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のどか♂×ハルナ

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匿名ユーザー

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早乙女ハルナは同人作家である!
彼女は日夜新たなる境地を切り開くためにネタ切れと寝不足と戦いながら作品を描いているのだ!
・・・なんて言ってる場合じゃねえええええ。
徹夜五日目・作業進まず・体力限界・締め切り間近、まさに修羅場の体現者となりながら、ハルナは机に向かっていた。

「あ゛~~~~~ッ・・・・・・死にそう・・・・・・」

栄養ドリンクを一気飲みし、でかい溜息をつくその姿は、もはや15歳の花の女子とは思えない。
むしろ連日残業続きのサラリーマンと言った風情。
ハルナよ、君はそれでいいのか。
だがそんな他人の突っ込みなど知る由もなく、半分生ける屍となりながらも再び作業を進めるハルナ。
しかし進まない、すぐに手が止まり、机に突っ伏してしまう。
すぐに起き上がって自分に喝を入れるものの、すぐまた元通り。

「ううう、だから寝てる場合じゃないんだってば・・・・・・」

奈落の亡者のような声で呻きながら作業を続けようとするが、やはりアウト。
作業どころか、意識を保つことさえ難しいようだ。
まぁ、五日徹夜したうえに食事もほとんど取らずに栄養ドリンクですませてれば、当然といえば当然か。
時刻はまだ夕方の六時をちょっと回ったというところだが、徹夜続きのハルナにとってそんな時間は無関係に眠気が襲ってくる。
だがそれでもやめるわけにはいかないことがある、らしい。

「し、締め切りは明後日・・・あと5ページ・・・今終わらせれば明日一日ゆっくり眠れる・・・・・・」

ぶつぶつと、時折「ふふふふふ・・・・・」という謎の笑みを浮かべながら幽鬼のごとく、作業と居眠りを繰り返す。
ぶっちゃけ怖い。
だがこれが締め切り間際のハルナのデフォルトである。
初めてこの状態のハルナを見た人間は大抵ビビるかドン引きする。
なので、不気味な薄笑いを浮かべて作業をするハルナの背後でドアを開けた人物は、さぞ驚くであろうと思われた。
のだが。

「・・・ハルナ、また寝てないの?」

極めて平然と、その人物はハルナに尋ねた。
まるで、『もうこんな姿はとっくに見慣れた』とでもいった風情で。
そしてハルナも、

「んー・・・かれこれ五日くらい?」

これまた普通に答える。
そのハルナの答えに、その長い前髪の影は小さく溜息をつきながら、

「もう・・・無理しすぎだよ。 ちゃんと寝ないとダメだよ、ハルナ」

苦言をひとつ。
だがハルナは聞き飽きた、とでも言いたげに聞き流している。

「だいじょぶだいじょぶ、これ終わったらゆーっくり寝るからさ。 心配は無用よ、のどか」

ひらひら~、と手を振ってあしらうハルナ。
そんなハルナに対し、もう・・・と眉をひそめたのどかは荷物をその場に置き、隣の部屋へ。
そして押しいれを開け、中から敷布団を引っ張り出す。
その布団を抱えたままもう一度、ハルナが腰をすえて作業をしている部屋へ戻り、ハルナの真後ろに布団をセット・オン。
ハルナがそのまま倒れれば、その背中が感じるのは固い床の感触ではなく、日光を浴びてふかふかになった布団の感触だろう。
が、もちろんそんなことをすれば一瞬で成仏(=即寝)できるのはわかっているので、ハルナはしない。
すぐ後ろにある天国をあえて捨てて同人誌の仕上げという敵に立ち向かう私ってどーよ!かっこよくない!?などと、くだらないことを考えながら作業を続行。
・・・するつもりだったのだが、いきなり肩を掴まれて後ろに引き倒された。

「うわあぁっ?! ちょ、何すんのよのどか!」

このまま寝てたまるか!とばかりに跳ね起きようとするハルナを押しとどめ、のどかはハルナの額に自分の額を押し付けた。
結果、まさに『目と鼻の先』にのどかの顔が来て、ハルナはその真剣な表情に一瞬どきっとした。
だがのどかはそんなことを知るはずもなく、真面目な顔――――本人は『怖い顔』のつもり――――をして、お説教。

「いい、ハルナ? 五日も徹夜なんて無理してたら本当に倒れちゃうから、ちゃんと今休んで。 後で僕が掛け布団も持ってきてあげるから」

「う・・・・・・」

二の句が告げないのは、何も言われてることが正論で反論できないから、だけではない。
あまりに至近距離にのどかの顔があって恥ずかしいのと、のどかが自分のことを心配してくれるのが――――たとえそれがのどかの責任感の強さから来るだけだとわかっていても――――嬉しかったからだ。
もちろんそんなことをのどかが気付くはずもなく、「わかった?」と念を押した。
思わずうなずいてしまうハルナ。
しまった、と思いはしたがもう遅い。
のどかはハルナのまさに目の前でにっこりと笑い、額を離すとハルナの身体を抱きかかえるようにして布団の上に寝かしつけた。
自分と変わらない身長なのに、やっぱり男の子なんだな、などと場違いな感想を抱いてしまった。
背中に触れる布団の感触が心地いい。
必死で持ち上げていたまぶたがどんどん重くなり、意識が夢の国へと飛んでいく。
ヤバイ、マジで寝る、そう直感したハルナは最後の気力を振り絞って、

「の、のどか・・・・・・」

「うん? なーに、ハルナ」

「私、締め切り明後日だからさ・・・・・・3時間したら起こして」

「・・・わかった」

やれやれ、といった様子で苦笑いするのどかの姿を見たのを最後に、ハルナの意識は素晴らしき夢の世界へと旅立っていった。
そしてのどかは、伝言を終えるや否やほとんどタイムラグ皆無で寝息を立て始めたハルナのために布団を掛けてやり、テーブルを少し移動させて、ハルナが作業していたのと同じような態勢を取る。
もっと同人誌の進行が遅いときは、夕と一緒にアシスタントまがいのこともやらされたものだ。
ぱっと残りのページを見る限り、自分でもなんとかできそうな作業ばかりだった。

「・・・・・・よし」

ひとつうなずくと、のどかは画材を手に、ハルナがやり残した仕事に取り掛かった。
すぐそばで眠っている大切な人を、ゆっくりと眠らせてあげるために。





小夜×和美

夢を見た。
いつもは夢の内容なんて全然覚えてないのに、今日のははっきりと覚えてる。
小夜君がいなくなっちゃう夢だった。
教室に小夜君の席はなくて、誰も小夜君がいたことなんて――――小夜君を知ってるはずのネギ子先生や明日菜達まで――――みんな、みんな忘れてて。
いてもたってもいられなくなって、私は教室を飛び出した。
学園中を走り回って小夜君を探した。
報道部の部室も、世界樹広場も、二人で見つけた絶好の撮影ポイントも。
だけど、どこにも小夜君はいなくて。
本当に小夜君がいなくなったんだ、って気付いたとき、私は思いっきり泣いた。
泣き続けてた。
どれくらい泣き続けたかもわからなくなったあたりで、目覚ましの音で眼が覚めた。

――――夢、だったんだ・・・・・・

そう実感したとき、心の底からほっとした。
アレは夢、そう、なんてことない夢だ。
そうだよ、小夜君がいなくなったりするわけ、ないじゃない。
きっと今日も、教室に入って席に着いたら、その隣には私にしか見えないクラスメイトが「おはようございます」って挨拶してくれる。
そう思うと、なんだか不思議と小夜君に早く会いたくて仕方なくなってきた。
あんな変な夢、見たからかな。
まぁいいや、今日はちょっと早く、教室に行くとしますか!
そして私は布団を跳ね除けて、早速登校準備を始めた。



「おっはよ~・・・って、まだ誰もいないのね」

教室のドアを開けて中を見て、苦笑い。
大声で挨拶しちゃったのがちょっと恥ずかしい。
今は・・・午前8時ちょうど。
遅刻ギリギリの連中ばっかのウチのクラスじゃ、この時間にいる奴なんていないか。
まぁ、そのほうが小夜君とゆっくり話せていいや。
そんなことを考えながら、自分の席へ向かった。
その隣には小夜君が座っていて、「おはようございます」と言ってくれるはず。
・・・だったのに。

「・・・あれ? 小夜君?」

いつも小夜君がふわふわと漂っているはずのそこには、誰も、いなかった。
夢と重なる。
嘘。
だって、あれは夢なんだよ?
夢が現実になるなんて、そんなはずないじゃない。
頭ではわかってても、嫌な胸騒ぎがして、不安が雲みたいに広がっていく。
気がつくと私は、夢と同じように教室を飛び出していた。
すれ違う生徒達を押しのけて、いつも小夜君と一緒だった部室へ駆け込む。
勢いよく扉を開ける。
――――誰もいない。
そう、本当に誰も。
また夢と重なった。
違う、そんな、たまたまだよ。
そう言い聞かせて再び走り出す。
次はここ、その次はあそこ、その次は――――
そんな風にあちこちを走り回っても、どこにも小夜君はいなかった。
最後に辿り着いた、世界樹広場。
ここにきっといるという希望と、ここにいなかったらどうしようという不安がぶつかりあって、壊れそうになりながら、ゆっくりと見渡したそこには――――誰も、誰もいなかった。

「嘘・・・そんな、嘘だよ・・・・・・」

走り続けたせいで、心臓が暴れまわって、肺が悲鳴を上げだして、心が泣き出しそうになって、立ち尽くした。
息を整えながら、頭の中をいろんな考えが巡っては、消えていく。

――――小夜君、どこにいるの?
――――まさか、本当に消えちゃったりなんて、してないよね?
――――だって、だって約束したじゃない、『何があってもそばにいてくれる』って。
――――やだよ、約束破りなんて、酷いよ。
――――小夜君、会いたいよ、小夜君・・・・・・!

ぽろぽろと、涙がこぼれてきて、もう我慢できなくなって。
足元から崩れ落ちて、そのまま、泣いた。
嘘だよ、誰か、嘘って言ってよ。
小夜君は、どこに行っちゃったの?
小夜君には、もう会えないの?
私はもう、小夜君にちゃんと、『好きだよ』って言えないの?

「やだ・・・・そんなの、やだぁ・・・・・・・ッ!」

遠くから、チャイムの音が聞こえてくる。
でも、教室に戻るような元気なんて、私にはなかった。
私ができるのは、ただ、ひたすら、泣くことだけ。
そこまで考えて、また新しい涙が浮かんだ、そのとき。

「――――あ、朝倉さんっ!? ど、どうしたんですか? どこか痛いんですか?!」

ずっと、聞きたかった声が。
一番、聞きたかった声が。
私の背中の上から、聞こえてきた。

「小夜・・・君・・・・・・?」

「な、何があったんですか、朝倉さん! 僕にできることなら何でも言ってください!」

本当に、真剣な表情で。
私を本当に心配してくれている顔で私を見つめてくれる、小夜君が、そこにいた。
嬉しかった。
夢は夢だったんだ。
小夜君は、ちゃんといてくれたんだ。
私が一番会いたくなったときに、ちゃんと来てくれたんだ。
嬉しすぎて、また泣いた。
小夜君が凄く困ってたけど、あれだけ心配したんだから、ちょっとくらい、いいよね?
思いっきり泣いて、すっきりした頃には、一時間目が半分は終わった頃だった。
こんなに泣いたの、初めてかも。
その間ずっと、小夜君は私のそばで、私を見守っててくれた。
泣き止んで顔をあげたとき、それに気付いて、私はわかった。



誰かがそばにいてくれるって、本当に、本当に幸せなことなんだ、って。



「大丈夫ですか? 朝倉さん・・・・・・」

気遣わしげに、小夜君が尋ねる。
それに大丈夫だよ、ごめんね、と返事をして。

「あのね、小夜君。 聞いて欲しいことがあるんだ」

「はい、なんですか? 朝倉さん」

ちゃんと、言おう。

「うん、あのね――――――――」

自分の気持ちに嘘をつかずに。
無理に飾ったりしない、素直な心で。
私の、一番強い想いを。

「私は、小夜君が、大好きだよ――――」

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