五きょうだい(フォモ有り注意)

65 五きょうだい(フォモ有り注意)1/5 sage New! 2008/11/02(日) 01:53:31 ID:vcG51fr7
差し込む日の光が眩しい…。
まだ眠っていたいよ…。俺は光から顔を背け、目を瞑ったまま枕に顔を埋めた。
―ん?この枕妙に固いな。
ゴツゴツして、まるで逞しい男の二の腕みたいな…。
「はっ!!」
俺は全ての眠気をブチ飛ばして目を開けた。
俺の鼻の先に、毛穴も見えないつるつるの鼻がある。もちろん鏡に映った自分の顔なんかじゃない。
程良くシャープな輪郭の中、美しいパーツ達が整って置かれている。
男の俺が見たって超かっこいい一分の隙もないイケメン。
俺の兄ちゃんの顔である。
「おはよう、ゆうニャン」
イケメンは目覚めた俺に微笑んだ。口元から真っ白な歯の輝きが溢れ落ちる。
「に、兄ちゃん何やってんだよ!?うっわキメェ!何で半裸なのアンタ」
俺は悲鳴を上げて身を起こす。布団を捲れば兄ちゃんの素肌が広がっていた。
今まで枕だと思って頭を預けていたのは兄ちゃんの腕。げぇ、腕枕だ…。
「夜明けからゆうニャンを人肌で温めてたんだ。気持ち良かったろう?」
「キモイ!う、パジャマにまで兄ちゃんの匂いが染み込んでる…。香水くせーよ」
纏った衣服を嗅いでいると、兄ちゃんが「おやぁ?」とわざとらしく驚いた。


66 五きょうだい(フォモ有り注意)2/5 sage New! 2008/11/02(日) 01:55:34 ID:vcG51fr7
「ゆうニャンのおちんちんが起っきしてるよ。ゆうニャン、俺の肉体に反応しちゃったんだね」
俺の股間を指してハッハッハと笑う兄ちゃん。
うるせえ!朝勃ちだよ!あんたの体は一ミリも関係ねえよ。
ぺっぺっ、と俺がベッドから降りると同時に部屋のドアが開いた。
「ゆうクンおはよ……ちょっと!?なんで兄さんが居るのよ!」
部屋に入るなり眉を跳ね上げて怒鳴ったのは、俺の姉ちゃん。兄ちゃんの一つ下の妹で、この家の長女。
顔の作り自体は兄ちゃんと似ているが、姉ちゃんには兄ちゃんの無駄に濃いお色気が削ぎ落とされている。
代わりに涼やかさと凛々しさが増していて、長く垂らしたポニーテールがキリリと似合う和風美人だ。
兄ちゃんも形相を変えて怒鳴り返す。
「うるせえよメスブタ!女がゆうニャンの部屋に踏み込むんじゃねーよ!死ね!」
実の妹に対してそれはないだろ。俺に対してはあんなに甘いくせに。
兄ちゃんはベッドから飛び降りて俺と姉ちゃんを遮った。―うわっ、兄ちゃん黒いビキニパンツ一丁でやんの。
「貴方が死になさい!クズエロ変質者!」
「女みたいな不浄な生物が近付いたらゆうニャンに陰の気が流れんだろうが!」

68 五きょうだい(フォモ有り注意)3/5 sage New! 2008/11/02(日) 01:57:53 ID:vcG51fr7
「非科学的イカ臭腐れチ○ポ男が何か言っているようだけど、低俗過ぎて私には理解出来ないわ!」
…姉ちゃんも容赦ないな、チ○ポ男って。俺も男なんですけど…。
そんで、なんで姉ちゃんも下着姿で俺の部屋に来てんだ?兄ちゃんと同じで俺に何するつもりだったんだよ。
俺は口喧嘩を繰り広げる二人の脇をそー…っとすり抜ける。
今の内に逃げちゃお…と思った矢先、
「ゆうにい!オッハヨ!」
「うぎゃっ!」
扉からビョンと妹が飛び出て来た。俺は驚いて尻餅をつく。
「あーん、ゆうにいビックリしちゃった?ごめんね」
妹は俺の前に屈み込んでテヘッと笑った。
可愛くねーよ。いや、顔は可愛いけど、兄に向かってブリッコすんな。
このちびは俺の妹でこの家の次女。
美形だけど、兄ちゃんや姉ちゃんとはやや系統が違い小動物っぽい可愛さがある。
くりくりした目と頭に二つお団子を作った髪型がリスやクマのぬいぐるみみたいで、愛嬌のある美少女だ。
「…で、何でお前まで下着なわけ?―ぎゃっ、抱きつくな!ウザいっつの!」
スポブラ姿の妹とギャアギャア床でもみ合っていたら、頭上から兄・姉の罵声が落ちてきた。
「げっまたメスブタが増えた!お前らそろって出荷されろ!」


69 五きょうだい(フォモ有り注意)4/5 sage New! 2008/11/02(日) 01:59:17 ID:vcG51fr7
「子供は引っ込んでいなさい!」
二人は叫ぶと同時に俺に両手を伸ばし、妹と俺を引き離す。
「やめてよぉ!年長男女サイアク~!」
妹は負けじと俺のパジャマを両手で掴む。
合計六本の腕に揉みくちゃにされ俺はフンギャアと悲鳴を上げた。
ガシガシ、グニグニ
苦しいっ!痛ぇ!バーゲンの目玉商品になった気分だ。
俺は制止を求めジタバタもがくが、皆俺を取り合う事しか考えてないのか俺の苦悶の様子に気付いてくれない。
ゲホッ…殺される!嫌…っ!嫌ーっ!!
「やめなよ」
幼い声が騒ぎを切り裂いた。
全員がハッと動きを止める。
声の主は、いつの間にそこに立っていたのか、入り口で団子になっていた俺達を廊下からじっと見つめている。
「ゆうお兄さんが嫌がっているのに、寄ってたかって何をしているの?」
超正論。地獄に仏。掃き溜めに鶴。
俺は目をうるませた。
「お、弟ぉ…」
俺が情けない声で呼ぶと、彼は他のきょうだい達に向けていた氷の瞳をふっと和らげて俺を見る。
「もう大丈夫だよ、怖かったでしょ」
この小さな救世主は俺の弟。この家の三男。
まるでドールに命が宿ったような愛苦しい顔立ちは、正直血の繋がり以前に人間かどうかも怪しく思ってしまう。


70 五きょうだい(フォモ有り注意)5/6 sage New! 2008/11/02(日) 02:00:22 ID:vcG51fr7
俺には今、お前が天使に見えるよ…。
いつも俺のピンチに現れてきょうだいの魔の手から守ってくれる、一番小さいけど一番しっかり者の自慢の弟だ。
「な、何よ。一人だけいいカッコしようとして」
妹が口をとがらせた。
俺を囲む兄姉妹の三人は、暴れたせいで髪はほつれてるわ下着はズレて諸々ポロリしてるわ、ヒデェ有り様だ。
「第一あんたが着てる服、あたしのワンピースじゃない!汚い!脱いで返して!」
顔を真っ赤にする妹を弟は虫を見るような目で眺め、鼻を鳴らした。
「ブス」
ボソリと呟く。
「なっ……なっ…!」
言葉に詰まってヒクヒクと震える妹。これは可哀想だが、言い返せないよな…。
肌も弟のがプルプルで白いし、睫も長いし、妹もそりゃ可愛いんだけど、弟の造型美は神掛かってるから…。
「ブスに着られる服が可哀想だったから僕が助けてあげたんだよ。僕が着るほうがずっと似合ってる」
弟は自慢気にその場でターンして見せた。ヒラリとスカートが広がって憎らしいくらいに様になる。
「ねえ?ゆうお兄ちゃんもそう思うでしょ?」
にっこり微笑まれると、少女とも少年ともつかない妖しい美しさが香り立った。
ほげー、お前も男なんだから俺を誘惑すんな。


71 五きょうだい(フォモ有り注意)6/6 sage New! 2008/11/02(日) 02:02:06 ID:vcG51fr7
「待てゆうニャン!こんな性格の悪い女装ショタに惑わされるな。大人の男の肉体こそが至高なんだよ」
「イカれ肉棒馬鹿は黙りなさい。ゆうクン、根本的に男なんて論外よね。私の胸を見てご覧なさい。触っていいのよ」
「は~い、賞味期限切れたジジババはあっち行ってね~!ゆうにいはもっとかわいくて若い子がいいよねぇ」
「黙って、ブス。一番若くて一番ゆうお兄さんを愛してるのは誰なのか…言わなくても分かるよね」
う、う、うひぃ!前後左右、四面楚歌だぁ。
さっきより状態が悪化してんじゃねーか。弟の登場救いになってねーじゃねえか!
じりじりとにじり寄る四人のきょうだいに挟まれ、俺は天に向かって助けを求めた。
神様、何故俺のきょうだいは皆こんななんですか?
男女混合で四人もなんて、そんなサービスいらないですよ!!せめて女だけに減らして…お願い!
叫びに応える者は何もなく、俺は一気にダイブしてきた四つの肉体に押し潰された。

おしまい

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最終更新:2008年11月02日 23:52
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