SF百科図鑑

テリー・ビッスン「マックたち」

最終更新:

匿名ユーザー

- view
管理者のみ編集可

2001年

6/8

ビッスン「マックたち」★★★★★
すごい! 「熊」も最高だったけど、これもまた最高に変。犯罪者のクローンを作って被害者に殺させるのが法制化されたアメリカの話。その中に本物が一人混じっていて、本物はくじ引きで割り当てるというの。オクラホマシティ爆破事件の犯人のクローン(マック)が製造され、168人の被害者の家族に配付される。中にひとり本物が混じっていて、家族の復讐権と死刑執行が同時に行えるという。で、結局は、本物らしきマックが殺される前に、同様のガス爆発が起こって家族全員死んでしまいます。で、死んだと思われたリアルマッコイがゴミ箱で生き延び、もう一人の生き残ったマック?が、「父さん?」と訪ねて行くラストまで、家族へのインタビュー形式でまとめられた過激で技巧的な問題作です。社会派入っているところがユニークで筒井っぽい感じもしますね。90年代アメリカSFの最大の収穫の一人と言えるでしょう。短編集要入手! ちなみに本作はローカス賞のほか、繰り越しで2001年ネビュラ賞も受賞しています。

短編集要入手の90年代作家は、ビッスン、ケリ-、スワンウィック、あとはロバート・リードとかマクラウトとかにも興味を惹かれますね。

記事メニュー
目安箱バナー