ネコのマー - 心霊大全

【稲川淳二】
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Nさんが小学校2年生の時の体験。
父親の転勤に伴って、洋風の家に引越しした。
その夜から飼い猫のマーがよく鳴いている。

ある夜寝ていると、遠くから「ニャーニャー」と猫の声がする。
（マーかな？）と思っていると、突然部屋にマーが現れる。
日ごろ聞こえる鳴き声は、マーのものかと思いきや、どうも違うようだ。
その日から、ネコのものともしれない謎の鳴き声に一家は悩まされる。

ある夜寝ていると、廊下をヒタヒタと歩く音がする。
隣で寝ているマーが威嚇するような声をあげる。
徐々に近づく足音。
聞こえる息遣い。
息を殺していると、小さな手が現れる。
身体を固めていると、それは黄色い目玉をむき出した顔中ウロコだらけの赤ん坊だった