The song is weapon

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匿名ユーザー

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彼女が起動したした時、彼女は私にほほ笑んだ。

 

 私はある会社の技術者だ。主にロボットや電子音などを専門にしている。今まで様々なロボットを作ってきた。それらはほとんど商品化された。
 ロボットと言っても子供のおもちゃ程度の物ばかりだ。一番大きいものといえば、二足歩行でテレビ等のリモコンを操作できる物くらいだ。しかしこれはコストが高すぎたため商品とならなかった。
 
 ある日の事だ。会社からあるプロジェクトが持ち出された。
 歌う事ができるロボット。
 私は興味があった。音とロボットを組み合わせた物は今までなかった。しかも歌というのだからもうたまらない。商品化のためでなく会社のアピ-ルのためだと言う。だから思う存分にする事ができると思った。
 私はこのプロジェクトのリーダーとなり、毎日毎日この事に熱中した。
 やがて数年がたちやっと完成した。ロボットは歌の声から基づき、少女のようにした。髪の毛は青く長いツインテールにして、ネクタイやミニスカートを穿いている。ついでに機械少女ぽくヘッドオンも付ける。開発チームの女性の人達がデザインしたのだ。さらに女の子っぽくするため、限りなく人間のような感情を持たせることができた。このロボットは今までで最高の出来となった。せっかくなので名前も付けてやった。ロボット史上初めて歌う事ができる、未来に繋がるロボット。だから初音ミクと付けた。
 私たちはもうこれとは言わずに彼女と呼んだ。
 彼女を起動させると、青い目が開きほほ笑んだ。その微笑みはすごく可愛かった。

 

 彼女は様々なテストを行った。
 歩く事や手を動かすこと、そして歌うこと。感情についても行われた。感情も良くできていた。だが何かが足りなかった。人工知能を付けたからと言ってもやはりこればかりは仕方なかった。そのため人と人の察し方を記憶させ学ばせるようにした。
 あるテストが行われた時、皆は驚くはめになった。
 そのテストとは、彼女が自分の発した歌を彼女が感じることが出来るかという物だった。
 この結果彼女は自分の音かどんなに小さくても識別する事ができ、反響する音が何処で反響したかも分かる事が判明した。そしてその正確さは異常だった。というのもレーダーよりも正確だっだのだ。
この事を発表したのが間違えだった。

 

 発表の次の日。私たちのところに防衛省技術研究本部というのが来た。
 要件は初音ミクを渡して欲しいとの事だった。
 私は反対したが会社側はその方が儲かると判断し、渡す事となった。その時、私もそちらに行くこととなった。

 

 彼女の察知能力は異常であるためこれを軍事目的で活用しようとした。
 現代戦争において大切なのは情報。空軍では早期警戒管制機AWACSと言われる物がある。
 これは高空で待機し、広範囲の様子をレーダーで掴み、他の戦闘機や偵察機に情報を送る役割をしている。米空軍ではE-3Cセントリーが使われ、航空自衛隊ではこのひと世代前のE-2Cを使っている。
 だがこれは空中だからこそ超広範囲を察知できるのであって、陸上となると障害物等が邪魔となり難しくなる。
 しかし初音ミクは障害物の場所まで把握し、その奥にいる敵も捉える事が出来る。
 言わば陸上型早期警戒管制機GWACSである。
 これが防衛省が欲しい物である。

 

 彼女はもう歌うためのロボットなんかではない。兵器だ。歌を歌う事で敵を発見する兵器。私は彼女の歌う歌が美しいと何度思っただろうか。それが皮肉なことに死と破壊を知らせる歌となってしまった。
 悔やんでも悔やみ切れない。
 最後に彼女の感情は残してやる事にした。
 兵器となっても誰かを幸せにする事ができるように。

 

 初音ミクは07式早期警戒管制兵と名が付けられ、初音ミクは愛称となって試験としてどこかの部隊に贈られた。

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