心霊大全

つくえ

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【体験談】
因縁やいわゆるオチ、なにがしかの理由のない怪異は生理的な悪寒を感じさせる。

中学時代の話。
部活を終え、友人といつものように帰路についた。
あともう少しで自宅、というところで明日までに提出しなければならない課題を教室に置き忘れたことに気が付いた。

友人と別れ、再び学校へと向かう。

一面真っ赤に染まった校庭を横切り玄関で上履きに履き替える。
放課後の校舎はもう誰もおらず、静まりかえっている。

自分の足跡しか聞こえない廊下を教室へと向かう。

教室のドアを開ける。
教室を見渡す。



ぼくの目に入ってきたのは、クラス中のつくえ、40台の引き出しから、真っ白な手がヒラヒラユラユラと揺れている光景だった。



透き通るように白く、両手の手首から先だけが蠢いている風景を、10年以上経った今でもはっきり覚えている。
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