「A&B・ストルガツキー『ストーカー』ハヤカワ文庫SF」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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<h2 class="date">August 11, 2005</h2>
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<h3 class="title">
A&B・ストルガツキー『ストーカー』ハヤカワ文庫SF</h3>
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道端のキャンプ。タルコフスキー映画原作。<br clear=
"all"></div>
<a name="more" id="more"></a>
<div class="mainmore">つまらんかった。<br>
地球上に立ち寄った異星人の跡地とおぼしき一帯は<ゾーン>と呼ばれ、さまざまな不思議な道具・物体が残され、異常現象が頻発する。とりわけ、近づいた者の願い事をかなえるといわれる<黄金の玉>は人々の興味をひいている。この地帯の元の住民は偶然の事象が積み重なり結果的に集団移住を強いられた。<ゾーン>付近には研究施設と、<ゾーン>の探査、お宝物品の採掘を不法に行う<ストーカー>と呼ばれる人々が寄り集まっている。研究所を辞めてストーカーとなった男性レドリック・シュハルトを軸に、ゾーンの不思議な現象と、それを巡って右往左往する欲深い人間たちのドラマが淡々と描かれる。<br>
通常のエンタテインメント作品と異なり、本書は<ゾーン>が謎めいた存在のままで終わり、レドリックは友人の息子アーサーを伴って<黄金の玉>に行き着くが、アーサーは<肉挽き器>にとらわれ、レドリックが己の願いの何たるかを自分でも把握していないことを悟り苦悩する場面で終わるラストに象徴されるように、およそ物語的カタルシスがまったくない。超常現象や不思議物品の数々も脈絡なく断片的に語られるだけである上に、魔法のような奇妙な隠語で表されているため、余計に理解しにくい(後半の議論の場面で、若干疑似科学的説明がされる程度)。登場人物も魅力がない上に、酒場や家庭での脈絡のない会話が全体の大半を占め、ストーリーも単調で退屈である。謎めいた伏線であるかに見えたレドリックの知恵遅れの娘<モンキー>のエピソードも、結局そのままでフェイドアウトする。物語としては、つまらないといわざるを得ない。<br>
作者はただ、未知のものに遭って右往左往する人間の非力さ、卑小さ、滑稽さ、人間存在の愛すべき悲しさを、縮図的に描述することにしか興味を持っていないようだ。そのことが、後半における「しょせんゾーンは異星人の<路傍のキャンプ>跡地に過ぎず、かれらはキャンプ地の虫に過ぎない人類に何の興味も持っていない」という議論の場面に明確にされている。作者の本書執筆の目的はこのディスカッションの部分だろう。それを裏付けるかのような救いのない不可解なラストである。<br>
だが、このテーマは、レムも繰り返し描いているのと同種のもので、すでに陳腐化している。よって、つまらない。<br>
テーマ性 ★★★★<br>
奇想性 ★<br>
物語性 ★<br>
一般性 ★<br>
平均 1.75<br>
文体 ★★<br>
意外な結末 ★<br>
感情移入力 ★<br>
主観評価 ★1/2(15/50)<br clear="all"></div>
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