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その13

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匿名ユーザー

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( ^ω^)「ついに・・きたお・・・・」
病院の玄関に、ブーンはいた
その隣には、毒男、ショボン、長岡、やまじゅんもいた
やまじゅん「とてつもなく、辛いけど、がんばってくれ」
心配そうに言うやまじゅんに、大丈夫と一声
('A`)「何てったってオレらがいるからな」
(´・ω・`)「そうですよ、安心してください」
頼もしいな、と、少し笑った感じの声でやまじゅんは言った
長岡「それじゃあ、行ってきますね」
やまじゅん「あぁ・・・気をつけてな・・・・・」

そして、ブーンたちは歩き出した――

('A`)「ところでよぉー、長岡さん」
   「オレらってよぉー、付き添いって何をすればいいんだ?」
毒男はたずねた
よくよく考えれば、確かにそうだ
ショボンも、そー言えば、と呟いた
長岡は、そうね・・・と

長岡「ただ、見守ってあげるだけでいいのよ」

   「知ってる?知らない人が励ますよりも」

   「スッゴイ親しい人が近くにいるってだけで、人はスゴイ強い気持ちになるのよ」

笑いながら、長岡はそう言った
毒男も、ショボンも、軽くうなった
おそらく、わからなかったのだろう

ただ、ブーンだけはやけに納得している様子だった

ブーンは、二人がいるだけで、かなり安心した様子だった

――――受け入れた不安も、消えたみたいだ

そんな風に感じるくらい、心が軽かった
( ^ω^)「もうそろそろ、歩道かお?」
結構な距離を歩いたな、と、ブーンが思いながらたずねた
長岡「いや、まだよ」
   「でも、もうすぐ歩道に着くわ」
と、長岡が言ったのを聞いて、少し驚いた気持ちになった
が、大きな病院なのだな、と、納得した


しかし、病院の玄関から、歩道までの距離は、たったの10mあるかないかくらいだった

長岡「ついたわ、歩道に」
――――スゴク、長い道を歩いた気がする

そう、ブーンが感じたのも、無理はなかった
人間は、目で見て距離感覚をつかむ
それなのに、目で見ることができない
今、彼はたった数mでも、長い距離に感じるだろう
それに、彼は気づいてないかもしれないが
やはり、歩くのに慣れたと言っても、多少の恐怖心はある
そこで、どうしても歩幅が、狭くなってしまうのだ

(;^ω^)「やっとかお・・・・・」
歩道に着いたとき、ブーンは肩で息をしていた
('A`)「おいおい・・・疲れすぎだぜ・・・・・大丈夫かよ・・・・・・」
(´・ω・`)「まぁ、ずっと病院内にいて、こんな長い距離歩いたのが久しぶりだから、仕方ないよね」
二人は、ここまで来るのに時間がかかった理由を、ちゃんと知っていた

長岡「それじゃあ、近くにいるから、歩いていいわよ」
とりあえず、このリハビリは軽く好きに歩かせる
と、いった感じで、ある程度、普通の道を歩くのになれてもらうのが、目的だ
( ^ω^)「わかったお」
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
しかし、動けない
足が、軽く震えていた
(;^ω^)「・・・・・」
―――――どう・・・しよう
――――こわくて・・・歩けない・・・・・・・

そんなとき

(´・ω・`)「焦らなくても、いいんだよ?」

ショボンの声が聞こえた

('A`)「あぁ、病院側は、2時間とか言ってるみてーだけど、オレらは何時間でも付き合ってやるよ」
毒男も、続いて言う
長岡「実際に・・初めてのリハビリなのに、時間制限を」
   「しかも、二時間は短いわ、歩き出すのに、とても勇気のいることなのに・・・」
だから、わたしも付き合ってあげるわ
と、長岡も、続いた

三人の心が、どれだけブーンの心を軽くしたか
どれだけ、ブーンを楽にしたか
( ^ω^)「ありがとうだお」


そういって、ブーンは歩き始めた

どうやら、ここは人の通りも、車の通りも少ないらしい
聞こえる音は、ブーンの足音と杖の音、
毒男、ショボン、長岡の足音、
あとは、ほんとに二つくらいの足音
なので、意外とスイスイ進むことができた
壁際に寄り、杖を動かして、壁に当たらないように注意する
そして、電信柱なども、杖が先に当たって、よけることができる
('A`)「なんだ、思ったより簡単そうじゃねーか」
毒男が、ポツリと言う
(;^ω^)「そんなことないお、コレで結構、神経使ってんだお・・・」
ブーンは、すこし汗をかいていた
長岡「・・・でも、まだここはいいわ・・・」
しばらくすると、車の走る音が聞こえてくる
そして、人の声がざわめいて聞こえる音も

長岡「問題は・・・この人通りの多い道から・・・・・」

ブーンの頭の中に、不安、の二文字が、またのしかかってきた

(;^ω^)「・・・・・・」
重くのしかかってくる、不安、恐怖
目の見えないブーンにとって、どれくらい人がいるのかわからない
ただ、そのブーンにとって今頼りになるのは、聴覚と、触覚
その聴覚が、コレだけの人数の話す声によって、意味のないものにさえ、思えてくる
あと、残ったのは、触覚
だが、人をむやみに触るわけにも行かない

――――どうしようも、ない・・・・・・・

('A`)「おい・・・ブーン・・・・・?」
たまらず、毒男はブーンに声をかけた
・・・その声は、軽いパニック状態になっているブーンには、聞こえない


                彼は、暗闇の中で、近くにある光にも気が付かず、立ち尽くしていた

(;'A`)「だめだ・・・コイツ・・・・・聞こえちゃイネぇ・・・・・」
毒男は、呟いた
(;´・ω・`)「ど、どうしたんだよ・・・ブーン・・・・・・」
ショボンは、言いながら手を伸ばす
そして、ブーンの肩に手をかけた

バシィ!

(;^ω^)「うあ、うあああああ!触るなお!だ、誰だお!お前!!!」

ブーンは、ショボンの手を払いのけた

どれか一つの感覚が使えなくなると、他の感覚が鋭くなる
彼は、失明によって他の感覚が鋭くなっている

さらに、人々のざわめきによって、軽いパニック状態に陥った彼の鋭くなっている聴覚は
ほとんど聞こえていないに等しい

そのせいで、さらに感覚が鋭くなった
そして、些細な事でも過敏に反応するようになってしまった

(´・ω・`)「え・・・・?」
手を、払いのけられたショボンは、とてつもなく驚いていた
(;^ω^)「おお、おおおおお、お前は誰だお!!答えるお!!!!」
軽いパニック状態が、ブーンの暗闇を、さらに、さらに暗くする
フゥ、フゥ、と、荒い息を立てているブーンに対して、ショボンは落ち着いて
(´・ω・`)「ボクはショボンだよ、ブーン、キミのよく知ってるショボンさ」
幼い子供を、落ち着かせるように言う
(;^ω^)「ほん、ほん、ホントにショボンかお!?」
興奮してるようだが、さっきよりかは、まともになった
きちんと、話を聞いている
(´・ω・`)「そうだよ、だから落ち着いて、ね?」
もしも、この時にブーンがパニック状態でなければ、それで済んだだろう

しかし、今のブーンは・・・

(;^ω^)「じゃあ、じゃあ、証拠を見せるお!」
え?と、ショボンの顔が曇る

証拠―――目の見えないものにどのようにして示せば・・・・・

ショボンは、黙っていた

( ^ω^)「・・・どーして・・だまるお・・・・・」
ブーンの肩が、小刻みに震える
(#^ω^)「証拠も見せられないのかお!?」
それとも、と、ブーンが一度だけ、強く足踏みをする


(#^ω^)「僕の目が見えないからって!バカにしてるのかお!!」


暗闇の中にいる、彼の足元から、黒い、影のような手がでてくる

その手は、彼の足首を掴み、強い力で引っ張り続ける


深い、深い、深い・・・・・暗い闇の底へ・・・・・・・
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