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その6

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匿名ユーザー

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点字は、細かく、小さい
さらに手、全体ではなく、指先で判断しなくてはいけない

( ^ω^)「訓練・・・リハビリを受けて・・なんとかなるのかお・・・?」

不安・・・

不安不安不安不安不安不安不安不安・・・・・

――――現実と言う不安が、不安で仕方ない
温度も、重さも、何もないはずなのに
冷たく、堅く、重たい・・・
不安と言う風が
強く強く、自分に吹いた気がした
小さな小さな火を持っている自分に・・・


そんなとき、病室のドアが開いた

( ^ω^)「・・・・?誰だお?こんな時間に・・」

ツン「なにそんなしょぼくれた顔してンの?」
  「あたしが着てあげたんだから、もっと嬉しそうにしなさいよ」

ホントは、嬉しいのだろう
声が、嬉しいのを押し殺してわざと不機嫌のようにしてるのが、わかる
ツン「それより、アンタそんな顔のままじゃ、ショボン見たくなっちゃうわよw」
そう、楽しそうに言った
意外な来訪者に、ブーンは声が出せないでいた
そんなことより、そんな顔をしてた自分を見られたことが恥ずかしかった
( ^ω^)「ツンかお?いきなり、どうしたんだお」
強がって平気なふりをして見せる
―――自分の情けない部分を見せれば、ツンに迷惑をかけてしまう
そう思って、強がって見せたのだ
ツン「んー?ヒマだから来た、じゃダメかしら?」
ガサガサと、音を立てながら答える

(;^ω^)「そ、そんな理由で病人の部屋に来るのもどうかと思うお・・・」

うるさい、と、一発ブーンの顔が、殴られる
ツン「何よ、人がせっかく心配して・・・・ないないないない、違う、間違えよ?今の!間違え!!」
  「っていうか、もうなんだっていいじゃない」
顔を真っ赤にさせるツンは
調子はどう?と笑ってたずねる
それを見て、ブーンはさらに強がった

―――心配させると、この笑顔はもう見られないかも知れない

( ^ω^)「別に大丈夫、心配ご無用だお」
笑いながらそう答えたとき
ツンの顔から笑いが消え、悲しそうな顔になった

ツン「アンタ・・何か無理してない?」

ブーンの表情が、一瞬硬くなった

(;^ω^)「無理なんか・・・してないお」

ずばり、その通りだ
無理はしている、今にも崩れそうなくらいなのに、強がっている

――――でもそれは・・ツンのため
―――ツンに心配をかけないため

ツン「そう・・・?それならいいけど・・・・・さっきからアンタの顔が・・・」

この先を言われてしまうと、ブーンは崩れてしまうかも知れない
安っぽい『強がり』というわらの家に閉じこもって、『本心』は怯えてる
『本心』は外に漏れないように声を押し殺して泣いている
それを吹き飛ばされて、『本心』が泣いているのを見られてしまうかも知れない

――――そうだ・・話題を変えれば・・・

( ^ω^)「・・・ツン」

ツン「頑張って笑っているようにしか見えなかったから・・・・」

――――あぁ、遅かった・・・

何?と、ツンがブーンの目を見たとき
ブーンの目はぬれていた

ツン「え・・?ブーン・・・」

( ^ω^)「もう・・無理だお・・・」
     「不安で不安で・・・仕方ないお・・・・」

わらの家が吹き飛ばされた『本心』は
どうしようもなく、ただ、泣く事しかできなかった

( ;ω;)「不安で不安で不安で・・・誰かを頼りにしたかったお・・」
      「それでも・・頼りにしたら迷惑をかけてしまうから・・・」
      「離れていってしまうかも知れないから・・・だから・・・」

『本心』は泣くのをやめた代わりに、涙を流すことを始めた

そのとき、『本心』は木の家を見つけた

入れば、余計苦しむことに、苦しませることになるのに、逃げ込んだ

ツン「ブーン・・・・」
木の家に逃げ込んだ『本心』は、涙を流すことをやめ、また『強がり』始めた

( ;ω;)「・・・・・そー言えば・・・・」

     「いつボクがツンに病院に来て欲しいなんて言ったお・・・?」

――――やってしまった

―――もう、どうしようもない

――もう、なんだっていーや

『本心』は、諦めた
その『強がり』は、人を傷付けるだけで何も解決しないのに

『怒り』なんて、苦しませることしかできないのに

ツンから、声が聞こえない
多分、唖然としているのだろう
( ^ω^)「そういえば、いつもそうだお」
     「ツンはボクが頼んでもいないのに、勝手にボクのことをやってるお」
ふぅ、と一息つく
木の家の中で、『本心』はアタフタしている
―――――違う違う違う違う違う地がうちオア具体阿智会う違う!!!!!!!
ここまででも、とんでもないのに、『本心』はさらにとんでもないことを言ってしまった

( ^ω^)「ヒマだから来たのかお?そうかお・・・・」


( ^ω^)「正直言って、迷惑なんだお」



――――あ ああ    あ ああああ ああああああああああ  ああああ   あ ああああああ ああ・・・・・・


自分への嫌悪感と吐き気、ツンへの好意と申し訳ない気持ち
それと、もうどうしようもないと言うことが、頭の中でぐるぐる回る

ぐるぐるぐるぐる・・・・・・

沈黙
―――やめてくれ・・・・
終わらない沈黙
―――いやだ、いやだ、いやだ・・・・
それを破る、大きな音
―――うあああ、、ああああああ、あ、あああああ・・・・・・・・

ガタン

その大きな音が鳴って、ツンの力なく、泣く音が聞こえる

ツン「そう・・・・そう・・だったの・・・・・・・」

  「ゴメンね・・・邪魔だった・・なら・・・・・・消えるね・・・・・・・」

  「その・・それじゃあ・・ね、ブーン・・・さよなら・・・・」

ガタガタと、音を立てながら、立ち上がる
一歩、一歩と歩く音が聞こえるたび、壁が、ズズズズズと鳴る

( ^ω^)「・・・あ」

今、ブーンが出せる、精一杯の音だった
もう遅かった
心にもないことでも、強がるために言ってしまった
何を言っても、もう遅い
ツンには、聞こえないだろう
ブーンも言い出せないだろう

ガラ・・・

ドアも閉めずに、ツンは出て行った

足音が、遠くなっていくのが、よく聞こえる

ブーンが最後に聞いたツンの音は、力ない足音だった
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