想風月華
某月の刻印―七―
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benhino3
―七―
嗚呼、俺はこの時を どれだけ心待ちにしていたのだろう?
風にはためく紅は
楽しげに散る散る桜の花弁を弄び、唇を歪めた。見下ろした先に見ゆるのは、これから始まるであろう儀式の準備に駆け回る・・・次期神鬼刻主。
「たくさん待たせたんだ、もちろん俺を 楽しませて―――――くれるよね・・?」
ただ鬼刻を召喚されたんじゃつまらない。どうせなら もっともっとこっちが楽しめるような状況を作らなければ。手を伸ばし、徐に掴んだ淡き花弁を 悪戯に柔らかく引き裂く。
「―――― ねぇ、助けたいと思ってる人に それを邪魔されたら・・どんな気分になるのかなぁ?」
おぞましさを感じさせるような角度に唇の端を持ち上げて、色鮮やかな深紅は告げる。
「・・・始まるよ?」
自らを死へと至らしめる、血の宴が。
そして静かに幕は開く・・・。
「――――これより、鬼刻召喚の儀式を執り行う」
帝より重々しく告げられた
始まりの言葉。神官は前へという合図と共に
俺は封珠と数珠を手に、陣の中へと入った。微かに震える手をより一層強く握り、瞳を閉じて深く息をする。
これから始めようとしている儀式は
この国、樹那を救う為に必要な者たちを召喚する為の儀式だ。・・・だが、ただ単に味方となる者たちを召喚する為だけの儀式ではない。この儀式は
凄まじいほどの力を有した術者であっても
過去に一度しか成功した事のない・・・成功させる事がとてつもなく困難な儀式。それに加え
この儀式は、鬼刻と呼ばれる十二人の者たちを召喚するのに術者の力ではなく
命を吸い取り、神鬼刻主となる筈の者を死へと至らしめるものでもある。 ・・・だからこそ、
(失敗は・・・許されない。)
チャンスは一度きり。俺はゆっくりと瞼を押し上げ、天を見据えた。
「―――――万物を巡りし 大いなる者たちよ」
そして静かに輝き始める封珠を投げ、数珠を両手に掛ける。
「我が声の届きし者たちよ 我の声を聞くがいい。我は今此処で 主らに呼びかける者なり」
光が増していく。次第に吹くはずのない風が強まり、陣内の封珠を天へと高く高く飛ばしていく。少しずつざわめきも・・・強まる。
「応え 我が鬼を刻む十二の刃たちよ・・・」
応え・・・応えろ。 応えて く れ・・・
(・・・・戒斗、)
縋るように心で呟いた名に 俺は静かに目を閉じる。そして輝いた空へと・・祈るように 腕を伸ばす――――
あとがきという名の言い訳。
あっはー儀式しかやってませんよ儀式しか(殴)またしても葵依の一人称(+某刹那という名の摩綺羅さんの一人称を少々)ですよ。どうしましょうねぇ
なかなか鬼刻が出てきません(汗)次回の予告をしますと
召喚される側、鬼刻側の召喚される瞬間までを書きたいなぁと思って(すっぱあああああああああん!!!!/葵:・・・思うだけでは駄目だというのが分からないのか・・・?)・・・書きます書かせていただきます!!(涙)・・・という事で
現代のお話になりますね。それはそれで
これから書く側としては楽しみですvv(笑)