SF百科図鑑 フィリップ・K・ディック『高い城の男』ハヤカワ文庫SF


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

2000年

6/16
「高い城の男」読了、シマック「大きな前庭」に入るが、シマック短編最高! こんなに面白い作家だったとは。「都市」だけ読んで詩情豊かな作品を書く人としか思っていなかったけど、ユーモアのセンスが最高。滑稽で可愛らしいエイリアン、突拍子なくわかりやすいセンスオブワンダーに溢れたアイデア。SFのお手本のような作品ばかり。テイストが藤子不二夫に似てる。「大きな前庭」なんて、多分「どこでもドア」はこの作品の真似なんじゃないのというぐらい、藤子っぽい。いやあ、期待してなかっただけに嬉しい発見でした。
前後するが、「高い城」はディックには珍しく細部まで綿密に書き込まれ、破綻がない。相変わらず多数の登場人物の視点から交互に語られる多視点型作品なのだが、個々の登場人物の感情の動きまで普通小説的に書き込んであり、重厚な読みごたえ。結局、ラストまでSF的飛躍なく、最後はジュリアナと「高い城の男」の対話で締めくくり、小説として良くまとまっている。しかし、この終り方は綺麗だが、続編が読みたいぞ、これで終りはあんまりだと言う気もする。誰か同じ設定で続編を書かないか。
マッチボックス20「マッドシーズン」購入。