珈遊会

石原さんのコーヒーレポートⅡ

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18.豆冷却装置


●1.自作の冷却装置
これは単純明快。リビングの冷気を暑いキッチンへも回す為に使っているサーキュレーター(直線的に空気の流れが起きる扇風機のようなもの)の上に100均で買った花台を置き、その上にステンレスのざるを置いただけ。
これはもう盛大にチャフが飛び散りまして・・・・隣家へも舞い込むのじゃないかと
心配しながら使っていました。

●2.Kick師匠から頂いた冷却装置          (2004年7月)
夏の盛りにkick師匠からこれを戴きました。
師匠はラッキーコーヒーマシンの4kg釜を購入され、この冷却装置は使わなくなったということで、お嫁に来て頂いたわけです。
師匠の手作りで、シロッコファンの上にすり鉢型鉢を取り付け、ステンレス製ふるいがセット出来るように工夫してあります。植木鉢型冷却器とでも云いましょうか、師匠のアイデアには脱帽です。
ほんの数分で冷却が完了するし、チャフはまとまって下の方から排出されますから
庭の芝生へ散布されまして、掃除はしなくてよいし、隣家へ迷惑を掛ける事はないし、
それはそれは重宝しています。

将来ひょっとしてサイクロンなんかを作りたくなった時にも、これを利用出来そうで
楽しみです。(サイクロンが要るようになるんだろうか? ないだろうなー)

19.焙煎機製作に使用した道具

ドリル、スパナ、ドライバー、ボックスレンチ、など一般的な工具とは別に、やや特別な工具を紹介します。

●1.バイス       価格: 980円
●2.作業台    価格: 約1,000円

2×4 材をホームセンターでカットして貰ってネジ釘で組立てた。

焙煎機の製作を開始した当初は道具がなかったので、ホームセンターの工作室へ通って作業をやっていましたが、バイスを買いこの作業台を作ったことで殆んどの作業を自宅で出来るようになりました。
●3.インパクトドライバー   価格:不明

これは木工用で以前から持っていた道具で、焙煎機作りにも大活躍#ref(http://kickcoffee.org/i_img/ro_49.jpg)
●4.F型クランプ   価格: 399円

バーナーの高さ調整装置を作るために購入したものですが、意外に色んな
場面で重宝した。例えば、上の写真では角材の切れ端を作業台へ固定するのに
使って、ドラム(パスタポット)の穴開けをやりました。
●5.デプス付きスケール 300mm  価格: 980円

アルミアングル等の切断位置、穴あけ位置などを罫書く時にデプスを便利に活用。
デプスを材料端面に当てスケール先端で罫書くことができ、同一寸法で複数罫書く場合には特に有効。 (nontanさんに教えて貰った)
裏面にはインチとミりセンチの換算表、メートル並目ネジ(一般的なネジ)加工の
下穴ドリル径が載っているので、便利です。
ついでですが、4mmくらいのタップ加工ならタップをモンキーレンチで挟めば十分
にネジが加工出来ます。

デプスの詳細
●6.罫書き針    価格: 900円

これはノック式で、使わないときは針を格納できるので、怪我をしたり針先を損傷したりするのを防げます。アルミ材への罫書きでは罫書き線が見づらいので、黒マジックで下地を作っておくと罫書き線がよく見えます。
●7.金切り鋸  価格: 105円

根気があればこれで何でも切れる。
但し、同一寸法で多数切る時は寸法が不揃いとなるので、そんな場合はホームセンターでまとめてカット依頼する。また直角や真直を出すのも困難だからヤスリで修正する。
●8.センターポンチ  価格: 780円

穴あけの位置に小さな凹みを付けるのに使う。
使い方は親指をポンチの頭に添え、他の4本の指で胴体を持ってポンチ先端を所定の位置へ合わせ直角にセットし、親指で頭を押す。するとバネの力で衝撃が発生し、ポンチ先端が材料に食い込み凹みを付ける。
アルミ材の場合、慣れれば5mm程度の穴ならこの凹みで一回で穴を開けられるが、
不慣れな内は2~3mmのドリルで下穴を開けた後、所定の穴を開けた方がよい。
衝撃力の調整もできます。 (nontanさんに教えて貰った)
●9.金切りハサミ  価格: 3、580円

直線切り専用のハサミとこれのように曲線も切れるものがあるので購入時に注意。
曲線切りといえども、ゆっくり慎重にやれば直線も問題なく切れる。
一斗缶など難なく切れるし、アルミ板、ステンレス板など今回の焙煎機で使った板は問題なく切れた。(三菱マテリアル製で切断能力が書いてあったが忘れた)
●10.ヤスリ   価格: 平・・400円、丸・・380円

慎重に罫書いて穴を開けても組立て時にビスが通らない場合が多く、そんな時は丸ヤスリで修正する。特に丸ヤスリには大変お世話になりました。


20.2006年2月現在の焙煎機


2006年2月現在の焙煎機は以下のようになっています。
この後も改造したい部分があり、すぐにこの形は変わることでしょう。

●今後考えている改造

1.バーナー能力アップ
現在のバーナーは山岡金属のたこ焼き器Yー03D型で火力は都市ガスで
1200kcal/hとなっていますが、500gを焼く場合でもう少し排気を多くしたい
時には火力不足を感じます。近火にしたり、排気を控えれば500gでも余裕がありますが、もう少し火力アップを図りたい。
山岡金属のたこ焼き器Y-20B型の2000kcal/hバーナーを改造して使うか、煎っ太郎のようなバーナー(2000kcal/h)を探すかして取り替えたい。

2.操作性を改善した焙煎機を新規に作る
今の機械の主要部品を使って、よりプロ機に近い機能を持つ焙煎機を新らたに作る。
主な狙いはドラムの着脱をしないでも豆の投入と排出が出来るようにすること。
本件についてはkick師匠のHPのリンクからプロ機の攪拌羽根の様子と役目が理解
できたことから、実現できる見通しを持つことができました。

●ということで現在の機械は近々形を変えそうですが、当面現状を紹介します。

1.外観

●正面
この位置で作業するので、これが一応正面でしょう。
焙煎中はこの位置に座っていれば総ての作業(ガス圧調整、バーナー高さ調整、
ドラム回転数調整、ドラム温度確認、排気温度(正式には煙溜まり室温度)確認、
排気ダンパー調整、テストスプーンによる豆状況確認、落下したチャフのかき出し)が出来ます。

機械の前面にストップウオッチと記録シートを置いて、データを採ってます。
●左斜め前方

この位置では、煎り止めでバーナーを切り、テストスプーンとドラム温度計を抜きます。
テストスプーンとドラム温度計(熱電対)は平行してセットしてあって、同時に一緒に掴んで引き抜きます。初期の機械ではテストスプーンに温度計を取り付けていたので、テストスプーンを抜く度に温度計の指度が低下してしまい不都合があったので、
温度計は常時ドラム内にセットするように変更した経緯があります。
●左斜め後方
この位置でカバーとドラムの着脱を行います。
●左側面
焙煎機は分解して、戸棚に収納するので、ガスホースはワンタッチ式です。
●後面
本体はアルミ製深型バット(1、180円)に乗せてあります。
2.カバー

●煙突を外した状態のカバー。
カバーは一斗缶を縦切りしたものにアルミ板で壁を作ってあります。
煙突は茶缶、海苔缶を3ケを繋いであり、分解し収納するのに便利です。
●裏から見るとこうなっています。
ダンパー全閉の状態です。バイメタル温度計の測温部は煙が溜まる個所にセット
してあります。
一斗缶を切ったりアルミ板を切るのは前出の曲線切り金切り鋏で容易にできます。
●一斗缶を切った端は鋭くて危ないので、建具材のステンレス製レールを嵌めました。
●ついでですが、この建具材のレールはドラム温度測定用の熱電対を嵌めこんで
プローブとしても利用しました。
3.カバーを外した状態
4.ドラム

●ドラム本体はパスタポットの中ザル、先端は100均で買ったステンレス・ボールです。
両方とも適度なフランジがあるので、そこに小さな穴を開けて針金で締結しました。
このセットで重量は3.4kgであり、豆の投入、排出など取り扱いは容易です。
モーターの取っ手は100均で買った引き出し用のステンレス製取っ手を利用しました。

自作出来なくて外注した部品は、モーターにドラムを取り付けるためのフランジとボス及びモーターを架台に着脱する為の鉄板部品2点
●羽根の状況
このドラムは別のもの(ちょっとだけ短い)ですが、羽根は同形状です。
羽根の材料はアルミ不等辺アングル t1.0×5×15で作り、高さは15mm。
5.ドラムを外した状態
kick師匠の指摘により、バーナーはドラムの回転による豆に偏りの中心に合わせて
若干ずらせてある。
6、バーナー
●山岡金属工業のたこ焼き器 Y-03D 型のバーナー。1200kcal/h
●バーナーにF型フランプを利用して作った高さ調整機構をセットした状態
●バーナー高さ調整機構を本体に取り付けた状態(防風カバー未装着状態)
●高さ調整用のハンドル
これを常時取り付けておくと機械を分解して棚に収納する時に邪魔になるので、着脱式にした
道具の項の写真のようにF型クランプにはこの部品が2ヶ付いているので都合がよい。
先端のビス2本をバーナー側の金具に挿入してバーナーを上下させる
7.架台
●骨組みはアルミアングル(t2.0×25×25)、側壁はアルミ板(t1.0)
焙煎場所は、特に夏は屋外状態なので、側面を完全に囲ってバーナーが風の影響を
受けないようにした。
●モーター装着部
モーターは位置決め用の2本のビスの間に上から挿入して左右方向の位置を決め、
モーター側の2本の位置決めビスで上下位置を決める。着脱は容易。
●骨組みはコーナー金具(平折れ)で組み付けた。
コーナー金具と骨組みとの間には側壁アルミ板を挟み込んであります。
ビス穴の加工方法は、金具とアルミアングルを合わせて手で押さえ、金具の穴に罫書き針を突っ込んで穴の形状をなぞって円を罫書きます、罫書いた円の中央を狙ってマジックで印を付け、そこへセンターポンチで凹みを付けドリル加工します。
8.チャフかき出しスクレーパー
焙煎機本体はアルミ製深型バットの上に乗せてあり、ドラムから落下したチャフは
バットに溜まるので、それをかき出す為のスクレーパーが常時セットしてあります。

溜まったチャフが燃えないよう時々かき集め、500gを5回焙煎すると、これくらい集まるので、掃除機で吸い上げます。

二重底にして引き出しを付ければチャフの掃除が容易かな、とも考えましたが、連続
焙煎はしないし、5回くらいで終わるので、掃除機で吸えばいいか・・・・・で、このまま。
アルミ材の溝型と不等辺アングルをL字金具で締結

9.テストスプーン
●ステンレスパイプを使いました
●ストッパー部
薄いステンレスパイプですが、4mmのタップ程度なら加工してビス止めできます。
10.ドラム温度計

●ドラム温度測定に使っているマルチメーター(3,400円)
熱電対式でプローブを自作出来そうで安い物を探していて見付けた。
●熱電対は建具材のステンレス製レールに挟み込んでプローブとした。
11.収納

●焙煎機は下のように3分割します。
●本体架台の中には、煙突(2分割)、ワンタッチ・ガスホース 2本、温度計本体、
手袋を収納します。
●カバーには、個別SW付きタップ、着火器、バーナー掃除用ブラシ、微圧計ゼロ点調整用ドライバー、ストップウオッチ、ボールペン、豆冷却時に使うプラスティックヘラを収納
●戸棚への収納
Alpenrost のドラムを使った初期の焙煎機を設計する際に、ここへ収納できるよう
各部品を設計したので、Alpenrost ドラムの時は2分割ですっきりと収納できた
のですが、パスタポット・ドラムに変更したことで、3分割となりやや不便になった。

12.焙煎環境
普段はビールを飲んだり、コーヒーを飲んだり、接客など多目的に使っている
サンルームで焙煎します。だから焙煎機は常設する訳にはいかず、必要な時だけ設置します。作業台も折り畳み式で作業後は片付けてしまうのですっきりします。
●この焙煎環境の長所
  • 煙やチャフが出ても扉を少し開ければ直ぐに発散する。
チャフが飛び散っても部屋には侵入しないので、焙煎機を片付ける時に焙煎機に
溜まったチャフを掃除機で吸い取るついでに周辺を掃除すれば、簡単に掃除が
終わる

  • 開放的な気分で焙煎ができるので、ビールやコーヒーを飲みながら、楽しくやれる。

  • 焙煎中に来客があっても、焙煎直後のコーヒーを飲んで貰ったり、接客しながらでも
作業が楽しめる。 ご近所さんは焙煎の匂いを嗅ぎつけて庭からコーヒーを飲みに
来てくれるなど、ご近所付き合いに役立っている。

この焙煎環境の欠点

  • 冬の太陽が出ていない寒い時は、寒くてとても作業が出来ない。

  • 太陽の光で豆の状態をチェックするので、煎り止めの色が判断し辛い。
蒸らしから焼き始めまでは目で豆の状態を確認し、ドラム温度も参考に判断できます
が、肝心の煎り止めは色では難しいのでハゼ音で決めています。ただし、2ハゼ後
何秒で止めるという場合はいいけれど、2ハゼ直前に豆色を見て止める場合は
ちょっと困る。

  • 夜間は運転音が近隣に聞えやすいので、焙煎できない。

12.この焙煎機の使用結果

熱容量が少なく予熱不要

架台(深バット除く)の重量・・・4.2kg
ドラム&モーターユニットの重量・・・・3.4kg
カバー(煙突込み)の重量・・・1.4kg

上記のように軽量のため熱容量が少なく、バーナー点火後の温度上昇が極めて早い。
500gの場合で予熱なしでスタートし、ドラム温度は3分強で100℃になり、18分で
1ハゼ、22秒で2ハゼとなる。
予熱をやった場合と予熱なしの場合をテストした結果、焙煎結果に差が感じられ
なかったので、現在は予熱なしでやっています。

500gの場合でもう少し排気量を上げてみたい時に、バーナー能力が不足する。

この場合、バーナー位置を上げれば対応はできるが、kick師匠からは遠火の強火を
薦められているので、バーナー能力をアップしたいと思うようになった。

豆排出作業が煩雑

豆排出作業の手順は、煎り止めで、※左手でバーナーを消し、右手でテストスプーン
と測定用プローブをまとめて同時に抜く(左手と右手で同時に作業する)→※カバーを
両手で持ち上げ、テーブルに置く→※右手でドラムユニットを架台から抜き取り、冷却
装置の上でドラムを逆さまにし豆を排出する、という煩雑な作業を慌しくやらなくては
なりません。せいぜい5秒くらいの作業ですが早くやらねば・・・という緊張感のある
作業です。ゆとりを持って作業する為には、プロ機のような豆投入と排出の機能を
持った機械を新作するしかないですね。

機械の調整項目が多すぎて、最適条件が分からない

前にも書いたように、この機械は調整できる項目が多すぎて、未だにどの条件が
最適なのかが分からない状態です。ドラムの回転数は殆んど影響が無い事が分か
ってきましたが、バーナーの位置は未だに何処が最適なのか分かりません。
こんな状態にも拘らず、もうバーナーを替えて火力アップをしようと考えているので、
また泥沼に嵌りそうです。

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