ねこと人形

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集



その人形をくれたのはじぃちゃんだった。でも自分には使えなかった。
誰かが言った。使えない人形はただのガラクタだ、と…。
じぃちゃんの作ったものがバカにされた気がした。
意地になって使いこなせるよう特訓した。
使っているうちに愛着がわいた。
使えるようになったらいままでの奴等がおどろき、努力をみとめてくれた。
自分をほめてもらえたのはうれしかったでも…。
だんだん迷子になっていくのを感じた。
その頃だったと思う、人形が歌を歌うようになったのは…。
俺に言ったんだ。迷子になったらもと来た道をもどればいい、と。
やっぱりバカだと思った。
「迷子なのにどーやって戻るんだよ。」と言ってやったら、



変わらないものを探して辿って行けばいいんじゃないかなと言った。
なぜそうなる。でも、おもしろそうだと思った。

俺は引き返して変わらないものを探していった。
はじめは、変わらないものなんてないと思ってた。
だってそうだろ、変わっていくから過ごした日々がわかると思うんだ。

同じものなどなかった。

でも変わらないものはあったんだ。

わかりづらいかたちで、気づきにくいところや自分の近くにもー。

道を引き返している途中で、知人に無駄なことはやめろと言われた。
でも、俺はまだ続けたかった。その時あいつ(人形)は俺にこう言った。

大切なのは自分が何をしたいのか、だと。
知人にとって無意味なことでも、自分が満足できれば十分価値はある、と。
たまに長い寄り道をして達成途中でとまることがある。
むだに終わると思うのは、途中になって残ってしまったものが気になるからじゃないか、と。

俺は、知人の心配してくれた気持ちだけ受け取った。知人は少し考えてたが、わかってくれた。


つづく

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー