淀 (よど)

淀川競馬場(名付け親は、荒らしさん@携帯厨さん)


トリップ

  • ◆76dxChKrTE (引退してます^^;)
  • ◆RGsjuE.B0Y (時々この酉で出没する)
  • ◆0dof9MsrQs (またこの酉でも出没したりする)
  • 一説によると自己板の某オダム〇ー並に固定を持ってるとか・・・


本人より一言

夢Wikiの編集、私も参加させて頂く
なんて話は可能でしょーか?

とは言え、私の編集により風さんが被害蒙るのはヤなので
紹介文的なものしか書けませんケド

それでも良ければ参加OKサイン下さい☆

備考

「謎のプリキュアの青い人」を名乗って風やまきひとの加勢をする、
謎の美少女、その正体は!?ページ名の通りである・・・


プロフィール

【性別】 一応女
【所在】 京都?
【生誕】 4月10日
【人種】 B型
【趣味】 兄貴(ハイヤー)
【好物】 兄貴(やっぱりハイヤー)
【口癖】 兄貴(どこまで行ってもハイヤー)
【特徴】 電波・時々ネナベ・時々超→エロ
【板歴】
【降臨】 D板を拠点に様々な板に出没する。現在は多忙な為、滞在時間激変。
【所属】 夢・独り言板



交友関係

  • まきひとをバカだと思ってるが、度々そのバカに救われてるので、ちょっとだけ感謝しているかも知れないこともナイ
  • と同一視された

関連スレッド


関連リンク



higherに贈るオナニー


86 : ◆RGsjuE.B0Y :2009/02/03(火) 13:20:45 O




87 : ◆RGsjuE.B0Y :2009/02/03(火) 13:21:36 O

『もしもし、俺だ。今、京都駅に居るんだが出て来れねぇか?^^』


私は電話を切ると、急いで一番お気に入りのお洋服を着て家を飛び出した
そして待ち合わせの場所に着くと彼を探す

「・・・あっ・・・・」

喫煙コーナーで、柱にもたれて煙草を吸っている彼を見つける
写真でしか見たことのなかった彼は、写真より格好良く私はドキドキした

「・・・ごめんね・・・待たせちゃって」

『おう、突然悪かったな。取り敢えず飯行くか^^』



88 : ◆RGsjuE.B0Y :2009/02/03(火) 13:22:43 O

私と彼は駅ビルのレストラン街に向かった
少し早めに歩く彼の後ろを遅れない様に、私は早足でついていく

『お前って、イメージ通りチビで○○だよな^^』

「・・・え? 何? 聞こえなかったょ」

彼は歩く速度を緩めて
私が横に並ぶと小さな声で言った

『今日のパンツの色は?って聞いたんだよ^^』

「・・・!?・・・/////」

『冗談だ、馬鹿^^』

それから暫く歩くとレストラン街についた
彼は会席のお店の前で止まり、お店の外に置いてあるメニューを見ながら言った

『ここで良いか^^?』

「・・・ん、あっちの牛丼屋さんは?」

『おま…俺のことマジ貧乏だと思ってるんだな。ガキが気ぃ使ってんじゃねえよ^^;』





89 : ◆RGsjuE.B0Y :2009/02/03(火) 13:23:46 O

『どうだ? 旨かったか^^?』

「・・・うん、美味しかった。ごちそうさまデス!」

先に食べ終わり、窓の外を見ながら煙草を吹かす彼
私は、ふと思い出したことを口にした

「・・・ねえ、覚えてる? “もしオフしたらズーラシアに連れて行って”って言ってた話」

彼は私の方を見ると
気のせいか、複雑な表情で言った

「悪ぃ…覚えてないわ^^;」


90 : ◆RGsjuE.B0Y :2009/02/03(火) 13:24:59 O

私はガッカリしたのを彼に悟られないよう
鞄の中からUSJの包みを取り出し、笑顔で彼に差し出した

「・・・そっか、もう2年も前のお話だもんね、当然だよね!」

彼は私が渡したUSJの包みから中身を取り出すと
暫くそれをジッと見ていた
― USJのストラップ ―

「・・・これも2年前のお話なんだけど、もしこっちに来たらUSJに行こうって・・・
でもね、叶うことはナイって思ってたから、この前行った時に買ったの。
あはっ、バカだよね…会えるはずナイって思ってたのに…って会えたけどって、あれ?」

一気に話す私
ストラップを胸のポケットに入れると、彼は笑顔で言った

『ありがとな、さてと時間だ。出るか^^』



91 : ◆RGsjuE.B0Y :2009/02/03(火) 13:26:03 O

お店を出て、取り留めのない話をしながら地下鉄へ向かった
地下鉄の駅に着き、切符を買うと
彼は突然、私の手をつかみ何かを握らせた

『悪いな、時間なくて。また機会があったら、な^^』

「うん、また誘ってね!」

“また”
そんな時が訪れることなど、もう二度とナイことは互いに分かっていた

「…じゃあな^^」

彼は改札を通ると、一度振り向き
胸の辺りを叩いてから手を振り、そしてホームに消えていった

私は彼の姿が見えなくなると、先ほど彼に握らされた物を見た
それを見た途端、今まで我慢していた涙を止めることが出来なくなった





― ズーラシアのストラップ ―




92 : ◆RGsjuE.B0Y :2009/02/03(火) 13:26:50 O

終わり





higherさんに贈るオナニー2



(・・・はぁ・・・)

ベッドの横の棚上に置いてある携帯を見て、溜め息ひとつ
約1時間前の看護婦さんの言葉を思い出す

“携帯は病室に置いといて下さい“

(・・・仕方ないか・・・)


私は目を閉じて記憶の中にある、お兄ちゃまを思い浮かべ
語りかけた


(・・・あのね、私思ったの。彼女になったら別れがあるかも知れないけど
妹なら・・妹としてなら、ずっと一緒に居られるって、そう思ったの・・・)



『時間です』

病室に看護婦さんが来る
私は目を開け、うなずく
そして、もう一度お兄ちゃまとの思い出が沢山つまってる携帯を見た


(・・・行ってくるね・・・)


ベッドに寝たまま病室から運ばれる
過ぎ行く天井を見る
エレベーターに乗り階下の手術室に入る
家族の声が遠くで聞こえる“がんばって“

ベッドから手術台に乗せられ、処置
今まさに指先に注されようとしている針
麻酔医の声“少し熱いですよ“
針を注される前、意識が消える前に浮かんだこと




(・・・ヤダよ・・・・・やっぱり妹なんて・・・)






― それから1年 ―



『・・・^^;』

「お兄ちゃま、どうしたの?」

『・・・俺がお前とスカイプやってるなんて絶対に誰にも言うなよ^^;?』

「www言っちゃうかもよ?www」

『・・・おま・・・犯すぞ^^;?』

「あはっ、イイよ☆」

『・・・馬鹿ですか^^;?・・・ま、良いけどな^^』





1年前、かろうじて生き延びた私は、思い切って初めてのメールから1年後
久し振りにお兄ちゃまにメールした

あっと言う間に、離れていた空白の時間は埋まり
無くてはならない存在となった・・・少なくとも私は

長い時を経て、築いた2人の関係は何か?
恋? 愛? 情? 絆?・・・それとも孤独?

いや、それら全て引っくるめて、理屈では割り切れない
それが私の出した答え・・・お兄ちゃまと私の関係




「ねー お兄ちゃま☆」

『・・・ん^^?』

「愛してるぜ!」

『・・・分かった、分かった^^;』







「いっぱい いーっぱい いーーっぱい 愛してるぜ!」





― 終わり ―






higherさんに贈るオナニー3




ずっと…好きだった人には彼女がいた

彼女から奪いたい
なんて気持ちには不思議と一度もならなかった

でも
どうしても会いたかった

2chで知り合ってから
どれだけの時間が流れただろう

私のその人への想いは消えることなく
会いたいと願う気持ちは日増しに強くなっていった

そして
私は思い切って、その人にメールをした


その人はメールでも優しかった

最初こそ、私からのメールに驚いたようだが
すぐに何かを察して、私の願いを聞いてくれた

そう…会う約束を



会うのは最初で最後という約束

その人のリアルに興味がなかった訳ではなかったが
2度と会わない、ネットで知り合った相手に
互いの個人情報を渡すのは辞めよう
話題は2chのことだけ

と、決めて
それならば、周囲を気にせず話せるようにと考えて
ホテルに部屋を取った



2ch上で長きに渡りレスを交わしていたとは言え
電話で話すことなく
メールも数回しただけの相手

怖くない、と言えば嘘になる
けれど、会いたいと言う想いが懸念を吹き飛ばし

彼女(その人の)に見られないように
等と、彼女を傷付けない為と銘打って
見られる確率の低い…ホテルの一室で待合わせをした



なんて私は危ない綱渡りをしたんだろう
今、振り返ればそう思う

何も危険がなかったから良かったものの
もしも…その人が悪い人だったら

今こうして
ここで駄文を連ねることは出来なかったかも知れない





ルルル・・・

携帯の着信音が私の手の中で鳴り響いた
私は携帯を両手で握り、胸に押し当て瞳を閉じた

ル・・・・着信音が鳴りやむと同時に受信メールを見た

―付いたよ―

私はすぐに部屋ナンバーを打って、メールの相手に送信した

“・・・この下に彼がいるんだ。もうすぐ会える・・・”

携帯を自分の鞄の中に終うと、急いで鏡で自分をチェックした

“・・・私を見て、どう思うかな・・・?”

緊張感、期待、興奮、心配からか
地に足がついてない様な不思議な感覚を覚えた
と、その時

ピンポーン



“・・・彼が来た・・・”

私は慌ててドアに駆け寄り
小さく深呼吸してからドアの向こうに声を掛けた

『・・・○○○さん?』

少し間があってから、ドアの向こうの彼が答えた

「そうだよ、△△△か?」

震える指で、チェーンをしたままドアの鍵を開け
ドアの隙間から彼を見た

そこには、先日送って貰った写真と同じ顔があった
彼も緊張していたのか、少し不自然な笑顔

『・・・今、開けるね』

一度ドアを閉め、チェーンを外し、再びドアを開けた

『・・・ごめんね、急に・・・取り敢えず入って・・・』

彼は黙ってうなずくと、部屋に入り
私がドアを閉めるのを確認すると

「会いたかった」

と、一言
そして私の顔をジッと見た



『・・・あ、あの・・・』

それまで、彼に聞いて欲しいことが沢山あったが
私は頭が空白になり、思わず彼に抱き付いてしまった

彼の顔を見ることは出来なかったから
その時の彼がどんな表情をしていたのか分からない

彼は私の頭を撫でながら

「泣くなよバカ」

と言い、親指で涙を軽く拭ってくれた
彼の指が私に触れた時、一瞬ビクッとしたが
想像通りの彼の優しさに、私はホッとしたのを覚えている



それから、今まで自分達に関係する、2chで起こった様々な出来事について

その時々に感じたこと
何故その様な行動を取ったのか
等、後付けかも知れない不確かな事由について
会話は続き、気が付けば数時間もの時が経っていた

話が一段落ついたところで
彼は横を向いて欠伸をした

「悪い、昨日あまり寝てないんだ」

少し彼の顔に疲労が見えた
私は、スレでの印象と変わらず気さくで優しい彼に
これ以上、疲れて欲しくない、休んで貰いたい
と思い
チラッとベッドを見てから彼に向かって言った

『・・・寝て・・・遠慮しないで・・・』

寝ることを断る彼と促す私
そんな、やり取りが続く中

私は彼の手を引き
半ば強引にベッドの端に座らせた



『・・・私もね、ちょっと寝たいの・・・』

「え?」

彼は驚いた顔で私を見て
私と視線があうと、スッと目を逸らして
窓の方を見ながら言った

「襲うなよ」

『・・・襲うかもよ?・・・』

まるでスレ上での会話のように
お互い自然に出た言葉

でも、そういう事は起こらない
と言う、沈黙のルールが2人の間にあったと思う


私は洗面所で、彼は部屋で
別々に、部屋のタンスの引き出しに置いてあったバスロープに着替え
彼は

「あー、眠い」

と言いながらベッドに入った

私は一口、水を飲むと
ベッドのマットを手で押し…硬さを確かめてたのだろうか?
彼の隣りに潜り込んだ



『・・・電気、消そっか・・・』

私はそう言うと、彼の返事を待たずに
全ての電気のスイッチを押した

『・・・あれ?ドアの方の明かり消えないね・・・』

「オレは明るくても平気だよ」

『・・・あれ位なら私も眠れるよ・・・』

私はスイッチに伸ばしていた手をお布団の中に入れ
何となく薄暗い天井を眺めた

隣りの彼が動く気配がしたので、彼の方を見ると
目を閉じ、眠る体勢になっていた

私は、ホッとして彼に寝る前の挨拶を、小さな声で掛けて
静かに目を閉じた

そして彼と私は、そのまま眠りに落ちた

私が寝ていた間
彼が目を覚ましたのは確かな様で

私が目覚め、彼の寝顔をソッと覗き込んだ時
彼の枕の横に、お茶のペットボトルが転がってるのを見た



私はベッドから、彼を起こさないようソッと起きて
眠る前に飲んで、そのままにしていた、お水を飲む為にテーブルに行った

お水を飲み終えると、私はソファーに座り
ふとベッドの方を見た

そして、彼と視線があった

一瞬固まってしまい、何も言えずにいる私に
彼は笑顔で言った

「おはよう」

『・・・ぇ・・ぁ・・・ごめ・・ん・・・起こしちゃった?』

「あー、よく寝た」

彼は私の問いには答えずに
ベッドの頭の部分に備え付けてある時計を見ていた



私はソファーから立ち上がり
ベッドの、彼が寝ている側まで歩いて
ベッドサイドに、彼に背を向けて座った

暫くして
髪の毛を触る感触に私はビクッとして
彼の方を見た

「サラサラだね」

彼は笑顔でそう言うと
私の頭を撫で続けた

私は意識してしまい
彼に悪いと思いながらも
小刻みに震える体を止めることを出来ずにいた
彼は優しい声で言った

「怖がらなくて良いよ。何もしないから」



『・・・ぅ・・ん・・・』

私は彼から視線を外して
彼の枕の横に転がってるペットボトルを見た

「飲んで良いよ」

私の視線の先に気付いた彼はそう言うと
私の頭を撫でるのをやめた

私は少しホッとしたような
もう少し、私に触れていて欲しいような
不思議な気持ちになり
また彼を見た

彼は何処を見ていたのだろうか?
天井を見ていたようにも思えるが
その視線は、何か別のものに向けられていた気がする

暫くしてから、彼は私に向かって
真面目な顔で言った

「個人情報は言わない約束だったけど・・・」



彼はそう言うと、徐にベッドから起き上がり
部屋の隅にある冷蔵庫に行き、開けて中を覗き込んだ

「△△△も飲むか?」

振り向きながら私に差し出した彼の手には
ビールが握られていた

私が首を振ると
彼は冷蔵庫を閉めて、少し部屋の中を見渡してから
ベッドの足元まで歩いて、そこに座りビールを開けた

そして、ビールを飲むと彼は
ゆっくりとした口調で、自分の話をし始めた



彼の話した内容をここで書くことは出来ない

一言、書くことを許されるなら
その内容は余りにも悲しみに満ち
また、共感できるものだった…と、だけ

話を終えると彼は、残りのビールを飲み
立ち上がり、テーブルまで行きビールを置いた

『・・・ごめんね・・・』

泣きながら彼に謝る私に
彼は私の側まで来て、私の隣りに座ると
また頭を撫でながら
笑顔で言った

「まーた、謝ってる。△△△は何も悪くないだろ?」

『・・・ごめんね・・・』

もう一度、謝る私に
彼は頭を撫でる手を止め
その手を、そのまま私の背中に回して
自分の方に私を軽く引き寄せた

驚きながら見た彼の目
潤みを含んだ悲しい目

『・・・す・・る?・・・』



私の言葉に、彼は背中に回していた手を離し
真面目な顔で言った

「バカ。いきなり何言ってんだよ。」

『・・・ごめんなさい・・・』

「だから、謝るなって」
彼はそう言うと、私の頬にキスをした
ビクッとする私に、彼は笑いながら

「ほーら、ビビってる。。経験ない奴が、無理して誘うなんてするなよ」

と、言い
自分がキスした部分をバスロープの袖で拭いた



『・・・ごめ・・・』

私が言葉を出すと同時に
彼は私を強く抱き締めた

「バカ、我慢できなくなるだろ。」

『・・・ごめんなさい・・・』

彼は少し私から体を離して
私の目をジッと見てから、顔を傾け
私にキスをした

そして
私は彼の中に
彼の優しくも悲しい想いに包まれていった



(……君だけを抱きしめたくて失くした夢
君は「諦メナイデ」と云った……)



ふと、大切な歌の歌詞を思い出した

彼とそうなるコトは
ずっと、どこかで望んでいたコトであったが
嬉しさの反面、背徳、悲哀
そして孤独を感じずにはいられなかった

私の方を向いて寝ていた彼は
少し疲れているように見えた

「可愛いな」

彼は私の頭に手を伸ばし
クセだろうか?
また私の頭を撫でながら言った

『・・・恥かしい・・・』

私は、そう答えると
ベッドに備え付けてある時計を見て言った

『・・・もうすぐ・・お終いの時間だよ・・・』



一緒に時計を見た彼は、笑いながら言った

「まだ時間あるだろ。それにしても腹減ったな。」

『・・・パンあるよ・・食べる?・・・』

「食う。食う。」


私はベッドから出て
冷蔵庫の横の棚に置いてある、インスタント飲料を見ながら

『・・・コーヒーとお紅茶、お茶もあるよ・・何が良い?・・・』

と、彼に向かって言った

彼はベッドから出て
ソファーに座り、煙草に火をつけようとしていた

彼は口に加えた煙草を外して

「コーヒー頼むよ」

そう言うと、また煙草を加えて
ホテルのマッチで火をつけた



棚の上の段にカップが並んでいた

私は、その中からコーヒーカップを取り出し
インスタントコーヒーを入れて、横にあったポットのお湯を入れようとした

『・・・ぁ・・水・・・』

ポットから出てきたのは、お水だった
よく見ると、ポットのコンセントが抜けていた

『・・・ちょっと待ってね・・・』

と、言いながら
私は旅行鞄の上に乗せていた
パンが入ってる紙袋をテーブルに持っていき
紙袋の中からパンを取り出した

『・・・どれが良い?・・・』

彼はテーブルの上のパンを見て
その一つ一つの中味を私に聞いてから
少し考えて、クルミパンとデニッシュパンを選んだ



そうこうしてる内に
お湯が沸き、私はコーヒーカップにお湯を注いで
彼の前に置いた

『・・・お砂糖とクリームは?・・・』

「俺、何も入れないんだ」

彼はコーヒーカップに手を伸ばし
熱々のコーヒーを啜った

そんな彼の日常の姿に感動し
私は彼を見つめた

「そんな見られたら食えないよ」

『・・・ぁ・・ごめんなさい・・・』

「まーた謝って。ほら、食おう」


2人でパンを食べながら
取留めのない話、2chの話をした

それはまるで
刻一刻と迫る、別れの時を忘れるがため

会話が途切れたら
そこで終わりのような
脅迫観念に似たようなものから、逃げるため
の、ようなものだったと思う





パンを食べ終えると、彼はシャワーを浴びに行った

私は空になったコーヒーカップやパンの紙袋を片付け
ふと、壁にあった鏡で自分の顔を見た

『・・・これで良かったんだよね・・・』

私は、そう呟くと
旅行鞄の置いてある場所に行き
中から着替えを取り出した

数分後、シャワーを終えた彼が
肩にタオルを乗せながら、バスルームから出てきた

『・・・私もシャワーするね・・・』

ベッドに置いてあった
お茶のペットボトルを取りに行こうとしていた彼の横をすり抜け
私はバスルームに入った


熱めのお湯でシャワーを浴びていると
急に涙が溢れ出してきた

彼が自分の話をした時に出た言葉
それが私に対する彼の思いを物語っているようで

全てを悟った私は
これから自分のすべきことを考えた



バスルームから出てきた私の異変に気付いた彼は
私の隣りに来て、私を抱き締めた

「また会おう」

私は、嘘をついた

『・・・私ね・・彼氏いるんだ・・・』

暫く2人の間に沈黙が流れた
私は彼に、自分の本当の彼への気持ちを伝えたい衝動をどうにか抑えて

『・・・彼氏と頑張りたいの・・・』

と、言った



彼は、私を抱き締めるのをやめ
私の顔を覗き込みながら、優しい声で言った

「そうか、頑張れ」




そして、別れの時がきた



一緒に部屋を出ようと渋る彼を
ここで、部屋で別れようと説得した

『・・・ありがとう・・・』

お礼を言う私に
彼は片手を伸ばし、私の頭を撫でながら

「幸せにな」

と、一言言うと私から離れて
部屋を後にした



“これで良かったんだよね”


彼が私に向けたものは
最上の優しさ
でも、それは愛情ではない

彼は私を通して、違う人を見ていた

それに、私の残された時間に
彼を付き合わすなんて
そんな重荷を背負わせるなんて
私には出来ない


だから、私はウソをついた



本当は、一人ぼっち

ずっとずっと彼を見ていたこと
大好きで大好きで苦しいくらい想っていたこと

真の気持ちを伝えるには
全てが遅過ぎた



(…あの頃の二人に戻(なれ)るかな?
"優しさ" に似ている 懐かしい面影
瞳を閉じて見えるから
手を触れず在ることを知るから…)



大切な歌の歌詞がまた甦る


(・・・ホントはね、怖いの・・すごく・・・でも・・・)


私は旅行鞄を持ち、忘れ物がないか
もう一度、部屋の中を見渡した

ふと
ベッドの上に転がってる
彼が残したペットボトルを見付けた


そして
私は、胸の痛みを感じながら
部屋を後にした








こうして、彼と私は本当の意味で“終わり”を告げた



終わり





某固定さんに感謝の意をいっぱい込めて




(・・・あ、サクラ・・・)


毎日通る公園に満開のサクラ
去年は蕾のつく前から、サクラが咲くのを楽しみにしてたっけ

(・・・今日まで忘れていたなんて・・・)

そして私はあるコトに気付いた

(・・・最近、下を向いて歩いてたから、ここにサクラがあるのを忘れてたんだ・・・)


― 貴女は悲しくなるの禁止です ―


某固定さんから貰った言葉を思い出す
その言葉は私を優しく温かく包み込み、凍りついていた心を溶きほぐしてくれた

私は携帯を開き、某固定さんのスレを見た

(・・・あはっ、また自分に挨拶しちゃってる・・・)

携帯を閉じて、もう一度サクラを見上げる
そして何処かにいる某固定さんを思い、願った


(・・・貴方も悲しくなるの禁止ですよ・・・)


私は春の香りを胸いっぱい吸い込むと
顔を上げて、一歩




未来の、最高の自分に繋がる道を歩き出した




~GReeeeNな貴方へ~





某固定さんに感謝の意をいっぱい込めて2




『お待たせしました』

「はい☆すっごく待たされました」


私は彼の体にしがみつき
初めてのバイクにドキドキしながら、待ち合わせ場所での会話を思い出していた

彼を待ってる間の緊張は、彼が来た途端に溶けて
前からの仲の良い友人のように冗談を言えた
そう、彼には人を安心させる不思議な力があるのだ

赤信号で停まるバイク
少し顔を後ろに向けて私に声を掛ける彼


『大丈夫?怖くないですか?』

「むっちゃ怖いです☆」

笑いながら前を向きバイクを発進させる彼
私も笑いながら、彼の腰に回した手に力を入れる


1時間くらい走っただろうか
気付いたら2人は海の香りに包まれていた
駐車場にバイクを停めると、彼は私に先に降りるように言い
私が降りたのを確認すると、続いて自分も降りバイクを固定した

『到着しました』


彼の好きな場所
彼の思い出が詰まった景色


「お疲れさま、ありがとうございます☆」


私は彼にお礼を言うと、海に向かって走り出した
そして途中で靴を脱ぎ捨て波打ち際に行き、波に足をつける

「気持ちいい!」

振り向くと、彼も靴を脱いでジーンズの裾を捲くってるところだった
私は彼の方に近付くと、思いっきり体当たりした
その弾みでコケる彼

『わっ!何するんですか?!』

「急に全力でイジワルしたくなっちゃいました☆」

呆気に取られたような表情の彼の手を取り、彼の体を起こすと
そのまま2人で波打ち際まで行き、水平線を眺めた


私はふと視線を水平線から道路に向ける
来た時は気付かなかったが、ある建物が建っていた
私はその建物を指差して、彼にこう言った

「あんな所に お城が!!!」

私が指差した方を見て、真顔で答える彼

『凸しますか?』

「勿論です!お城探検にお付き合い下さい☆」


私の返事に彼は表情を崩して、私の顔を覗き込みながら言った

『何か飲みに行きましょう』


そう言うと彼はニッコリ笑い、駐車場の方に歩き出した
途中、脱ぎ捨てた自分と私の靴を拾う彼

私も一緒に歩き出し、彼の隣りの並ぶと
彼の腕に手を回して彼の顔を見上げた


「急に全力で甘えたくなっちゃいました」


一瞬、驚いたような表情をした彼だったが、すぐそれは笑顔に戻り
いつもの、人に安堵感を与える落ち着いた優しい声で答えてくれた

『グダグダしに行きましょう』


私は小さく頷くと、もう一度 海を振り返り
そして果てなく続く水平線に、願った






(・・・また来れると良いな・・・全力でそう思います・・・)





終わり


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最終更新:2009年06月01日 14:48