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 「敦盛さんっメリークリスマス!!」

楽しそうな笑顔。真冬にも負けないその明るい面差しに、私は今まで 何度救われてきたのだろう…


【冬の欠片】


 「くりすます…?」
 「はいっ!!…あ、そっかぁ…敦盛さんはクリスマスって初めてなんですよね??」
 「ああ…この前神子が話していたものか…」
私の言葉に「そうですよっ」と楽しそうな声音が 耳朶を掠める。

…ここは神子の世界。そこで私は今 この世で一番清らかな人の隣りにいる。
この夢のようで夢でない現実に、私は…言ってしまうと 今でも信じられない気持ちだ。
……でも…
 「じゃあ今年は“ホワイトクリスマス”になるといいですね」
 「ほ、ほわいと…?」
貴女が私に微笑みかけてくれるから。
優しい面差しを 私に向けてくれるから。その笑顔が この夢のような時間が嘘ではない事を教えてくれる。
 「雪の降るクリスマスの事を“ホワイトクリスマス”っていうんですよ」
 「そう、なのか?」
 「はいっ」
降ったらすごくロマンチックですよね。
降らないかなぁと空へと視線を投げる少女に倣い、私も一緒に空へと視線を向ける。
 「本当に……もう冬なんですね」
何かを懐かしむように ひとつひとつの言葉を愛しそうに紡ぐ少女。ふと空から視線を外し そのまま少女へと向ければ、少し寒そうに体を強張らせていた。
 「……神子、寒くないか…?」
 「え?大丈夫ですけ…っくしゅ!!」
私の問いに大丈夫だと答えつつ、小さくくしゃみをする神子。このままでは風邪を引く事は確実だろう。私は急いで自分の上着を脱いで 少女に羽織らせる。
 「ないよりはましだろう…」
 「こ、これじゃあ敦盛さんが風邪引いちゃいますよ!!」
 「…私はそんなに寒くない」
慌てる少女に小さく笑みを零し、私が言う。それでも神子は徐に私の手を取り
 「手もこんなに冷たいじゃないですか!!」
と 困惑気味に私に言う。
 「…て、手を……。神子、私に触れてはいけな…」
 「大丈夫ですよ。それに、こっちの方が温かいじゃないですか」
私って子供体温なんですよね。
触れてはいけないと言っても 平気だと言って笑う少女。あまりに無邪気に微笑ってみせるから、どうしたらいいのか 尚更分からなくなってしまう。


 「――――敦盛さんは遠慮しすぎですよ」
 「…え?」


突然の神子の言葉。目を丸くして視線を向ければ、苦笑気味に私を見る 少女の瞳。何がと問えば 無意識でやってるんですねと、また苦笑される。

 「まぁ今は私が繋ぎたくて繋いだんですから 敦盛さんは気にしないで下さい」
 「だ、だが…」
 「ね?」

顔を覗き込むようにして私を見つめる二対の翡翠。
 「迷惑、ですか?」
 「ぇ…い、いや…そうではないが」
少し悲しそうに瞳を伏せた少女。そんな顔はさせたくなくて、私は思わずぎゅっと握っていた手に力を込めてしまう。
 「…っ…敦 盛、さん…?」
 「あ、すっすまない…!!」
自分の思いがけない行動に困惑し 私は一人で慌ててしまう。どさくさに紛れてその拍子に振りほどいた手を 少女はもう一度掴み、微笑いながら私のそれへと指を絡ませた。

 「神、子…?」
 「―――もう少しだけ、このままで」

好きです、貴方の事が。
大好きなんです。そう呟いて私の手を握り 頬を紅く染める少女。
呆然とその姿を見つめ、私は一人思考を停止していた。
 「敦盛さん?」
神子が…私を?そんな夢のような事、本当にあるのだろうか。
 「本当、に 私を…?」
 「………はい、」
私の問いに柔らかく微笑みかけてくれる…暖かな翡翠。

嗚呼、私はなんて


 「………っ私も、神子が…」
 「敦盛さん…」


―――――幸せ者なのだろう。


「わぁっ綺麗ー…」

見てください敦盛さんっ!!そう私に呼び掛けた少女に淡く白く降り注いだ冬の欠片。神子の元へ舞い降りるあの雪のように降り注ぎ、そして積もり溢れるこの想いは きっといつまでもどこまでも貴女に寄り添うのだろう。
雪にはしゃぐその姿が愛しくて、たまらず私は その細い肩を抱き寄せたのだった…――――



―END―


あとがきという名の言い訳。
あーもう、いつのSSですか。クリスマスなんてとっくにすぎてるじゃないですか∥orz 遅れてしまってほんっとーにすみません!!!!今年のクリスマスこそは ちゃんとUPできるよう精進いたします(涙)