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その24

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匿名ユーザー

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/;3「ん?おぉ、ブーン」
廊下を歩いていると聞きなれた声に呼び止められた
( ^ω^)「荒巻かお?」
/;3「あぁ、俺だ、久しぶりだな」
(*^ω^)「まったくだお!」
荒巻と最後にあったのは、あのパーティーの何日か前だ
しばらくあってないことになる
/;3「あぁ、お前は最近どうなんだ」
( ^ω^)「ボクかお?ボクはとりあえず今年の夏に退院するお」
と、言ったところで、荒巻がガッ、とブーンの肩を掴んできた
/;3「ホントか!?」
(*^ω^)「ホントだお、でも、まだ完全に決まったわけじゃないお」
/;3「いや、それでも可能性はあるんだろ!?スゲェだろ!」
ヘヘッと、テレながらも、すこし自分が誇らしかった
( ^ω^)「とりあえず、何日か病院じゃなくて自分の家で生活させて、」
      「それで決めるらしいお」
荒巻は、へぇー、と間の抜けた声を出した

( ^ω^)「荒巻はどうなんだお?」
荒巻はズズッと言う飲み物をすする音とともに、気のない声で「んー?」とだけ答える
そして、「順調なんじゃないか?」とまるで他人事のように笑った
(;^ω^)「・・何か他人事みたいだおwwwwwwwwwwwwwww」
/;3「あー、・・ゆっくりやれば言いと思ってるからそういう風に言っちゃうんかな・・・・・」
まぁなんだっていいか、と言ってまた飲み物をすする
それにしても、荒巻はブーンと出会ってからずいぶんと変わった
出会う前までは退院する気など、微塵もなかった
の、だが、それが今ではゆっくりでも退院しようとしているのだ
/;3「あ、オレそろそろ部屋に戻るわ、寝なきゃ」
しばらく話していると、荒巻はそう告げて行ってしまった

(;^ω^)「・・・まだ昼だお・・・・・・?」

残されたブーンは、荒巻の言葉に驚き、すこしだけ、笑った

いつまでもココにいても仕方ない、と思い、右手にぶら下げていた杖を持つと、ベンチから立ち上がった
長い時間座っていた、と言うわけでもないのだが、体全体で大きく伸びをする
そして、地面に杖の先端をつけ、確認をしながらボクは歩き出した

長岡「内藤さん?どこに行くんですか?」
病室への歩いていると、長岡さんが話しかけてくる
( ^ω^)「あ、長岡さん」
今部屋に戻ってる途中だということを告げると、長岡さんにフフ、と笑われた
さっきいた場所から、ボクの部屋までは歩いてすぐ、と言うほど近くはない
が、部屋につくまでの間に、ずっと退院のことを考えていたせいか、気づけば部屋の前まで来ていたらしい
そして今、部屋の前を通り過ぎようとしたところで、長岡さんに呼び止められたのだ

長岡「考え事しながら歩くのはいいけど・・うっかりして院内で迷子にならないでくださいよ?」
と、最後にからかわれてしまった

病室のベッドに寝転がりながらも、ボクはまだ退院のことを考えていた
退院をするという不安や、期待が胸の奥のほうでぐるぐると回り続けている
何でボクの目は見えなくなっちゃったんだろうなァ・・・・・・・・
という疑問が、頭に浮かぶがすぐに消した
こんなもんは、考えていても無駄だし、考えたからと言って見えるようになるわけじゃない
ただ言えるとすれば、一言

たまたま、運が悪かっただけだ

そう、言い聞かせる
しかし、言い聞かせたからと言って、納得は出来なかった
やっぱり考えてしまう、どうして自分だったのかと
コレは、目が見えなくなった時から考えてはいたが、そのたびに考えては消している
・・まるで、波のようだな、と考えてから、まだ読んでいる途中の本を手に取る
しおりを挟んであった場所を開き、ボクは指で字をなぞり始めた―――――


しばらく読みふけっていると、ペタペタと足音が2つ、部屋の中で聞こえた
ドアをあける音が聞こえなかったので、おそらくさっき入ったときにドアを閉め忘れてたのだろうか
まぁ、そんなことはどうでもいいのだが・・・・・
大体、この時間にこの部屋に来るのは誰か決まっている
ボクの、大事な友人だ
おいすー、と、ボクが声をかけると、二人は返事を返してくる
('A`)「オース」
(´・ω・`)「やぁ」
聞きなれた、しょぼくれた声と、無気力な声
いつもと変わらなくて、思わず笑ってしまった
( ^ω^)「毎日毎日ありがとうだお」
と、感謝の気持ちを言って誤魔化すと、まったくだよ、と冗談で毒づいてくる
('A`)「あぁ、そうだ、聞いてくれよ・・・」
ボクは読みかけの本にしおりを挟んで、机の上においた
そして、二人のほうを向き、毒男の話を聞き始める

これから、いつものようにくだらないことを話して、盛り上がる
そんな二人との会話が、ボクは好きだった

ツン「あら、二人とも早いのね」
カツカツと歩く音が、ドアの方向からこちらに向かってくる
おいすー、オースと、みんなの口から挨拶が飛び出す
これで、いつものメンバーが集まった
ツン「あんたたちも相変わらずヒマねぇ・・・」
と、ツンが冗談を飛ばすと、毒男がオレらは夜バイトで忙しいからな、と笑って言い返す
そういえば、ツンもバイトを始めたらしい
( ^ω^)「ツンのバイトってどんなんなんだお?」
気になってたずねてみる
ツン「・・いや・・えーと・・・・・」
なぜか、話すのが嫌そうな声を出しているのだが、何か話せない理由があるのだろうか・・?
心配するボクを笑うようにショボンがただのレジ係だよ、と答えてくれた
危ない仕事でもしてるのかと思ってたボクは、心底ホッとした
ツン「・・・!!そ、そうよ!ただのスーパーのレジ係よ!悪い!?」
そんなボクを尻目に、彼女は怒り出した
( ^ω^)「ちょwwwwwwwwwww悪いなんていってなすwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
・・まぁ、いつものことだけど・・・・・
おそらくプライドの高いの彼女のことだ、スーパーのレジ係だと言うのが、恥ずかしかったのだろう
ボクはレジ係でもどんな仕事でも、ツンなら似合うと思うなァ・・と呟くと、聞こえたのだろうか・・
彼女が、急に、火のついた紙に水をかけたように、おとなしくなって、モゴモゴと何かを言っている
ボクがクスリと笑うと、またバカ話を再開した

しばらく昔のことをネタに話をしていたが、だんだん話のネタがなくなってきた
ふと、何かを思い出したように「あ、そうだ」と、ショボンが話題を出す
(´・ω・`)「ブーンは、退院をするための三日間、どうするんだい?」
ああ、そういえば・・まだ考えていなかったな・・・・・
とりあえずボクは、一日はボクの家ですごし、一日は街に行き、一日はその辺を歩いてみて過ごそうと思ってる
そのことをみんなに伝えた
(´・ω・`)「へぇ、結構考えているんだね・・・」
そうボクを褒められたあと、「そのことなんだけど・・」と話し始めた
(´・ω・`)「とりあえず、その三日間、僕らも手伝おうと思っているんだ」
      「日常生活でこれからは僕らも手伝うことになるだろう?」
「なら、すこし早めに始めて、慣れておいた方がいいと思うんだ」と、笑いながら言った
なるほど・・と、思ったが、手伝ってもらうと言っても、一日中付きっ切り、と言うわけには行かないだろう
そうなると、やはりボク一人でいる日が欲しい
( ^ω^)「みんなの気持ちは嬉しいけど・・一日だけボク一人でいる日が欲しいお」
      「手伝ってくれると言っても、一日中付きっ切りってわけにも行かないし、」
      「それに、一人でいる時間の方が多いんだから、それに慣れておきたいンだお」
そのことを説明すると、大丈夫?と聞かれるが、これからの生活を考えると甘えたことも言ってられない
大丈夫だよ、と笑ってボクは答えた

(´・ω・`)「それじゃ、また来るよ」
( ^ω^)「今日もホントにありがとうだお」
いえいえ、と笑ってから、それじゃあ、とショボンたちは言って出て行ってしまった
・・彼らには本当に感謝している
おそらく、感謝してもし足りないくらいいろいろと世話になっただろう
ボクの目が見えなくなってから、ずっとボクのそばでいろいろと手伝ってくれている
長岡さんや、やまじゅん先生は仕事だから当たり前だが、彼らはそうじゃなく、一般人
ただの、ボクの友人だ
と、思ったが、彼らにしたら当たり前なのかも知れない
友人、というだけで、僕が困っていたら助けてくれる
よくよく考えたら、そういう人たちだった
そう思って、気付けばクスリと笑っていた

それに―――――


それに、ボクだって友達が困っていたら、友人だ、という理由だけで助けてあげていただろう
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