wikiさんの機嫌が直らず10回に1回くらいしか更新されてくれないです。前回サボった罰なのかな。?
さて、今回も前回に引き続き恩田陸作品です。どうせ恩田作品で「く」なら、もう一個のほうにすればよかったかもとちょっと後悔していますが、次回までストックしておくことにします。
この作品では、「MAZE」という作品で登場した「神原恵弥(かんばらめぐみ」が再登場します。この恵弥さん、球形の季節のヒロインが「普通」の高校生だったのに比べると、かなり特殊な人生を歩んできている壮年男性です。どちらかというと「麦の海に沈む果実」からつながる一連の作品に出てくる校長先生のようなイメージですね。(既読の人にしかわからない表現ですみません)
ただし、作品の内容自体は、北国のH市を舞台に、数人の登場人物たちがそれぞれの思いを内に秘めながら、腹の探り合いをしていく、といった感じで、舞台は広いけど、どことなく「クローズドサークル」のような感じがします。
キーワードは「クレオパトラ」。それぞれがこの言葉を知っていながら、それぞれが予想しているものが微妙にずれていっていて、存在するのかしないのかも未知数という、なんだか雲をつかむような話です。
キーワードは「クレオパトラ」。それぞれがこの言葉を知っていながら、それぞれが予想しているものが微妙にずれていっていて、存在するのかしないのかも未知数という、なんだか雲をつかむような話です。
話としては小ぶりにまとまっていて、絶品とまでは行かないけど佳品ではないかと思います。
ただ、おなじ神原恵弥が主人公なのであれば、MAZEの方が個人的にはすきかもしれません。
なにしろ恩田陸はよいところもたくさんあるけど、だめなときはほんとにだめ、な感じなので、万人向けにオススメできないのですが、だめなところも含めて目が離せない、となったら立派に恩田教の一員になれますよ。