夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。神を信じ得ぬ牧師、白丘。夢と現実の縺れに悩む三人の前に怪事件が続発する。海に漂う金色の髑髏、山中での集団自決。遊民・伊佐間、文士・関口、刑事・木場らも見守るなか、京極堂は憑物を落とせるのか?著者会心のシリーズ第三弾。
感想が遅れましてもうしわけないです。
「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」に続く3作目となります。
今回は題名にある通り、骨と骸骨が主題のお話です。
いつも広範囲にわたる知識に依った文章で、なおかつ難解気味な京極作品ですが、今回は取り上げられている内容が宗教+心理学なため、前作以上に輪をかけて難しくなってます。
私のように、さらっと深いところまで突っ込ますに話を追い進めていくタイプの読み手さんにはよいかもしれませんが、内容を逐一理解して読み進めていくタイプの読み手さんには京極作品は辛いかもしれません。
今回、前二作に比べて本作のインパクトが薄いと感じました。
話中で起こる事件は陰惨なのに、話の中核である朱美が姐さん風であまり暗さを感じず事件解決後があっさり日常的に戻った感じだったからでしょうか。
事件を解決してくれるはずの京極堂はなかなか出てこないし、登場人物の多さ、また物語間の時間軸の広さもその一因かもしれません。
本作は、前二作からの伏線をひっぱってるところもあるので、是非順番に読んでいくことをオススメします。