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デイヴィッド・ブリン「水晶球」」(2005/12/07 (水) 01:32:12) の最新版変更点

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<p>2000年</p> <p>12/8</p> <p>ブリン「水晶球」★★★★★<br> 「スタータイドライジング」で長編部門受賞の余勢を駆っての受賞作は驚天動地のハードSF。恒星系の周囲を透明な水晶球が包んでおり、内側からしか破ることができないために、他の恒星系から飛来した異星種族は既に水晶球の破れた恒星系にしか侵入することができないという話をクラーク的な筆致で描いている。水晶球破壊後2世紀は飛来する彗星の数が爆発的に増え、惑星上の文明は存亡の危機に見舞われる。この「彗星戦争」は人類がより身軽なスペースコロニーに居住の本拠を移すことで終焉する。人類は、無人の「遠距離探査体」を他の恒星系に送り出し、水晶球の破れた「良星」系の探索を開始する。遠距離宇宙飛行士はコールドスリープに入り、探査体からの発見の知らせを待ちながら幾星霜を経る。新たな開かれた良星系発見の報に、凍眠から目覚めた主人公は遠距離探査に乗り出す。この良星系の「有水小天体」に文明の遺跡が発見され、書物の解読により次第に事の真相が明らかになる、というストーリー。プロットは単純で何のひねりもなく、クラークそっくりだが、アイデアが凄いので帳消しになる。もともと着想の凄さが一つの売りの作家だが、この作品のアイデアは天文学の常識を根底からひっくり返すもので、このジャンルの本質の一つである「認識の変革」の側面を見事に表したものといえるだろう。何百年も後の「最初の接触」を夢見ながら終わるラストの詩情とスケールの大きさもクラークっぽい。歴代の宇宙小説中でもベストの一つに指を屈したい。</p>

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