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その7

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匿名ユーザー

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ツンは、強い
そうずっと思っていた
――――そんなわけなかった
ツンは普段は強がっていても
―――実際には強くもなんともない、ただの女の子だ
強くない、弱いから
――逆に逆に強く見せようと強がってしまう

そんな時、長岡の声が廊下から聞こえた
どうしたの!?と、聞く長岡に対して・・・・

ツンの声は聞こえない

また、長岡の声だ
ホントに大丈夫!?と、聞き返している
――――あぁ、お前の声じゃなく、ツンの声を聞かせてくれ
心の中で、ブーンはつぶやいた
いや、今はどんな言葉も、口に出せなかった
ちょっと待っててね、と、また、長岡の声だ
―――お前の声はいらないって言ってんだろ
心の中で毒づき、舌打ちも、心の中でする
舌打ちすら、今のブーンにはできなかった

ドタドタと、走ってくる音が聞こえる

長岡「アナタ!彼女に何したの!?」
スゴイ怒っている声が部屋中に響いた
長岡「彼女はアナタの大切な人じゃなかったの?彼女に何をしたの!?」
二度、同じことを言ってきた
長岡「アナタは、彼女のためにこれから頑張ろうとしていたんじゃないの!?」
   「強い決意?早くリハビリがしたい?アナタの大切な人を、アナタを大切に思ってる人を!」
スゥ、と一息おいて、長岡はブーンに自分の『本心』を叫んだ


長岡「あんなに彼女の心を壊して!何が大切な人なの!?」


長岡の怒りの風で、木の家が、少し傷みだした

ブーンは黙っていた
何も言えなかった
長岡の言ってることが最もすぎるからだ
長岡「アナタは『大切な人が自分に光をくれる』て、言ったわ」

―――( ^ω^)「その人はボクがこれから生きていくのに光をくれると言っていたお」

―――      「だからその人のために、ボクもいつまでも不安だとか言ってちゃダメなんだって思うお」

長岡「そんなアナタが、アナタが・・・」
その声は震えていて、今にも泣き出しそうだった


長岡「彼女の心から光を奪っておいて・・・何が・・・ッ!」


      木の家の、ドアと、数箇所が壊れた

長岡のすすり泣く声が聞こえ始めた
――――――やっぱり、怒りは、苦しませるだけだ
長岡のすすり泣く声が聞こえたとき、ブーンはそう思った
そして、『本心』に、決意が生まれた
―『本心』は立ち上がった
ブーンは、ベッドから降り、壁に手をつきながら歩き始めた
―『本心』は、決意に感謝した
ブーンは長岡に、ありがとう、と一言、言った
―ドアの壊れた木の家から、『本心』は飛び出した
さっきからドアが開きっぱなし病室から、ブーンは出てきた
―『本心』は叫んだ
ブーンは、心にあるただ一つの言葉を叫んだ


( ^ω^)「ツン!!」

おそらく、今この廊下に人はいない
足音ひとつ、聞こえない
聞こえたのは、かすかに、ほんの小さな声

ツンがブーンに向けてつぶやいた、え?、と言う声だけだった

ブーンは耳に残ったその声を頼りに、音のした方へ
ブーンに今できる、精一杯の速さでツンの元へ向かった

少し進むと、ヒザに何か当たると、同時に、ツンの声が聞こえた

ツン「モルスァ・・・」

(;^ω^)「つ、ツン!!」
一般人から見れば、ゆっくりだったが、ツンのいる位置へはその速さで十分だった


ツンのいるところで、ツンと同じように、ツンと一緒にブーンも座った

ツンの肩、正確には、肩と思われる場所を、ブーンは掴んだ
( ^ω^)「ツン・・・スマンお・・・」
ツンは、何も言わなかった
ただ、すすり泣く声だけが聞こえる
( ^ω^)「ボクは・・不安で不安で、仕方なかった」
      「それを、ツンに見られたら、心配させてしまうと思ったんだお」
ツンの方を掴むブーンの手に、力が入る
( ^ω^)「それで、ボクは思わず強がってしまったんだお・・・」
      「心配をさせてしまうと、離れていってしまうと思ったから・・・・」
ブーンは少しずつ、うつむきだす
( ^ω^)「でも、ツンには、それが・・・強がっていたのがばれてしまったお・・・」
      「だから、思わず、また、強がって、あんな心にもないことを言ってしまったんだお・・」
ブーンの手が、震えだす
( ^ω^)「・・・・・・けど・・・けど・・・・・」


( ^ω^)「ツンを悲しませてしまうんだったら・・・強がりなんてしなければよかったお・・・・」


ツンの、ブーンの目から、一滴・・・・

次から次へと、溢れるように涙が流れてくる
( ;ω;)「ホントに・・・ホントにごめんお・・・」
      「ボクには・・・ツンが、必要なんだお・・・・・」
ブーンも、すすり泣き始めた
と、同時に、ツンを自分の方へ引き寄せた
( ;ω;)「ホントに・・・ごめんお・・・・・」
そのとき、嗚咽とともにツンが喋り始めた
ツン「あ・・・ヒック・・アンタ・・・バカじゃ・・・っ・・ない・・の・・・?」
  「心配なんか・・してないって・・・ヒッ・・ヒッグ・・・・言ったじゃない・・・・っうぐ・・」
かすかな、とても弱い声で
それでも、今のブーンになら聞き取れる
ツン「でも、でもね・・・ヒッ・・・あんなこと言われたら・・・・ッ・・・たとえアンタでも・・」
  「悲しいに決まってるじゃない・・・ひっぐ・・・」
  「これからは・・・・ッう、・・アタシのすることに・・文句言わない・・・でね・・・?」

( ;ω;)「言わないお・・・」

そこでワァッっとツンは泣き出した

ブーンも我慢できずに泣き出した

ワァワァと、二人とも大きな声で泣く
人は、一人も来なかったが、なぜだろうか?
それはわからないが、二人にとっては都合のいいことだった

大分長い時間泣いた後、ツンは口を開いた

ツン「さっきの・・・・痛かったから二倍返しね・・・?」
( ^ω^)「?」
ヒュン、と音を立てて何かが、ブーンに向けて飛んできた

バチィ

( ^ω^)「も、モル・・・」
逆側からもう一度、ヒュン、と、音が聞こえる

バチィン!

( ^ω^)「モルスァァァァァァァァァァァァァアァアアアアアアア!!!!!!」

ツンのビンタを、ブーンはモロに喰らった

ツン「あは、あははははははww」
叩いた本人は、爆笑していた
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