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空言の海

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空言(むなごと)の海 / 音々


例え悲しみと空言の海を
抱えたまま逃げ道を探しても
雨は降り続き(あふ)れそうに満ちて
足取りはもう(ゆる)んでしまう

干涸(ひから)びた 涙の軌跡
(こぼ)れ落ちてしまうの
私を揺り動かさないで

重たい(からだ)を持て余し
どこまでも行ける自由を(うらや)
波立つ(かい)


Long ver.

例え悲しみと空言の海を
抱えたまま逃げ道を探しても
雨は降り続き(あふ)れそうに満ちて
足取りはもう(ゆる)んでしまう

干涸(ひから)びた涙の軌跡
(こぼ)れ落ちてしまうの
私を揺り動かさないで

重たい(からだ)を持て余し
どこまでも行ける自由を(うらや)
波立つ(かい)

動けないままの私ごと繋ぐ
囲いの中に海を住まわせて
ぼろぼろの壁に強がりの砂を
塗りこめて造り上げたシェルター

ここだけは大丈夫
誰もいない
誰も水面(みなも)に触れられないはずなのに

遠くの誰かの声に震え抑える腕は
泳げもしないのに波()き濡れる

それでも水は溢れ出した

流れを止められない腕はもがき
(もろ)い壁など砕いてしまった
そして光が射して溢れ

重たい躰を持て余し
どこまでも行ける自由を羨む
波立つ戒

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