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消費者契約法
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匿名ユーザー
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第1 消費者契約法とは
消費者契約法は,同法1条に規定されているように,消費者の利益を擁護することを目的としている。
本来,契約は,契約当事者どうしが対当であることを前提とし,契約当事者間で自由に締結されるものだった。
しかし,商品や契約内容に対する知識は,圧倒的に事業者(消費者契約法2条2項)が多く有し,また,契約書がすでにできあがっているので,交渉の余地はない。よって,消費者契約(消費者契約法2条3項)では,事業者と消費者(消費者契約法2条1項)が対当ではない。
そこで,消費者契約法により,消費者と事業者に格差があることを明確にして,その特性に合ったルールを定めている。
本来,契約は,契約当事者どうしが対当であることを前提とし,契約当事者間で自由に締結されるものだった。
しかし,商品や契約内容に対する知識は,圧倒的に事業者(消費者契約法2条2項)が多く有し,また,契約書がすでにできあがっているので,交渉の余地はない。よって,消費者契約(消費者契約法2条3項)では,事業者と消費者(消費者契約法2条1項)が対当ではない。
そこで,消費者契約法により,消費者と事業者に格差があることを明確にして,その特性に合ったルールを定めている。
第2 消費者契約法の概要
契約の取消し(消費者契約法 第2章)
民法に規定されている契約取消の要件を緩和し,具体化している。具体的に契約を取り消せるケースは以下のとおり。
取消権を行使できるのは,追認をすることができるときから6か月間,契約締結のときから5年間である。
(1) 不実告知(消費者契約法4条1項1号)
重要な事項について,間違ったことを言って勧誘したケース
(2) 断定的判断の提供(消費者契約法4条1項2号)
将来の不確実な事実について,断定して勧誘したケース
(3) 不利益事実の不告知(消費者契約法4条2項)
消費者に不利な事実を故意に告げなかったケース
(4) 不退去(消費者契約法4条3項1号)
自宅や職場などに居座って勧誘したケース
(5) 退去妨害(消費者契約法4条3項2号)
店舗などの勧誘場所に,長時間拘束して勧誘したケース
取消権を行使できるのは,追認をすることができるときから6か月間,契約締結のときから5年間である。
(1) 不実告知(消費者契約法4条1項1号)
重要な事項について,間違ったことを言って勧誘したケース
(2) 断定的判断の提供(消費者契約法4条1項2号)
将来の不確実な事実について,断定して勧誘したケース
(3) 不利益事実の不告知(消費者契約法4条2項)
消費者に不利な事実を故意に告げなかったケース
(4) 不退去(消費者契約法4条3項1号)
自宅や職場などに居座って勧誘したケース
(5) 退去妨害(消費者契約法4条3項2号)
店舗などの勧誘場所に,長時間拘束して勧誘したケース
契約の一部又は全部の無効(消費者契約法 第3章)
公序良俗違反など,無効とすべき条項を具体化している。具体的には以下のとおり。
(1) 事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効(消費者契約法8条)
事業者の責任を免除したり、軽減する免責条項と違約金に関する条項で,無効となる場合を定めている。
(2) 消費者契約の解除に伴い,消費者が支払う損害賠償額の予定又は違約金は,『平均的な損害の額』を超える部分は無効となる(消費者契約法9条1項)。
※ 平均的な損害の額とは,契約の類型ごとに合理的な算出根拠に基づき算定された平均値のこと
(3) 消費者契約に基づき,消費者が支払うべき金銭を支払期日までに支払わなかった場合における損害賠償額や違約金の上限は,14.6パーセント(それ以上は無効)(消費者契約法9条2項)。
(4) 消費者の利益を一方的に害する条項(消費者契約法10条)
(1) 事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効(消費者契約法8条)
事業者の責任を免除したり、軽減する免責条項と違約金に関する条項で,無効となる場合を定めている。
(2) 消費者契約の解除に伴い,消費者が支払う損害賠償額の予定又は違約金は,『平均的な損害の額』を超える部分は無効となる(消費者契約法9条1項)。
※ 平均的な損害の額とは,契約の類型ごとに合理的な算出根拠に基づき算定された平均値のこと
(3) 消費者契約に基づき,消費者が支払うべき金銭を支払期日までに支払わなかった場合における損害賠償額や違約金の上限は,14.6パーセント(それ以上は無効)(消費者契約法9条2項)。
(4) 消費者の利益を一方的に害する条項(消費者契約法10条)
第3 適用範囲
平成13年(2001年)4月1日後に締結された消費者契約に適用される(消費者契約法附則)。
労働契約については適用されない(消費者契約法12条)。
労働契約については適用されない(消費者契約法12条)。
第4 他の法律との関係
消費者契約法は,民法や商法の特別法となり,民法や商法には優先する。しかし,民法や商法,消費者契約法以外の個別法があれば,そちらが優先される(消費者契約法11条)。
第5 具体的な事例
1
大学の入学を辞退した受験生が,入学金や授業料の返還を求めた訴訟で,消費者契約法により,前納金を返還しないという特約を無効と判断した事例
2
進学塾の「契約を解除することはできない」という条項を,消費者契約法により無効と判断した事例
3
マンション明け渡しの際、損傷の有無にかかわらず敷金(保証金)の一部を差し引く関西地方の「敷引き」の特約は,消費者契約法により無効と判断した事例
大阪の弁護士らでつくる「敷金問題研究会」の松丸正弁護士は「敷金返還を求めた訴訟で、消契法が適用されたのは初めてだ。同種の訴訟への影響は大きい」と評価している(共同通信2003年10月17日)。
4
駐車場で「一切責任を負いません」と掲示がしてあった場合、消費者契約法第8条により無効になるか。
(答え)
民法等では、原則として、故意や過失による債務不履行や不法行為によって相手方に損害が生じた場合には、相手方に対して、その損害を賠償する責任を負うこととされている。消費者契約法第8条第1項第1号や第3号は、このような事業者の民法等の規定に基づく損害賠償責任(事業者の故意や過失による 債務不履行や不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任)を全部免除する契約条項は無効であるということを規定している。
したがって、「一切責任を負いません」という掲示が両当事者の契約の内容となる場合であって、事業者が民法等の債務不履行や不法行為の規定に従えば損害賠償責任を負わなければならない場合であるにもかかわらず、その責任を全部免除するという趣旨であれば、この契約条項は、消費者契約法第8条第1項第1号や第3号に該当し無効となる。無効とされた場合、事業者が民法等の債務不履行や不法行為の規定に従えば負うこととなる損害賠償責任をこの契約条項を楯にして免れることはできない。
しかし,民法等の債務不履行や不法行為の規定に照らしてそもそも損害賠償責任を負わないような場合には損害賠償責任を負うことにはならない。
大学の入学を辞退した受験生が,入学金や授業料の返還を求めた訴訟で,消費者契約法により,前納金を返還しないという特約を無効と判断した事例
2
進学塾の「契約を解除することはできない」という条項を,消費者契約法により無効と判断した事例
3
マンション明け渡しの際、損傷の有無にかかわらず敷金(保証金)の一部を差し引く関西地方の「敷引き」の特約は,消費者契約法により無効と判断した事例
大阪の弁護士らでつくる「敷金問題研究会」の松丸正弁護士は「敷金返還を求めた訴訟で、消契法が適用されたのは初めてだ。同種の訴訟への影響は大きい」と評価している(共同通信2003年10月17日)。
4
駐車場で「一切責任を負いません」と掲示がしてあった場合、消費者契約法第8条により無効になるか。
(答え)
民法等では、原則として、故意や過失による債務不履行や不法行為によって相手方に損害が生じた場合には、相手方に対して、その損害を賠償する責任を負うこととされている。消費者契約法第8条第1項第1号や第3号は、このような事業者の民法等の規定に基づく損害賠償責任(事業者の故意や過失による 債務不履行や不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任)を全部免除する契約条項は無効であるということを規定している。
したがって、「一切責任を負いません」という掲示が両当事者の契約の内容となる場合であって、事業者が民法等の債務不履行や不法行為の規定に従えば損害賠償責任を負わなければならない場合であるにもかかわらず、その責任を全部免除するという趣旨であれば、この契約条項は、消費者契約法第8条第1項第1号や第3号に該当し無効となる。無効とされた場合、事業者が民法等の債務不履行や不法行為の規定に従えば負うこととなる損害賠償責任をこの契約条項を楯にして免れることはできない。
しかし,民法等の債務不履行や不法行為の規定に照らしてそもそも損害賠償責任を負わないような場合には損害賠償責任を負うことにはならない。