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 「―――美しい、か」




思わず零れる独り言に、口許に笑みが浮かぶ。今までの俺は 心からそんな事を思った事
が、あまりなかった。





ふと瞼の裏に思い出される、獣のようにしたたかで 美しい横顔。俺と同類という事を認
めず、強い意思をその瞳に宿し、それを思いきり否定した…断固たる面差し。



 「クッ…お前の瞳は 心地良い、火花だ…」



熱く…激しく、それは…彼岸を見てきた者の瞳。



 「―――お前は、俺を楽しませて くれるんだろう…?」



俺にとって、別に同類だとか…そんな事はどうでもいい。ただ、俺に 血の宴を見せて…
くれるなら。



 「…白龍の 神子、」





お前が俺に辿り着く、その時まで






お前がこの場所に辿り着く、その時まで…






俺はただ、ひたすらに…






この闇に 身を浸していよう






 ゆらり






辺りに揺れし 美しき闇。あぁ、俺の世界は白と黒…鮮やかな深紅でしか成り立たず。



ひんやりとした空気に ひたすら…身を委ね。




―――お前と見えし、その時が来たるまで。




10色で10のお題より
―5,暗黒―