2005年12月27日
George R. R. Martin "Nightflyer"
短編集 既読数編あり省く
- 1 " Nightflyers [expanded from Analog Apr 80] " na Binary Star #5, ed. James R. Frenkel, Dell, 1981 既読
- 104 " Override " nv Analog Sep 73
- 136 " Weekend in a War Zone " nv Future Pastimes, ed. Scott Edelstein, Aurora, 1977
- 157 " And Seven Times Never Kill Man " nv Analog Jul 75 既読
- 199 " Nor the Many-Colored Fires of a Star Ring " nv Faster Than Light, ed. George Zebrowski & Jack Dann, Harper & Row, 1976
- 225 " A Song for Lya " na Analog Jun 74 既読
***
- 104 " Override ★★★
ある惑星でゾンビーのごとく動き回る死体を処理する男たちの話。
- 136 " Weekend in a War Zone ★★★
人間の持つ戦闘本能を満たすべく設定された<戦争地帯>で戦争に興じる男たち。主人公はついに味方までも殺害し、<殺人得点>を稼ぐ。
- 199 " Nor the Many-Colored Fires of a Star Ring ★★★
いずことも知れぬ宇宙へつながっていると思しき、ワームホールに似た「星の輪」を恒久化しようと実験を重ねる人々の話。一定期間持続可能な「星の輪」を作るのに成功したのもつかの間、その輪はいずことも知れぬところからどんどんエネルギーを吸収し拡大、人々は間一髪で脱出する。題材はマーティンらしからぬハードSF的面白さがあるのだが、物語としては詰めが甘く結末にひねりがないのがやや不満である。
ただ、以上3編はいずれも翻案小説化のネタ元としては十分使える程度の面白さはあると思う。
ちなみに同じ本に収録されている残る3編中、最後の「ライアへの賛歌」★★★★★は問答無用の名作であり、SF史上最高のラブストーリーの一つである。この作品が収録されているがゆえに本書全体の評価は★★★★。なお、他は「ナイトフライヤー」★★★(普通の宇宙ホラーSF)、「七たび戒めん、人をあやめるなかれと」★★★(これもホラー色の強い吸血鬼ネタを絡めた残虐領主もの、『20世紀SF 70年代』に収録)。