腰痛になったら・・・(2004.2.10更新)
腰 痛はギックリときたりして恐怖心を伴う疾患ですが、患者さんと話をしていると非常に面白いことをいいます。一般的にはぎっくり腰という言い方をしますが、
強烈な動きで腰を捻挫したということでしょう。しかし、殆どの患者さんが、重いものを持って腰を痛めたというのではなく、手を伸ばした時に傷めたとかトイ
レで坐っていて立ち上がろうとした時に傷めたという方が沢山いらっしゃいます。また癖になっているから仕方がないとか・・・。これって本当でしょうか?
何故かトイレでという方が多いのでしょうか、、、。少し考えてみて下さい。もしトイレで立ち上がろうとしたでけで腰痛を起こしていたら生活なんてできないと思いませんか?
腰痛を起こし、整形外科に行くとレントゲンを撮ってもらいますが、椎間板がでているからだとかいわれて牽引されたりします。しかし現在出ている腰痛が本当に椎間板が脱出している為に起こっているものなのか・・・。
そして
牽引療法は本当に効果があるのか・・・私達は非常に疑問に思っています。何故なら椎間板が潰れ、脱出(ヘルニア)したから神経に当たって痛いのだという説明ではどうしても納得できないことが多々あります。
もし椎間板が脱出して神経症状がでているなら足の痺れも伴い、麻痺が起こるはずです。神経症状なら排尿障害が起こって当たり前だと思います。そういう神経を圧迫しているのですから・・・。
しかし足の痺れはあっても排尿障害まである患者さんは希ですね・・・。というより殆どみたことがありません。腰痛の方は沢山みてきましたが、排尿障害を伴う方は数例しか見たことがありません。
殆どの腰痛は椎間板ヘルニアとは関係がないと私達は思っています。またそういうデータもアメリカではでています。信頼できるデータとして整形外科医を対象
にした調査を行ったようです。椎間板ヘルニアという診断がついた方で手術を受けなかった群(保存療法)のその後の追跡調査をすると再発したという方が非常
に少なかったというデータがでているそうです。割合がどれだけだったかは今資料がないので忘れましたが、かなり低かったようです。
(後日そのデータの詳細はアップします)本当の椎間板ヘルニア(手術適応)は腰痛全体の5%ぐらいではないかともいわれています。専門家はもっと低くて3%ぐらいではないかともいわれています。
通常日本でいわれているような椎間板ヘルニアと腰痛の関係はどうもなさそうです。「腰痛は怒りである
」という著書を出版した方があり、腰痛と精神的な問題を調査し、アメリカでは10万人のデータをとって腰痛と精神的問題を訴えている医師がいるようです。
最初に記したようにギックリするときの恐怖心が腰痛と何らかの関係があるのではないか・・・。とも思えますね。
実際、私自身も10代後半に腰痛を起こし、立てなくなりました。その後3年間ぐらい違和感のような重苦しい痛みに悩まされた経験があります。しかし、その
痛みを姿勢維持と軽いスクワット運動のみで完治させました。完治させる日数は3日ぐらいでしたから今まで苦しんできたことは何だったのかと思ってしまいま
すね・・・。それから20年近く一日中起こり続けるような腰痛はありません。完治といえると思います。
それでは腰痛のホントの原因は何でしょうか?
まず過労は腰痛を起こす原動力にはなることは間違いなさそうです。しかしそれだけでは腰痛が起こるとは限りません。次に姿勢、これも大きく関係があると思
いますが、腰が曲がった方でも腰痛を起こしたことはないという方は沢山みてきましたのでそれだけでもなさそうです。上記のように精神的ストレスも要因の一
つだと思いますが、私はこれだけで腰痛を起こすとは思いがたいと思っています。
本来とても強く、鈍感にできているはずの腰部が何故あれ程まで痛むのでしょうか・・・。これは一つのテーマであると思いますが、皆さんインフルエンザに
罹ったとき寝ていると腰や足全体が筋肉痛とはいいがたい重いような鈍痛で痛んだという経験があると思います。
風邪で何故あのような痛みを起こすのでしょうか?
私達は、風邪から腰痛を起こす経路が人間の身体には出来上がっていると考えています。風邪によって鼻、咽、耳等の軽い炎症を起こり、これが過労や姿勢、ス
トレスで腰部の筋肉に負担のかかっていたところへ炎症を伴う痛みが起こったと考えても全くおかしくないし、西洋医学的にも無理のない考えだと思います。
実際、腰に全く刺激をしないで、鼻根部や側頭部、頚部のみを刺激して身体が大きく傾いて歩行も困難だった患者さんが数分の治療後真っ直ぐの姿勢になり、痛
みが軽減して、歩行時も痛みがなくなったという例を多数みてきました。
風邪と腰痛の関係は非常に大きく、その本態が咽や鼻、耳に原因があったとしたら、整形外科で牽引をしたり注射療法をすることに意味があると思いますか?
もちろん股関節の異常や足の異常の為にくる腰痛もあります。また咽、鼻、耳の炎症反応が頭頚部と胸部の位置関係を乱し、手に負担が大きくかかって起こす腰
痛もあります。これらの見分けは気の診断で見分けることができます。咽、鼻、耳から来ている腰痛と臓腑の関係をみると心臓と肺に反応が強く現れます。この
ような痛みの場合、殆ど鎮痛剤は効果を示しません。そして腰部の筋肉は緊張をしておらず押さえても殆ど圧痛はありません。逆に胸部や前頚部に圧痛があった
り、上腕部(上腕二頭筋)には強く圧痛がでてきます。
これらの条件を満たしていると整形外科へ行っても効果は全くといってないでしょう。時間が過ぎないと痛みが消失しないので行っても行かなくても自然治癒するまで痛みは続きます。
逆に牽引療法をすることで他の弊害が起こることがあります。患者さんで毎日牽引をやっていて本当の椎間板ヘルニアの症状になった方もありました。もう一人では立つこともできない状態になり、排尿障害もでていたようです。毎日、近くの整形外科に通い牽引をして貰っていたそうです。
保険治療には保険治療の限界があるということを知っておいて下さい。画一化した治療には、その人個人の問題は無視されてしまいます。
また咽、鼻、耳の関連があるとすると環境的な因子であるアレルギー反応がある場合があるということも知っておいて欲しいところです。僅かな炎症は鼻や鼻の
奥(鼻咽腔あたり)で起こっている場合があり、通常では炎症だとは思わないところでもあります。またその奥には頸椎と頭蓋骨の継ぎ目があり、解剖学的にも
とても重要なところです。そして腰痛は季節の変わり目に多く起こる病気でもあります。足の冷えが元で頭頚部に熱が起こり、僅かな炎症を起こす引き金となっ
てしまうのです。
切腹をする侍の介錯をし、首を落とすシーンなんかを映画やTV等で見ることがあると思いますが、実際は日本刀のような細い刀で首を切り落とそうと思ったら
この頭蓋骨と第一頸椎の間を切り落とさなければ絶対に頭が前に落ちることはないそうです。何故なら他の首の部分では骨に当たってしまって切り落とすことは
不可能だったようです。
それを考えると首と頭が骨でない軟部組織のみでつながっている場所であり、関節の自由度(この部分が首の動きで一番大きい動きをしています)が大きくな
ることで逆に一番弱い部分だといえるのです。この部分と鼻咽腔は非常に近い場所にあり、その炎症反応は全身の身体の筋肉バランスを崩してしまうのです。
耳鳴や幻暈、頭痛、リウマチや免疫系疾患もそれが原因だという方もいらっしゃいます。
気の診断と治療では、その部分をイメージングすることによって筋緊張の調整を行います。鼻や耳の解剖学的な位置をしっているからこそできるイメージであ
り、専門的な気功治療なのです。そして頭頚部の位置が正しくなり、軟部組織の緊張が少なくなると今まであった軽い炎症反応が消失し、腰部へ行く炎症経路が
断ち切られ、腰痛が消失または減弱するのです。
このようなことが現実的に起こっているのを知らずに薬や注射、牽引を行っていると逆に悪くなる可能性があり、整形外科から離れられなくなってしまいます。
腰痛が恐怖心とも関係があるというのは、本当の原因を知らずに治療することで、更なる恐怖心を募らせ、治らないものだとか癖になるものだと頭にインプット
されてしまうのでしょう。そして、そのストレスが脳神経系に働き、筋肉バランスを変化させてしまう為に余計に鼻や咽、耳、頭頚部の位置を乱し、炎症反応が
起こりやすくなってしまうのです。
治療をされた方は、鼻や頭頚部しか刺激されていないのに何故あんなに痛かった腰の痛みが楽になるのか不思議だといいますが、正しい治療と正しい解釈をすることでそれは不思議でも何でもない治療になるということを身体で理解して貰えると思います。