相も変わらず(うちのPCは「愛も」変わらずと変換しました。意味深)、恩田陸です。
三連荘です。さすがに、自分でもそりゃあんまりだろう、と思わなくもないのですが、この機会を逃したらもう「も」は、まわってこないかもしれない、この本を紹介できる機会はないかもしれないと思ったら、居ても立ってもいられず若林さんへのバトンをまわしてしまっていたのでした。
三連荘です。さすがに、自分でもそりゃあんまりだろう、と思わなくもないのですが、この機会を逃したらもう「も」は、まわってこないかもしれない、この本を紹介できる機会はないかもしれないと思ったら、居ても立ってもいられず若林さんへのバトンをまわしてしまっていたのでした。
メインは4年前に変死したある女性作家の死をめぐる真相をめぐり、5人の女たちがお互いの腹の内に秘めていた疑惑を探りあう心理劇であり、れっきとしたミステリーでもあります。。
たった6人(一人は既に亡くなっている)の登場人物、一軒の家(それも居間がほとんど)から動かない舞台、2泊3日という短いけれど密度の濃い期間。その中で繰り返さる、違和感や、疑惑や、妄想、告白、新たな疑惑。これ以上はないくらい「静」に抑えた設定を用意しておきながら、物語が二転三転していく様は、それだけでも充分に読み応えがあります。
実際、この作品は映画化もされているのですが(http://www.bandaivisual.co.jp/mokuyou/main.html)、回想シーン以外はほぼ「居間」に集まる女性たちの様子を映し出すだけで成り立っているのです。
私は原作→映画の順で見ましたが、両方ともまだという方には映画→原作のほうが順番としてよいかもしれません。
ただ原作の台詞をそのまま話している、というわけではなく、結末もちょっと(の違いで大違い)異なるのですが、映画を先にみて、次の展開を予想しながら原作を読むと最後にひっくり返される、あるいは、こんなところにも伏線があるよーと観察しながら先にすすむとか、そういう読み方がオススメ。先を知っていても面白い(何度も繰り返し読める)上質なミステリーならではの楽しみ方です。
ただ原作の台詞をそのまま話している、というわけではなく、結末もちょっと(の違いで大違い)異なるのですが、映画を先にみて、次の展開を予想しながら原作を読むと最後にひっくり返される、あるいは、こんなところにも伏線があるよーと観察しながら先にすすむとか、そういう読み方がオススメ。先を知っていても面白い(何度も繰り返し読める)上質なミステリーならではの楽しみ方です。
私にとって「良い物語」というのは、読んだあとに、本の内容に触発されて「何か」やってみたくなるような物語です。たとえば、プラネタリウムを見に行きたくなったり、観覧車に乗りたくなったり、あるいは、お酒を飲みたくなったり。
今回紹介する「木曜組曲」を再読して、ついやってみたのは「ポトフ」でした。小説の中の季節は2月、今は6月。気候を考えれば、明らかに熱々の湯気が立ち昇るポトフ、というキブンではないのですが、衝動的に圧力鍋を火にかけていました。
とにかく、この小説には食べ物が山ほど出てきます。ほうれん草のキッシュ、チーズケーキ、ミートソースのスパゲッティに、牡蠣の鍋。ワインにビールにジン…。
こうやって列記しているだけで、(ポトフをお腹一杯食べたばかりだというのに)またしても新しい料理を作りたくなってきてしまいます。とてもオススメの物語ですが、小腹がすきはじめた真冬の(料理の湯気で窓が曇るような日の)午後とかに読むと、衝動的に料理を作りすぎてしまう危険度はAランクかもしれません。