SF百科図鑑
ジョー・ホールドマン『ヘミングウェイごっこ』
最終更新:
匿名ユーザー
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2001年
6/18
ホールドマン「ヘミングウェイごっこ」★★★★★
ホールドマンの最高傑作でしょう。1ページ目からぐいぐい引き込まれて一気に読み終えてしまいました。とにかく人物描写が秀逸。SFネタはいかにもな並行宇宙ものなのですが、このありふれた強引なアイデアがヘミングウェイ贋作計画をめぐる3人の人間ドラマの面白さを少しも邪魔していません。終盤暴走してしまうのはホールドマンの常で、この作品も例外ではありませんが、とにかく、ジョンが時間を逆行させて「相討ち」になった後の29、30章あたりは、暴走というよりほとんどアヴァンギャルドです(笑)。最後はヘミングウェイとジョンの意識がほとんど混じりあっていて、どこがどっちだかわからなくなっています。でもとにかく、面白かった。