つまるところ最初に「すべてがFになる」を取りあげなかったのが今回に繋がるわけで、ようやく森博嗣である。ルール上問題ないとはいえ、いきなり「る」もなあ……というのと未読の「ス」があったのでこうなった。ただし英語タイトルまで含めると「GOD SAVE THE QUEEN」であり細かいことは気にしない。
いるとはあんまり思わないがこれを読んで買う気になった人は文庫版で。出来の非常に良い漫画版もあります。イラストだけでも固定イメージが出来てしまう可能性がありますし、漫画版のレビューがされる可能性もあるので、ここでは存在だけ触れておきます。
凄いな、2回目だと前振りがこれで終われるのかい。いや、「ジョジョ」の呪いとか、講談社現代新書の「ジョークとトリック(昔はこういうの好きだったよな)」とかそーいう話をしてもいいんだけど内容に入ろう。
うーん、この小説のメインは殺人ではなくて、森博嗣の見る未来感、それに尽きると思う。ウォーカロンという(walk aloneだろうね、それ以外に裏があるかな?)存在を軸にして進むヒトとロボットの世界と、そして閉鎖された街で起こる殺人――ただし主人公視点限定であり、この街には「死」という概念が存在しない。
一体それはどういうことなのか、というのは実際に本を読んでいただくしかない。一連の森作品の中で、一番不親切に属する系統の本であり、他のシリーズで補完されているかもしれないしされていないかもしれない。いいからこの本では、単純に未来感を楽しめばよい。「イラハイ」とまではいかないが、最近のエンタテインメントの中ではそれなりに不親切な記述であり、それが醍醐味なのだから。
楽に既読の本ですませたところで、ifさん、次は「つ」でお願いする次第なんだけど、「つ」でも何でも酒が出てくるって凄いですね彼女。