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アリステア・マクリーン『女王陛下のユリシーズ号』ハヤカワ文庫NV

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September 27, 2005

アリステア・マクリーン『女王陛下のユリシーズ号』ハヤカワ文庫NV

海洋冒険小説のオールタイムベストとされているマクリーンの処女長篇。
学歴社会の申し子であるせいか(苦笑)、苦手分野を見つけると最優先で制覇したくなる性分なので、自分の好きなジャンルから歴史もの・時代物と並んで最も遠い位置にあると思われる冒険小説を読んでみようと思い立ったのは、数年前、友人と本屋を回りながら「新たな分野の発見」の快感について話しているときであった。昔から「教科書ガイド」の類が大好きであった私は(失笑)、当然、ハヤカワ文庫のハンドブックを買い、その上位の作品から読むという最も安直で恥ずかしい手法をとったのであった。そのハンドブックで、海洋冒険小説部門第一位に輝いたのが本作であった。
買ったその日に読み始め&&轟沈。つまらない。何が面白いのか、さっぱりわからない。根気だけは他人よりあるほうな私は無理やり200ページほどまで読んだが、ほとんど内容が頭に入らないまま、あっさり積読書庫行きにしてしまった。
このたび、積読解消計画の一環としてようやく読み終えた次第であるが&&やはり、つまらんな。私の柄じゃない。
要するに戦争小説である。第二次大戦中に、軍事物資を積んでソ連に向かったユリシーズ号という船が、ドイツ軍の攻撃を受け、乗員内部の足並みも乱れ反乱が起こり、次々と船の設備が壊れ船員が死に、最後はとうとう沈んでしまうというだけの話。どこにでもあるつまらない話という印象しか持てなかった。なぜこんな話がオールタイムベストなのかどうしても解せず、巻末解説を読んだ。本書の新しさは、ただの戦争活劇に終わらずに、「男たちのドラマ」をリアリティを持って描いているところであるらしい。ならば、そういう話は最近は腐るほどあるから、本書を読んで私がつまらないと思ったのも無理もないと思った。
本書を1位に選んでいる識者たちはみな年季の入った冒険小説マニアのようであるから、おそらく本書などは基礎教養として若いころに読んだ人なのであろう。私のようにSFで宇宙規模の似たような話をたくさん読んでいる場合には、いまさら過去の地球上の実話をモデルにしたスケールの小さい一輸送船の話を読まされてもちまちましてだから何?としか思わないのは仕方がない。こういうのはあまりにも大衆化されすぎているためにたくさん映画化されていて、映画を見たほうが面白いわけだし、何をいまさら活字でという点もある。
とにかく、「単調な金太郎飴の睡魔を誘う活劇描写」「全く興味のもてない船員同士の確執」「歴史の本を読めばわかる戦局の推移」これらの本書の主要な構成要素のどれひとつとして興味を引かれるものがなく、苦痛な時間を過ごさせてもらった。
やはり私にはこういう普通の冒険ものは合わない。苦手分野克服といっても、ものには限度があるということだ。多分、軍事おたくとか戦争おたくの人にとってはたまらない話なんだろうな、という程度の想像はつくのだが、個人的にはどっちも嫌いなほうから数えて一、二を争うあたりだし。
テーマ性 ★★
奇想性  ─
物語性  ★★★
一般性  ★★★★
平均   2.25
文体   ★★★
意外な結末─
感情移入 ★
主観評価 ★(13/50)



silvering at 23:53 │Comments(0)読書
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