愛は眠らない

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イタリア系の凄腕の殺し屋レオン。彼がいつも愛飲するミルクは、彼の心が無垢なことを示している。彼の世話する植物への大きな愛情も、彼が愛を欠落した冷酷な殺し屋ではないことを証明している。彼が仕事の報酬はすべて元締のトニーに預けてあって、お金に頓着していないことも、決してお金のために殺人を行っているのではないことを示している。

果たしてレオンとは何者なのか?

もちろん彼は英雄などではない。

世間知らずの殺し屋。文盲で、友達もなく、孤独で、鉢に植えられた植物を愛し、趣味といえば映画観賞くらいだ。しかし、任務の遂行には少しの躊躇もない。

彼がなぜ殺し屋になったのかを、私たちは完全版を見て知る。そこにはオィディプスとは異なるが、それに類するアルカイックな悲劇が存在していた……恋人が彼女の父親に殺され、怒り狂ったレオンはその日のうちに彼女の父親を殺したのだった……。このために彼はイタリアからアメリカに逃げ渡り、トニーのところで働くようになったのだ。この殺人に、私たちは善悪の判断を下すことはできないだろう。それはアルカイックな事象で、それは始祖の原罪のように、私たちの一般的な善悪の枠組みを越えた超越的な原因のものだからだ。

いずれにしろ、イタリアの若者が殺人を犯して巨大な大西洋を渡った。そして彼は「掃除人」となる。

 レオンが職業としての殺人に少しのためらいも持っていないのを私たちは見る。彼は巧みにターゲットに忍び寄ってゆき、とどめを刺す。もっともそこにはルールがある。殺しのルールは「女でもない、子供でもない」者だけをターゲットとするというものだ。このルールを破る者として鋭く、対照的に、麻薬取締局のスタンスフィールドがいる。

このようにロゴス(「言葉」)の局面から考察すれば、スタンが、自分の子供で女である恋人を殺した父親と、同一の原理の現れであることが垣間見られるだろう。スタンはレオンのルールを破り、マチルダの母や姉弟を殺した。殺しの契約のときや殺しの後に、レオンはミルクを飲む。スタンは殺しの前には麻薬を飲んでハイになり、楽しんで人を殺すのだ。スタンの魔の手はマチルダに伸びてゆく。当然レオンはルールの命じるままにマチルダを守らなければならない。

殺人者、しかも麻薬組織に加担する殺人者として、この2人が同じラインに立っていることは明白だ。だからレオンは真夜中に一度はマチルダを殺そうとした。しかしルールが彼を押し止める。なんということだろうか! やがて私たちはこのルールが彼を、組織に対してでさえ反逆させるのを見ることになる。

私たちは殺しという驚くべき力の舞台において、徹底的に破壊することへの欲望を追求するものと、破壊の力をもちながらも未来を育てる優しさを合わせもつものとを見るのだ。このような単純な力の図式のなかに私たちはひじょうに多くの作品を思い浮べることができる。その中では、ヒーローたちが、ルールという名の良心を強く持っているだろう。

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