SF百科図鑑 マイクル・スワンウィック『グリュフォンの卵』ハヤカワ文庫SF


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時間: 2006年4月22日(土) 23:22 題名: マイクル・スワンウィック『グリュフォンの卵』ハヤカワ文庫SF 引用返信 記事を編集/削除 この記事を削除する 投稿者のIPアドレスを表示

短編集、一気に読了
やはり既読のヒューゴー賞受賞の5編の出来がいい。ファンが選ぶ賞だけあって、分かり易いエンターテインメント作品ばかり。
初読は以下の5編。
「ギヌンガガップ」★★★
処女作にしてネビュラ賞候補作らしい。ヴァーリイ的なオーソドックスな宇宙SF。
「クロウ」★★★1/2
一転して、文芸ネタを織り込んだ洒落た時間ものピカレスク小説。
「グリュフォンの卵」★★★
月を舞台にした重厚なパニック小説、力作だがストーリーはやや単調かも。少し難解だった。
「世界の縁にて」★★★1/2
シュールな終末小説の佳作。これもけっこう難しい。
「ウォールデン・スリー」★★★1/2
コロニーものの宇宙SFにして社会科学SF。面白い。
既読ヒューゴー賞受賞5編もバラエティ豊か。ユーモラスなピカレスクものの「犬がワンワンと言った」★★★1/2、クラークばりの宇宙サバイバル+ファーストコンタクトのハードSF2編(「スロー・ライフ」★★★★、「死者の声」★★★★1/2)、作者得意の時間SF2編(ただし作風は全く違い、オーソドックスなタイムパラドックスものの「ティラノサウルスのスケルツォ」★★★1/2と、チェンジウォーシリーズや「永遠の終わり」などへのオマージュと思しきコミカルな形而上ワイドスクリーンバロック風の「時の軍勢」★★★1/2)の5編。
新しさはないが、一定以上のクオリティであらゆるジャンルの作品を書き分ける職人芸は、ディレーニイやゼラズニイよりも、むしろシルヴァーバーグを思わせると思う。充実の1冊。
総合評価★★★★