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第30話

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第30話 マフティー

-オーストラリア アデレート-

ケネス「まったくお偉いさん方はっ!」
軍人「どうなさったんです?」
ケネス「なんでもない・・・。バリアーの首尾はどうだ?」
軍人「順調です。このままだと今晩か明日の朝には完成できるでしょう。」
ケネス「遅いな。できるだけ急ぐんだ。マフティーがいま攻めてこないとも限らん。」
軍人「はっ!それと、今回の防衛に例のナデシコも参加してくれるそうです。」
ケネス「あれか・・・。頼もしいことだな。」

アデレートでは明日、連邦軍のエライさん方が集まって会議が行われる。
それに対し、反地球連邦組織マフティーの妨害があることは容易に予想できた。

ケネス「・・・だがヨソ者のネルガル等に手柄を奪われる訳にはいかないな。ペーネロペー、準備しておけよ。」
軍人「ハッ!。」

-アデレート付近-

ハサウェイ「・・・陽動は成功した。だが、むこうに陽動だと気づかない者が居ないとも限らんが、こっちがどの方角から来るかは分らん筈だ。」
レイモンド「ギャルセゾンとメッサーを失った甲斐はあったってもんだな。」
ハサウェイ「そういう事だ。明日は厳しい戦いになるだろう。みんな今晩はよく休む事だ。」

解散し、それぞれの寝床へと行く。
日は落ちかけていた。
ハサウェイはレジャー用の物より一回りほど大きいテントに入った。
捕虜としてハサウェイが監視していることになっているギギと共にだ。

ギギ「ハサ・・・大変みたいね?」
ハサウェイ「まぁね・・・。君も非戦闘員とはいえ明日は早い。早く寝たほうがいい。」
ギギ「・・・つれないんだから。」

寝袋に入り、目を瞑る。
海岸に近いとやはり風がきつく、うるさいぐらいにテントを揺らしていた。

ルリ「アデレートまでもうすぐです。」
ユリカ「パイロット各員は第2戦闘配備で待機です。」

ブーンがパイロットスーツに着替える。
( ^ω^)「今回はえらいさんの護衛かお・・・。」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・私連邦はそんなに好きじゃないのよね。」
( ^ω^)「・・・僕もだお。」

今の連邦高官というのはもう世襲制になっていてマトモな人間は少数しか居ない。
コロニーへの移住を拒む事ができるのもそれのおかげだろう。

ルリ「アデレートに到着しました。着陸します。」
ユリカ「確か、キルケー部隊のケネス准尉さんとお会いするんですね。」
プロス「結構なやり手だそうですよ。」

ブリッジのドアが開き、ケネスが入ってきた。

ケネス「お初にお目にかかります。ケネス=スレッグ准尉です。」
ユリカ「機動戦艦ナデシコ艦長のミスマル・ユリカですっ。」
ケネス「この度はお力添え嬉しく思います。どうか、よろしくおねがいします。」
ユリカ「こちらこそっ!ところで、今回襲ってくるかもしれないマホティーってなんなんです?」
姫子「呼んだかな?」
プロス「マフティーです。反地球連邦組織マフティーですな。マフティー=ナビーユ=エリンなる者が指導者に立ち、地球連邦政府高官を暗殺して回ってるらしいです。」
ケネス「・・・奴等の言う事もわからんくはないですがね。」
ユリカ「え?」
ケネス「独り言です。では、私はバリアーを監督してきます。」

ケネスが戻る。

ベッキー「バリア・・大気圏中で使うのか・・・。」
ルリ「宇宙空間ではともかく、いままでエネルギーバリアの類が地球上で使われたことはなかったですね。」
( ^ω^)「Dフィールドとは違うのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「あれは厳密には違うわね。重力とか弄くってるから。」
(;^ω^)「・・・考えない事にするお。」

アデレートにMSが接近していた。
マフティーである。

ハサウェイ「・・・ギギとやる事だけを考えろ・・・か。いいのか?クェス・・・。」
ハサウェイの乗るΞガンダムがミノフスキー・クラフトで飛行する。
メッサーを搭載したギャルセゾンが何機か追随しているが、先発はハサウェイだ。

-アデレート-
軍人「准尉!ミノフスキー粒子の濃度が戦闘濃度になっています!」
ケネス「来たかマフティーッ!」

ケネスが出撃を命じようとした瞬間、ハサウェイのΞが格納庫にミサイルを撃ち込んだ。

ケネス「クソォーッ!」
グスタフ・カールが数機やられた。
ペーネロペーの安否は不明である。

ケネス「君ッ!秘書を頼む!」

ケネスは格納庫へ走った。

レーン・エイムがペーネロペーに入り、出撃準備をしていた所を爆撃された。

レーン「ううっ!糞ッ!」

前のめりになって倒れるペーネロペー。
幸い爆撃による被害は大して受けておらず、立ち上がるとミノフスキー・クラフトを駆動させ、飛び上がった。

レーン「ガンダムモドキめぇ・・・っ!」


ユリカ「来ましたよっ!発進、よろしくぅ!」
( ^ω^)「行くおっ!」

今回最優先で防衛するのは実際に閣議が行われるホールだ。
恐らくマフティーもそこを狙ってくる。

ξ゚⊿゚)ξ「敵は・・・小型のMSね。メッサーとかいうの。」

ベースジャバーとメッサー数機が近づいてくる。
ガウマン「なんだあれは・・・連邦のMSではないな・・・。各機警戒しろよぉっ!」

( ^ω^)「ちょこまかとっ!」
鳳来尊がビームを放ち、数機のメッサーが爆砕する。

ξ゚⊿゚)ξ「ちょ、ちょっと!MSの動力は核融合なんだからうかつに破壊すると周りが焦土になるわよっ!」
(;^ω^)「やりにくいお・・・。」

レーンが空に上がった時、すでにΞの姿は無かった。
そして、ナデシコ隊の追撃を逃れたメッサー数機がホールにミサイルを撃ち込む。
連邦のグスタフ・カールはΞやメッサーに誘導されて街外れまで出て行ってしまっていた。

レーン「くそっ!戻れッ!やられているぞぉっ!」

だがやることをやったメッサーは撤退しはじめていた。
ファンネル・ミサイルを射出し、数機のメッサーを倒す。
そして、その撤退を助ける為に再びレーンの前にΞが現れた。

しかしレーンはそれに向かうことなく、ホールの煙へと退いた。

ハサウェイ「・・・いい判断だな。」

こうして、マフティーの第一波攻撃は終了した。


マフティーはアデレートから50km程離れた森林地帯で補給をしていた。
先ほどの攻撃の準備の為に潜入していた工作員の回収の為に、第二派攻撃を加えなければいけないからだ。
ハサウェイ「(バリアーとかいうのはなかったな・・・。次はくるか・・?)」

しかし、次の攻撃でのハサウェイの帰還は期待されてなかった。
Ξ一機で空港に攻撃を加えねばならないからだ。

補給の手配をしてくれた付近のゲリラと別れ、再度アデレートへ向かう。


ケネス「ハサウェイ・・・もう一度来るな・・・。」
ケネスは地下シェルターの司令室に居た。
偉いさんを守るとかそういうのよりも、負けっぱなしというのはケネスのプライドが許さなかった。
ケネス「バリアはどうか!」
仕官「稼動できます。」
ケネス「ヨーシッ!モニター半分切れぇっ!電力をバリアーへ送るんだ!」
そしてケネスの予想していた方角から、マフティーはやってきた。

レーンのペーネロペーは、前回の戦闘で壊れたフライトユニットを外していた。
これでΞ程まではいかなくてもかなりの運動性能が確保できる。

レーン「宇宙からずっといっしょだったから寒々しい感じもするがな・・・。」
ケネス『そう言うな。期待しているぞ?』
レーン「了解であります!ペーネロペー、出るっ!」

ブースターで一気に加速し、瓦礫を跳ね除けながら飛び上がる。
ミノフスキ・クラフトを駆動させるとペーネロペーは自由飛行に入った。

ハサウェイがアデレートに到着した時、すでにペーネロペーは飛び上がり戦闘準備に入っていた。

ハサウェイ「形が違うな・・・。だがまだΞの運動性が勝っている筈だ!」
レーン「このぉっ!」

レーンのペーネロペーからファンネル・ミサイルが発射される。
Ξに意識を集中させると、それは的確にΞへと向かっていった。
だがΞからもファンネル・ミサイルが発射される。
それぞれが相対し、撃ち落しあう。

レーン「くそぉっ!」

ペーネロペーがビームサーベルを抜いた。
ハサウェイも素早くビームサーベルを出す。

ビーム同士がぶつかり合い、火花を散らす。

二,三合打ち合ったあと、距離が出来る。

お互いの反応は同じで、ほぼ同時にビーム・ライフルを構えていた。
互いに避けあい、相手を撃つ。
何回か繰り返した後Ξがビームライフルのエネルギー・パックにエネルギーを過剰チャージする。
それをビームライフルから外し、放り投げると爆発した。

レーン「目晦ましかぁっ!?」

ペーネロペーを後退させるが、爆風の中からファンネル・ミサイルが飛んできて被弾してしまった。

ケネス『レーン!バリアを使うぞ!』
ケネスから通信が入る。
Ξとの一騎打ちに敗北したレーンは大人しく指定ポイントへとΞを誘導するように飛んだ。

ハサウェイ「逃げるっ・・?逃がすかっ!」

そしてハサウェイが再度ファンネルを使おうとしてペーネロペーに意識を集中した瞬間

閃光が目を包み、耳の中を爆音が響き、ハサウェイの意識は暗転した。

ケネスがバリアーの使用を叫んだ瞬間、Ξがバリアーを食らっていた。
光に包まれ、力を失ったΞは墜落する。
それをレーンは悲しげに見ていた。

ガウマン「・・・・ハサウェイ・・・!」
Ξが落とされたのを見てメッサー達が撤退する。
エステバリスも追うような事はせず、大人しくナデシコに帰艦した。

こうしてマフティーの第二派攻撃が終わった。
だがマフティーにハサウェイが帰ることは二度となかった。

レーンがΞに近づき、パイロットを回収する。
顔の皮膚が焼けており、誰かを判別するのは不可能であった。


ハサウェイが次に気が付いた時に見たのは電灯だった。

ハサウェイ「ん・・・・あ。」
ケネス「気が付いたか。」
ハサウェイ「・・・やぁ大佐。」
ケネス「残念、今は准将なのさ。」
ハサウェイ「俺はどうなった?」
ケネス「俺らの秘密兵器バリアーに引っかかって落ちた。病院だよここは。」
ハサウェイ「そうか・・・。大したもんだよたい・・・いや准将。今はまだ眠いんだ・・・眠らせてもらう。」
ケネス「ああ・・・。ゆっくり休め。」

ハサウェイは目を閉じた。
たまにギギがお見舞いに来てた気がするけどあまり覚えていない。
ハサウェイ「(俺は・・・どうなるんだろうな・・・)」
まどろんだ意識の中でハサウェイはそんな事を考えていた。

上層部では激しい議論が交わされていた。
"マフティー=ナビーユ・エリン"をどうするかについてだ。

ケネス「ふぅ・・・っ。」
ギギ「大佐、どうしたの?」
大佐ではなかったがギギにとってはその方が呼びやすかった。
ケネス「ふん・・・ハサウェイはな・・・。」





ハサウェイ「やあ准将・・・。僕の始末は決まったかい?」
ケネス「ああ・・・。おまえにとって良いか悪いかは知らんがな?」
ハサウェイ「まぁマフティーを名乗った時点で一応覚悟はしたさ。」
ケネス「ふん・・・。気の早いことだね。」
ハサウェイ「で、?」

ケネス「おまえにはまだ戦ってもらう。」


ハサウェイ「・・・何だって?」
ケネス「おまえにはナデシコに乗ってもらい戦い続けてもらう事になった。」
ハサウェイ「・・・それだけじゃないだろう?」
ケネス「そりゃ、大体のお偉いさんはおまえを殺せつってたね。でもミスマル提督やらの提案でね。」
ケネス「勿論、軍の監視・・・まぁ私なんだが。の監視付だぞ。」
ハサウェイ「その後銃殺ということか。」
ケネス「そう死に急ぐなよ。片付いたらおまえは人里離れたコロニーで住む事が許可されたよ。これも監視付だがね。」
ハサウェイ「ふ・・・ははっ!ははははははははっ!いいのか?そんなので。」
ケネス「素直に生きることを喜べよ。ギギも喜んでる。」
ハサウェイ「そうかギギ・・・あんたと会えたんだな。」
ケネス「まぁそういう訳だ。おまえのMSも回収してあるぞ。」
ハサウェイ「Ξと呼んでくれ。」
ケネス「ふん・・・νの次か・・・。まぁいいさ。ペーネロペーを圧倒したんだからな。」
ハサウェイ「俺はいつから?」
ケネス「おまえがMSを操縦できるぐらいまで回復してからだ。」
ハサウェイ「わかった・・・准将、リンゴを貰えないか?」
ケネス「リンゴ・・・?わかった、用意しよう。」
ハサウェイ「ありがとう・・・。」

ケネスが席を立ち、病室から出て行くとハサウェイは急に眠くなった。
生の安堵感だろうか。
ハサウェイ「(みんな・・・どうしたろうな・・。ガウマン・・・エメラルダ・・・)」
もう二度と会えないであろう志を共にした仲間達を思い、またハサウェイは眠りについた。

ブライトは地球に降りていた。
この間のコロニー降下防止作戦が終わり、
すぐに退役願いを出していたのだがなかなか受理されなかった。
しかしケネスの後任であるアデレートの防衛とキルケー部隊の指揮という三ヶ月程の任務を終えたら退役できることになっていた。
マフティーが捕まった事は聞いたが、何故だか顔を見る気にはならなかった。

ユリカ「お久しぶりです、ブライト艦長。」
ブライト「お久しぶりです。今回はお疲れ様でした。」
ユリカ「いえ・・・私達はなにもできませんでした・・。」
ブライト「気にすることはないですよ。敵は連邦の掃討を免れていた程の戦略を練れる組織なんですから。」
ユリカ「ありがとうございます・・・。」

防衛大学を主席で卒業し、シュミレーションでもトップだったユリカにとって今回の結果はかなりショックだった。
だが例によってアキトが慰めると、次の日には復帰していた。

ブライト「そうだ、今度私の息子が貴艦に乗り込むのですよ。」
ユリカ「・・・えーっと・・ハサウェイ君でしたっけ?」
ブライト「ええ。植物研究してた筈なんですがいつのまにやら連邦でMSの訓練など受けていましてね。どうしようもない奴だ。」
ユリカ「そんな・・・あの「シャアの反乱」で訓練も受けていないのにMSを一機撃墜したらしいじゃないですか。」
ブライト「まぐれ・・・と言いたいところですが戦場はそういうもんじゃないですからね。親バカかもしれませんが・・NTなのかもしれませんね。」
ユリカ「にゅーたいぷ・・・ですか。」

姫子「ベッキーもニュータイプじゃないのかな~?」
ベッキー「天才だからってニュータイプって訳じゃないんだぞ。」
玲「話の腰を折るな、姫子。」

ハサウェイはマフティー・ナビーユ・エリンでは無く、あくまでハサウェイ・ノアとして乗り込む事になっていた。
マフティーは銃殺になった事になっていて、ハサウェイは連邦の新米MSパイロットという事になっていた。
ひとえに、コウイチロウや今のどうしようも無い連邦高官に反感を持つ高官が尽力したのである。
ハサウェイのMS操縦技術はすごい物であったし、Ξもハサウェイに使わせた方がいいと判断したのである。
もっとも、この事実を知っているのはその高官達だけである。

レーン・エイムはΞの前でボーっとΞを見上げていた。
あれほどまでに自分を苦しめたMSがこうして力無くうなだれているのを見ると、なんだか空虚になった、

ブライト「ほぅ・・・確かにこれはガンダムだな・・・。」
レーン「ガンダム・・・ですか。力無く倒れているのに・・・。」
ブライト「ガンダムの最後はいつもそんなものだよ。頭が取れたりバラバラになったりね。」
レーン「・・・そうですか。」

ガンダムモドキと言っていたMSをガンダムを間近で見ていた人間にガンダムと言われれば何も言えない。

ペーネロペーに戻り、コックピットに座っているともう一度あれと戦ってみたい気もした・・・・。


-ナデシコ-

「~~♪~~~~♪」
アキト「あれ?何見てるの?」
豪「あれ?知らないの?今大人気の歌手「フルムーン」だぞ?」
烈「かなりの人気なんですよ。軍のイメージキャラクターとかにもなってて。」
アキト「ふーん・・・。上手いなぁ・・・。」
ルリ「その人でしたら今度ナデシコに来ますよ?」
烈「ええええっ!?」
豪「まじでかっ!」
ルリ「世界を助けて回ってるナデシコに一回来て見たい、とかで。」
アキト「それで今度の行き先は日本なのか・・・。」
豪「俺・・・ナデシコに乗っててよかったよ。兄貴。」
烈「だな・・・。」


-日本 某県-
タクト「ったく・・・。おめーは何考えてやがんだ本当に。」
めろこ「自分から戦艦に行くなんて・・・。」
満月「でも・・・戦いで疲れてる人たちを癒してあげたくて・・・。」
タクト「それにしたって・・・。まぁ今更言った所で聞かねーか・・・。」
みそらーめんの二人はため息をつくばかりであった。


-木星-

月臣「なにぃ?おまえ、正気か?」
白鳥「ああ。勿論だ。」
月臣「悪の地球人と平和条約を結ぶなど・・・ありえん!」
白鳥「おまえは知らないんだ。地球人の優しさを。」
月臣「っ・・・。地球人の女に惑わされたか、白鳥!我等の理想の女性は・・・ナナコさんではなかったのか!」
白鳥「月臣・・・だがナナコさんは二次元の女性だぁっ!」
月臣「なぁぁっ!き・・・きさまぁぁ!」


そんなやりとりがあったとは露知らず、ナデシコは日本へ向かっていた。

ユリカ「はぅ・・・。眠いですねぇ・・・。」
ルリ「アキトさんとがんばったんですか?」
アキト「な・・・何言ってんだよルリちゃんっ!」
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