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その9

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匿名ユーザー

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そんなことをした後、ブーンとジョルジュはまじめに点字の訓練を始めた
しばらく、集中してやっていると後ろから声が聞こえた
??「あんたたちさぁ・・・まじめにやっててアホ臭くない?」
聞きなれない、けど、若い声がした
( ゚∀゚)「・・・・ブーン・・かまうなよ・・・」
ジョルジュは少し厳しい声でブーンに言った
―――なんなんだ・・?
ブーンは疑問に思ったが、従うことにした
??「なんだよ、無視すんなよ、寂しいじゃねーか」
聞きなれない声の男が言った
ジョルジュは相変わらず話しかけてくる相手にイライラしてるようだ
さっきから貧乏ゆすりの音が聞こえる
??「なんなんだよ、あんたら、必死になって」
   「どぉーせよぉー・・・」

と、言ったところで、ジョルジュは思い切り立ち上がった


ガタンっ!

一瞬にして、部屋の音が止まった
そしてすぐに、また話だした
ここではよくあることだからだ
(#゚∀゚)「さっきからテメーはウッセぇンだよぉー!荒巻ィ!!!」
/;3「なんだ、やっと話す気になったか」
荒巻と呼ばれた男は、非常に無気力な
全てに関して諦めたような喋り方だった
(#゚∀゚)「あぁ?どーせまたいつもと同じようなこと言ってくんだろ!?」
     「うんざりなんだよ!お前はいつもいつもいつもよぉー!!」
―――いつも・・・
どうやら荒巻は、いつもジョルジュに絡んでくるらしい
ブーンは、ジョルジュのいつもとは違う態度に、少し恐がっていた
(;^ω^)「ジョルジュ、落ち着くお」

フゥ、フゥ、と、獣のような荒い息をして、ジョルジュは少し落ち着く
(#;゚∀゚)「あ、あぁ・・悪いな・・ブーン・・・・」
ジョルジュは座りなおし、机に向かう
貧乏ゆすりは収まらない
/;3「まったく、冷静さに欠ける男だね、ジョルジュは」
ここでまた、ジョルジュは貧乏ゆすりを激しくする
――――今度は、ボクも我慢の限界だ
ブーンは心の中で気づいた
/;3「ところで、さぁ、さっきの話なんだけど」

プチン

ブーンは、自分の中で堪忍袋の尾が切れたのがわかった


(#^ω^)「あぁ?」

(#^ω^)「さっきからなんなんだお?お前」
ジョルジュからは、貧乏ゆすりの音が聞こえなくなった
荒巻からは、え?、と少し驚いた声だけがした
(#^ω^)「なんなんだお?って聞いてるんだお、さっさと答えるお」
荒巻は、へっ、と少し笑ってから
/;3「別に、あんたにオレの話を聞いて欲しいだけだよ」
別になんてことはない、と言った感じで、答えた
(#^ω^)「話を聞けば、消えるのかお?」
/;3「あぁ、消えてやるよ、オレの話を聞いてくれれば、だけどさ」
ブーンはさっさと聞いて、荒巻に消えて欲しかった
(;゚∀゚)「ちょ、ブーン・・」

(#^ω^)「それなら、さっさと話すお」

荒巻は、してやったり、と言ったような顔をした

荒巻は話始めた
/;3「まず、オレなんだけどさ、オレは生まれたときから、目が見えづらかった」
   「そして、それは、どんどん悪化してった・・」
だんだん荒巻の声のトーンは落ちていく
/;3「で、コレは関係ないんだけど、オレは高校受験に落ちた」
  「それから、さらに目は悪化して行く、バイトを始めようとした」
  「が、どこも目が悪いってだけで、どこも取ってはくれない、オレは現実を見た」
さらに声のトーンは落ちていき、怒りに、震えているようだった
/;3「だが、たった、目が悪いってだけで、だ」
  「それ以外は、なんともないッ!ごく普通の高校生だった!」
  「そんな社会に嫌気が差して、オレは働く気さえも失せた」
いわゆる、ニートってヤツさ、と、自分を嘲笑したように言った
声は、さっきのようにだんだんと、無気力になって行く
/;3「そして、一年経ち、さすがにヤバイと思い、親に話した」
   「それから、ここに来た、それが、一年前だな・・・」
やっと話は終わった、と思った

/;3「さて、ここからがオレの話したいことだ」

まだか、と、ブーンは思ってきた
/;3「アンタたちさぁ、何で頑張ってんの?」
小さく、え?、とブーンは言った
/;3「いや、質問に答えて欲しいな」
  「何で、このリハビリをがんばってんの?」
ブーンにはこの質問の意味がわからなかった
――――何で・・・頑張ってるか・・・・・?
( ^ω^)「・・ボクを待ってる友達がいるから、そのために・・・外に出るために」
      「そして外に出たときに、苦労しないためにだお・・・」
フッ、と笑い、荒巻は言った

/;3「気楽だねwそいつらがさぁ・・・」

  「あんたのこと裏切んないって保証はあんの?」

( ^ω^)「え・・?」

/;3「目が見えないってだけで、仕事すらくれない世の中だぜ?」
  「それは・・・何も言わずにオレらのことをバカにしてるんだ」
また、声が震え始めた、そして、だんだんとボリュームも大きくなる
/;3「目が見えなければ、使えないと思ってやがるんだ・・・ッ!」
  「そんな社会にずっと生きてるヤツらだ・・」
  「オレらには不便なことが多すぎるとわかったら、どーせすぐに見捨てるさ」
ふぅ、と息をつき、話を一度区切る
/;3「そーするとどーだ?親身になって助けてくれる人が消えちまう」
  「そのうえ、この世なんかいいヤツばっかじゃない」
  「オレらのことを助けてくれるかわかんない世の中に生きるくらいなら」
と、タメを作ってから

/;3「ずっと適当にリハビリをして、ここにいた方がいい」

  「それに、リハビリをしたって、目が見えるようになるわけじゃないんだから」

  「なら、努力しないで、適当にここにいる方が、いいに決まってる」

ブーンたちは話が終わるまで、黙っていた
荒巻が話終わって、少しして、ブーンは口を開いた
( ^ω^)「・・・話は、それだけかお?」
冷たく、荒巻に向けて、言い放った
ジョルジュも、荒巻も、何も言わなかったが
荒巻が驚いているのは、なんとなくわかった
( ^ω^)「さっきの話を聞いてる限り、お前はボクの二個下かそんくらいだお」
ブーンから、スゥ、と、息を吸う音が聞こえた
(#^ω^)「ボクよりも、ジョルジュよりも、生きてないくせに・・・」
      「ボクらにもわかってない社会を自分が見た一部分だけで」


(#^ω^)「わかったような口叩くなお!」


(;゚∀゚) /;3「な・・」
荒巻も、ジョルジュも、間の抜けた声を出した

(#^ω^)「それと、ツンや毒男、ショボンのことを次なんか悪く言ったら、」

      「いくらボクでも、ぶっ飛ばすお」

ブーンは、怒りに任せて喋っていた
自分の大切な友達や、ツンのことを
友達や、ツンのいる世界をバカにされたことで
この間の怒りとは別の、怒りがブーンの中に芽生えた
/;3「なんなんだよ・・あんた・・・」
  「もーいいや、せいぜい頑張ってろよ・・・」
そう言うと、荒巻から足音が聞こえた
( ^ω^)「待つお、最後に荒巻に言いたいことがあるお」
ちッ、と、荒巻から舌打ちが聞こえると、荒巻から、足音は止まった
( ^ω^)「もしも、お前がきちんとリハビリを受けて、外に出る気になって」
      「それでも不安だったら・・・ボクらのところへ来いお」
      「そしたら、光を分けてやるお」

/;3「・・・・・・なんなんだよぉ、アンタ・・」
  「もういい、オレは行くよ・・・」
荒巻から、また足音が聞こえ始めた

今度はどんどんどんどん遠ざかってく

荒巻が歩いていると、一人の看護師が近づいてきた
おそらく、彼の担当医だろう
??「荒巻・・・」
あぁ、と荒巻は一言
/;3「中川か・・・」
中川と呼ばれた、看護師は心配そうにしてた
中川「また、全部社会のせいにして・・リハビリを抜け出して逃げるの・・・・?」
悲しそうな声で、荒巻に尋ねる
/;3「なぁ・・中川ぁ・・・・もしよぉ、オレが・・・・オレがまじめにリハビリ受けて・・外に出る気になったらよぉ・・・」


  「お前、オレの光になってくれるか・・?」
ビックリした顔、しかし、すぐそのあとに笑った顔になった中川は
喜んで、と、一言答えた

少し、声は震えていた

( ゚∀゚)「ブーン・・・・」
荒巻が出て行ったドアを、ジョルジュとブーンはしばらく見ていた
ブーンは少し、気合を入れなおし
( ^ω^)「さて、ジョルジュ、勉強の続きをやるお」
     「ジョルジュは究極のおっぱいを探すためにwww」
笑いながら、ブーンは言った
( ゚∀゚)「おぉ!そうだな!よし、やるか!!おっぱい!おっぱい!」

二人は、このあといつもどおり勉強した



――――荒巻は、久しぶりに部屋で軽いリハビリをした
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