SF百科図鑑 『東欧SF傑作集・下』創元SF文庫


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October 11, 2005

『東欧SF傑作集・下』創元SF文庫

上巻が見つからないので下巻のみを読んだ。
東欧SF傑作集(下)

チェコ作家4人5作品、ユーゴ作家・東独作家各一人1作品、ルーマニア作家2人2作品収録。ロシア・ソビエトのアンソロジーよりも総じて質が高いのは、新しい作品が多いためだろう。作品が多様なのが面白い。あまりSFSFしておらず、奇想小説集の趣があるのが楽しめる。そしてむろん、超貴重な巻末の深見弾入魂の東欧SF史が最高。かれは旧共産圏SF好きにとっての神である。
ネスヴァドバ「ターザンの死」★★★★ 集中の最高作だろう。猿に混じって野生児として育った男が、人間としてある女性に連れ帰られるも、人間として証明してもらえず動物園で見せ物にされ、最後は自殺して人間であることを証明するという辛辣な作品。
カイドン「ドラゴン」★★ ドラゴンに似た異星生物を捕獲しようとする話。凡作。
タルロ「気力を失った瞬間」★1/2 異星で宇宙船から閉め出された男が原住民に助けられるショートショート。凡作。
チャペック「移民局」★ 古代への移民事業を提案するが、肝心のタイムマシンだけがまだ発明されていないというオチのショートショート。くだらない。
チャペック「システム」★1/2 新しい労働システムを考え出すが、労働者の暴動で失敗に終わる話。凡作。
イサコーヴィチ「消失」★★★★ 精神エネルギーの謎を解明し、別の次元へ消失する話。傑作だ。
シュタインミュラー「金星最後の日」★★ 普通の宇宙SFで可もなく不可もなし。
ロゴス「時空への脱出」★★1/2 未来人との接触。可もなく不可もなし。
アラーマ「アイクサよ永遠なれ」★★★1/2 森に覆われた惑星で乗組員が次々と消えていく。ミステリアスで読み応えのあるなかなかの傑作。
巻末解説 ★★★★★
総合 ★★★
silvering at 01:23 │Comments(0)読書