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その11

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匿名ユーザー

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( ^ω^)「・・・・・」
ブーンは、ベッドの上で考え込んでいた

(;^ω^)「だ、誰を誘おうかお・・・」

呼べるのは、二人だけ
一人だけ、と言うなら、迷うことなく、ツンを選んだだろう
しかし、二人、選ぶことができる

(;^ω^)「困ったお・・・」
ツンは、呼ばないと機嫌を損ねてしまう
おそらく毒男も、ショボンもそうだろう
(;^ω^)「うーん・・・うーん・・・」

とりあえず、ブーンは全員に電話をしてみて、予定を聞いて見ることにした

( ^ω^)「一度、みんなに電話してから、決めるって・・できるかお?」
ブーンは、長岡を呼び、尋ねてみた
長岡「ええ、可能よ」
少し、笑った感じの声で、答えた
( ^ω^)「じゃあ、めんどくさいだろうけど・・お願いしますお」
ブーンが番号をい、長岡が言われたとおりの番号を、プッシュしていく

とぅるるるるるるる

3コール目くらいで、声が聞こえた

ツン「もしもし?ぶーん?」

最初にかけたのは、ツンだった

何か、あったときのため、ブーンは、みんなに病院の番号を伝えておいた
( ^ω^)「あ、ツン、ちょっと質問があるんだお」
      「来週の、火曜日はヒマかお?」
受話器から、うーん・・・という考えている声が聞こえる
ツン「ちょっと、ヒマじゃないかも・・・・」
  「来週はおばあちゃんの家に行って、火曜日は帰ってくる日なのよね・・・」
だから、ヒマじゃないかなァ・・・、と、申し訳なさそうなツンの声が聞こえる
( ^ω^)「そうかお・・」
ツン「ゴメンね・・、そっちで、何かあったの?」
いや、別に、といい、リハビリのことを説明した
ツン「え?なんならアタシ、こっちに残って手伝おうか?」
  「あ、べ、べ、べ、別にアンタが心配なんじゃなくてね!?」
  「長岡さんがアンタみたいなバカといたら疲れるだろうからー、っと思ってよ?」

ブーンは、その申し出を断った

( ^ω^)「おばあちゃんは・・きっとツンと会いたいと思ってるお」
      「人は、いついなくなってしまうか・・いつその人が見えなくなってしまうか、わからないお・・・」
だから、おばあちゃんに会ってきて欲しいお、と、ブーンは笑った
受話器の向こうにいるツンには、見えないが、とてもやわらかい、やさしい笑顔だった
ブーンの言葉は、ツンの心に沈んだ

ブーンは、光を失ってしまった
もう、顔を見たいと思っても、見えない
だから、ブーンは、そんな言葉が言えた
もしかしたら、ブーンは自分自身に後悔をしながら言ったのかもしれない

もっと、ツンや、みんなの顔を、自分の世界を、よく見ておけばよかった・・・

という、後悔をしながら――――

ツン「そーね・・・・あ、別にアンタの言葉のおかげじゃないのよ!?」
  「・・・ただ、おばあちゃんに会いたくなっただけなんだからね!勘違いしないでよ?」
その後に、すぐ、でも・・・、と

ツン「ありがとうね・・・」

と、付け足した
彼女の純粋な感謝の気持ちは、今度は、ブーンの心に沈んだ

ツン「じゃあ、リハビリ頑張んなさいよ」
  「あ、長岡さんに苦労をかけないために、って意味で言ったんだからね!?」
それじゃあね、と、ツンは電話を切った

電話が終わったあと、あまりにも変わらないツンに、クスクスと、ブーンは笑った

やっぱり、彼女も、ブーンも、幸せ者で、どこか似ていて、お似合いの二人だと、長岡はクスリと笑う

長岡「さて、と・・・かけるんでしょ?あの二人にも」
一度、うなづいた後、ブーンは電話番号を言っていく
長岡の打つプッシュ音が、聞こえる

とぅるるるるるるる

('A`)「あーい、もしもしー?」

やる気のない、毒男の声が受話器から聞こえる
( ^ω^)「毒男かお?少し聞きたいことがあるお」
来週の・・・と、言ったところで
('A`)「っつーかよー、今、オレもショボンもそっちに向かってる途中だからよ」
    「その話は着いてから頼むよ、そんじゃ」
(;^ω^)「ちょwwwwwww毒・・・」

ガチャ

ツー・・ツー・・ツー・・ツー・・・・

部屋に、空しく『ツー・・』の音が響く

長岡「・・・切られたの・・?」
うん、と、苦笑いをしてブーンは答える
(;^ω^)「毒男も・・・・変わってないお・・・・・・」
フッ、と、軽く長岡に笑われた
それが、毒男に向けてか、人のいいブーンに向けてかは、わからない
さて、一息ついて、長岡が喋る
長岡「もう、電話はかけなくていいの?」
( ^ω^)「いいお、ショボンは毒男と一緒にこっちに向かってるらしいし」
長岡は、そう、と、一言
しかし・・・

(;^ω^)「来るまで・・・・どうするかお・・・・・・・」

長岡は、あ、と、何かを思い出したような声を出した
ガサガサと、物音が聞こえる
( ^ω^)「?」
フフフ、と言った感じの、笑い声を出し
長岡「久しぶりにコレ、やってみない?」
と、ブーンに手渡した
ガシャガシャと、音がなる
( ^ω^)「・・・コレ・・・・・」
思えば、これから始まった
長岡「懐かしい?あの時、課題として出したパズルよ」
すっかり忘れてたけど・・・、と付け足した

長岡「課題なのに、見せてもらって無かったわね」
   「今からやって、見せてくれない?」

( ^ω^)「なんだ、そんなことかお」
簡単簡単、と、パズルを手に取った
長岡「それじゃ、二分以内に、全部その箱の中に入れてね」
始め!と、言ったと同時に、パン、と、手を叩く

ガシャガシャと、プラスチックとプラスチックが当たる音が部屋に響く

ガッ・・・・ガッ・・カタン・・・ガッ・・・・ガッガッ・・・・ガッ・・カタ
なかなかのペースで、パズルを入れていく
(;^ω^)「ぬ・・・・ぬるぽぉ・・・・・・」
・・・ガッ・・・・・ガッ・・・・・・・カタン
長岡「一分経過、あと少しじゃない!頑張って!!」
ガッガッ・・・・・ガッ・・ガッ・・・・・カタン・・カタン・・・・

一分と、少しでブーンは完成させて見せた

長岡「す、スゴイスゴイ!!早いじゃない!」
キャーキャーと、声を上げていた
(;^ω^)「じ・・・自分でも驚いてるお・・・」
長岡「うん、課題は合格ね!おめでとう!!」
そういって、ガシャガシャとパズルをしまった
そのことで長岡とブーンが話してると、ドアが開いた
うーっす、と、やる気の無い声と
やぁ、と、頼りない声が聞こえた

('A`)「調子はどうだ?久しぶりに着たぞ」

(´・ω・`)「久しぶり、その様子だと、元気そうだね」

( ^ω^)「毒男!ショボン!」
毒男とショボンが来た
ブーンは、杖を持ち、ヨイショと、立ち上がる
その顔は、笑顔で満ち溢れていた

少し、小走りで自分たちの下に来たブーンを見て
二人は驚いた
('A`)「お前・・・少し走って・・・・」
(´・ω・`)「スゴイじゃないか!ブーン!!」
ヘヘッ、と、無邪気に、少し笑う
(´・ω・`)「今日は、ブーンの様子を見に来ただけだったけど、大丈夫そうだね」
('A`)「そーだな」
    「あ、そうそう、さっきの電話はなんだったんだ?」
あぁ、と、ブーンは話した
( ^ω^)「来週の、火曜日はヒマかお?」
毒男は、オレに予定なんてあるわけねーだろ、と、毒づいた
ショボンも、ヒマだよ、と、やさしく答える

( ^ω^)「来週の火曜日に、新しいリハビリをやるんだお」
      「それで、付添いを二人呼べるから、二人に頼みたいんだお」

('A`)「新しい・・リハビリ?」
(´・ω・`)「僕たちの協力が必要ってことは・・・難しいの?それ」
ショボンは、少し心配そうに尋ねてきた
長岡「・・・内藤さん・・・ちょっとその二人借りていってもいいかしら?」
と、ここで長岡が話に加わってきた
( ^ω^)「かまわないお」
ありがとう、と、長岡は言って、二人を部屋の外まで連れて行った

( ^ω^)「・・・・・」

ブーンは、少し不安になっていた

――――心を落ち着かせるのに、ちょうどいいかな・・

―――――多分、今回のリハビリは、今までのものとは比べ物にならないほど、キツイ
長岡「まず、二人に言っておくけど、今回のリハビリは今までとは比にならないほど、ツライわ」

ブーンにもわかっていた

――――今まで、歩くのも辛かった・・それが、今度は、動く障害物付き、さらに、道までわからない
長岡「まず、一般人や、車、犬、信号などの障害物、さらに、道も・・・見えないわ・・

今まで以上に辛いことが

―――それでも・・あの二人はついてくるだろう・・・・
長岡「で、あなたたちはどうするの・・・?それでもついてくる・・・・?」

ブーンは、今まで以上に不安で、押し潰されてしまいそうだった

('A`)「・・・・・」
(´・ω・`)「・・・・・」
二人は、黙っていた
――――やっぱり・・・
そんなことを言われて、ついてくるとは、長岡には思えなかった
が、ここで毒男が口を開く
('A`)「なるほどな・・・ようは、ブーンは一人じゃ辛いんだな・・・?」
長岡「ええ・・・まぁ、そーゆうことね・・・・・」
ふぅ、と、溜息をショボンがついた

(´・ω・`)「なんだ、それじゃあ、僕らが断る理由なんてないじゃないか」

長岡「・・・・・え?」

('A`)「なんて声出してんだ・・・wwオレらはアイツに必要とされてるんだろ?あいつは、オレらの親友だろ?」

    「あっちはどーかしらねーけどよ、少なくともオレらはそう思ってる」

    「で、その親友が、一人でつらい思いをしてて、助けを求めてんだろ?」

(´・ω・`)「それなら、助けないわけが無いじゃないか」

毒男とショボンは、顔を合わせて笑いあった

――――なんで・・・?

毒音とショボンにとっては、当たり前のことをしたまで
しかし、それが長岡には理解できなかった

―――あぁ、でも・・・

クスリと笑い、気づいた

――彼の人柄なら、当然かもしれない

長岡「それじゃあ、アナタたちは付き添うのね?」
('A`)「あぁ、マンドクセーけど、ブーンのためだ、やってやる」
(´・ω・`)「僕も行くよ、彼のためにね」

( ^ω^)「・・・・・」
廊下で話してたから、ブーンには筒抜けだった
( ^ω^)「毒男・・・・・ショボン・・・・・・」
――――ボクは・・・・・
―――ボクは・・・強くならなきゃ・・・・・・
――あの二人や、ツンに、心配させないくらい、強く強く・・・・・・
ブーンは、心の中で、そう思った
長岡「ゴメンね、遅くなって」
ドアが開いて、長岡は言った
( ^ω^)「かまわないお」

長岡の後ろにいる、二人を見て、ブーンは少し恥ずかしそうに微笑んだ

長岡「それじゃあ、わたしはこれで失礼するわね」
ごゆっくり~、と、出て行った
そーいや、と、
(’A`)「お前、ツンは誘わなかったのか?」
( ^ω^)「まさか、誘ったお」
      「でも、おばあちゃんの家に行くから、今回は来れなかったお」
そっか、と、毒男は答える
(´・ω・`)「ブーンは・・・」
心配そうにショボンは聞いてきた
ん?と、ブーンは聞き返す

(´・ω・`)「ブーンは・・恐くないの?不安じゃないの・・・?」

小さな声で、ショボンは言った

( ^ω^)「・・・恐くない、不安じゃないと言ったら、うそになるお」

      「でも、ボクには毒男やショボンが付いてくれてるお」

それだけで、強くなろうって気に成れるんだお、と、笑いながら答えた
そんなブーンを見て、毒男も、ショボンも、ブーンのことを、尊敬した

こんなに心の強い人が、いるんだ、と

それから、しばらく話をして毒男とショボンは帰っていった

その帰り道―――
('A`)「なぁ・・ショボン・・」
ショボンは、何?と、毒男を見た
('A`)「オレよぉ・・まじめに大学を出ようと思うんだ・・・・・」
(´・ω・`)「本当かい!?毒男!!」
あぁ、と、毒男は一言だけ、答えた

('A`)「失明していても・・精一杯いきてやろうってヤツがいるんだ」

    「オレだって・・精一杯生きないと・・アイツや、他のヤツにも、失礼ってもんだ・・・・」

それに・・・と、付け加える
('A`)「大学卒業して、早く就職して、カーチャンを安心させてあげようと思って」
ショボンは、黙っていた
そして
(´・ω・`)「卒業後・・いざとなったら、ボクのお父さんの会社にきなよ」
      「いくらでも、こき使ってあげるからwwwwwwww」

バカいうな、と笑いながら、二人は歩いていく

二人は、オレンジのような夕日を浴びて、解けたチョコレートのような陰を伸ばしていく
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