SF百科図鑑

フィリップ・K・ディック『ヴァリス』創元SF文庫

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1999年

5/16
悪魔はよみ終えた。
ヴァリスを読み終え、いまアルベマスを読んでいる。ヴァリスは疲れた。一読しただけではディックの理論の全貌はつかめないので、また再読しないと。要するに善悪二元論のようなのだが、いろんな宗教を強引に統合して自分の理論に押し込めようとしているので結構理解しにくい。
ヴァリスというのは善神にあたるもので、ヴァリスの具象化したものが現象界に現われてくる。時間というのは幻影だが、我々の認識を基準にするなら、この現われは神の復活と感じられる。このヴァリスの現われによる救済の探究がヴァリス連作の主たる関心であり、小説としての面白さは二の次でひたすら救済の探究の物語が綴られる。
内容的には、「ユービック」「パーマー・エルドリッチ」でさわりに触れながら深く語られなかった部分に思いきり淫した作品といえる。この機会にディックの未読作を一気読みしよう。

5/22
「アルベマス」、「聖なる侵入」読み終える。
やはり、ヴァリスシリーズは執筆順に読むのが正解であった。発表は「アルベマス」が最後だが、執筆はこれが最初であり、内容的にも、執筆が後になるにつれ思想が深化

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