DNAの顔は誰も見覚えなし。結局、友人知人とセックスビデオ(被害者は、多数の女優や歌手や有名人とセックスしまくり、それをビデオ撮影して、コレクションしていた)の相手関係から捜査することに。第2部まで読んだら寝ます、続き明日。

やっぱり「マインドスター・ライジング」読むことにした。
7. Posted by slg   January 11, 2005 06:07
第2部まで読んだよ。仮眠とって今起きた。
8. Posted by slg   January 12, 2005 01:20
「マインドスター・ライジング」めんどくさいからやーーーーめた。

きついので、ゲノム第3部は明日。でも仕事もあるしなあ。くそっ。
9. Posted by slg   January 13, 2005 01:39
暇がなかったので明日。
10. Posted by slg   January 13, 2005 08:01
結局読み終えてしまった。追記に粗筋をアップした。

まあ、面白かったけど、その面白さはSFとしてというよりも、純粋に小説としての面白さ。粗筋をご覧の通りで。普通のミステリですね。確かにゲノムから人の顔を割り出すというネタと、主人公マンデルの感情探知能力の二点はSFアイデアといえるが、本作の肝というわけではない。
「マインドスター・ライジング」の評判が今ひとつなのも、恐らくそんなところに理由があるのかもしれない。英国ニュースペオペ三羽烏のうちでは最も地味な印象。その分、一般性は高いと思うけど。

テーマ性  ★★
奇想性   ★★
物語性   ★★★★
一般性   ★★★★
平均    三点
文体    ★★★
意外な結末 ★★★
感情移入力 ★★★
主観評価  ★★★(28/50点)
11. Posted by slg   January 13, 2005 08:04
主観評価訂正
★★★