SF百科図鑑 スワンウィック「犬がわんわんと言った」


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2003.8.18

8月18日

「女神たち」リンダ・ナガタ読了、9点。嫁ぎ先に連れ戻された少女を、遠隔操作の偵察機(ラジコンのようなもの)で救い出し、少女はようやく自立を勝ち取る。少女の持っていた土が地下水の汚染を浄化する力があることが分かり、汚染問題も解決。他方、コーディは、インドのフォービレッジでも使われていたと同じ「胎児の性別を識別の上、特定の性別のものを自動的に排卵してしまう薬品」の使用して女の子を産もうとするが、その結果として結局妊娠しなくなったことをマイケルに打ち明け、結局マイケルとよりが戻る。
何だかんだいって読みごたえがあり、小説として飽きさせない程度に程よくプロットが込み入っていて面白かった。最後は全て収まるべきところに収まり、まとまりもよい。人物設定もよいし、男尊女卑や児童虐待、妊娠中絶や産児の遺伝子操作といった社会的/科学技術的問題と、主人公の男女の自己決定というパーソナルな問題とをオーバーラップさせる重層的なテーマ設定も見事。この男女がもと夫婦であるということは途中まで分からない仕掛けになっているのも巧い。実質的主人公ともいうべきインド人少女の設定も、いかにもという感じではあるがツボを押さえている。欠点を挙げるとすれば、「女性の自己決定や自由を抑圧する因習的社会」として、未来のインドを舞台にとった選択の必然性が何なのかということ。インド社会に対する深い理解と興味に根ざした意図的な批判には見えず、単に「アメリカ以外」の舞台であればどこでもよかったのではないか、という気がする。こういった点がアジア人の目にはややおめでたく映るので、1点減点した次第。

犬がワンワンと言った、に入る。

ところで、例の掲示板、私の競馬の投票の書き込みが多すぎるためか、書き込み不能になっていて済みません。電話投票の買い目の記事は削除で構いませんので、よろしくお願いします。

駄目だ、犬ワンワン2ページぐらいで、だるくて寝てしまった。もう朝だ。何でこんな時間に目が覚めるんだよ。
犬がワンワンと言った読了。8点。人間と機械の文明が戦争で滅んで長時間が経った遠未来のロンドンで、人間の男が人間化を施された犬のサープラスを誘い、宮廷からダイヤのネックレスをだまし取ろうと画策する話。古物商から買った中古の「モデム」を使ってひと芝居打ち、これと交換にネックレスをとるが、壊れていると思ったモデムが突然治り、最寄りの生物が火を噴くモンスターと化して暴れ始める。グロリアナ女王は人工生物で何千年も生きており、実は死を願っている。誤って宮廷の奥に逃げ込んでしまった二人はグロリアナに逃げ道を教えられ脱出。ところが、あのダイヤのネックレスも偽物だった、というオチ。次はパリで詐欺をやろう、と懲りない二人。面白かった。犬やら猿やらいろんな動物が人間化を施されているという設定も楽しいが、話自体もオチまで軽妙にテンポよく進み、面白い。人間化された犬が人間の女とドギースタイルでやるというくだりも笑った。スワンウィック、短編を書き慣れ過ぎているせいか、凄みや迫力はないが、常に一定水準の話を書く力量はやはりさすがだ。

これで、未発見の「真実の都市」を除き、手持ちのヒューゴー/ネビュラの中短編はコンプリート。あとは、長篇2冊を読み、未入手の数編を入手し、真実の都市を探すだけだ。
残る未読(★は未入手)
真実の都市(モロウ)探索中
ブルー・マーズ(ロビンスン)
★大理石門の風(ウィリス)
ハリー・ポッターと炎のゴブレット(ローリング)
ブロンテの卵(チャウディック)
★いきもの(エムシュウィラー)
ブロンテの卵(チャウディック)はいま、ホームページよりテキスト入手。今夜読む。あとはウィリスとエムシュウィラーだけ。