去年末にhtmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。――“菌類(が擬人化されたもの)を肉眼で見ることができる”という特殊能力を持つ主人公、およびその友人たちの農大キャンパスライフを描いた作品)――を読んで以来、「発酵」や「醸造」といったものへの好奇心が高まりつつあったので、こりゃちょうどいいや、と手に取ってみました。
普段あまり手に取る機会がない「岩波新書」ということで、難しい化学変化式などが羅列してあったらどうしよう…と少し身構えながらページを捲ってみたのですが、幸いこれはそういう本ではなく、「雑学物語」と「歴史物語」を足して2で割ったようなテイストで
- 「発酵」の仕組み
- 発酵食品(酒・茶・漬物・チーズなど)の歴史
- それらの世界分布図と考察
- 様々な発酵食品についての逸話や伝説など
…などが綴られている1冊でした。例えるなら 「大学の一般教養の講義のような」、更に具体的に例えるなら 「文学部生向けの『医学の歴史A』や『生物学概論B』のような」、適度な密度と緩さ、でしょうか。
たしかに、一般的な「物語」に比べると、稀に 接続語なしで次の話題に移行してみたり、一文一文がやや長めだったり、文体が「~である」調だったり、と、若干読みにくい部分もありました。しかし、では 客観的で淡々とした 解説文風のものが続くのかというと、そういうわけでもなくて、ときどき 妙に感情の滲み出ている記述、たとえば
(以下、太字は引用者による)
近年になると、科学合成によって酢酸を安価に製造することが可能になった。そこでこれらの純酢酸をhtmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。、味付けをして食酢を造り、「合成酢」として売り出しているが、なんといっても香味ともに発酵酢にはおよばない。
マホメットは、「ワインは魔性の飲物で、人々を堕落させるもの」htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。飲酒を厳禁した。
そうなると、htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。水割りワインを飲む習慣は薄れ、
…こんな ギャップのようなものに、なんだかニヤニヤしてしまったり。
それはそうと、余談ながら私はいつも 帰途の電車内で本を読むのですが、お腹を空かせながら 随所で「この飲み物って、各国で微妙に製法が違うのか…飲み比べてみたい…」とか「この発酵の仕組みは凄いなぁ…」とか「この食べ物の歴史は複雑だなぁ…」などと感嘆しながら本書を読んでいたものだから、ここ何日か、つい 帰りがけに近所のスーパーで発酵食品に じいっと見入ってしまって。おかげで 現在うちの冷蔵庫には、ヨーグルト(乳酸菌)、納豆(納豆菌)、アジの干物(自己消化酵素によるタンパク質→アミノ酸分解)、甘酒(米麹)などが犇めいているわけで。…「物語」というものが「作中の世界に読者を引き込むもの」であるなら、本書は とても魅惑的な「物語」であると言わざるを得ません。……回りくどく表現してみましたが、要は「この本を読むと 猛烈に発酵モンが飲み食いしたくなりますよ?」という。
また、更に余談ながら、私の場合 前述の「もやしもん」を先に読んでいたおかげで、本書の読みやすさ・楽しさが3割増しになった、というのもあるかもしれません。だって、本書で「麹」「糖」「アルコール」等が出てくるたびに、脳内でA・オリゼー(参考図:htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。・htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。・htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。)が踊り出すんだもの。(もちろん、それ以外にも ふつうに「あ!これ、「もやしもん」の第○話に出てきた食べ物だ!」とか、「この逸話、「もやしもん」で見た見た~」という楽しみ方もできる)
…「うま味の誕生」の感想なのか「もやしもん」の感想なのかわからなくなってきたところで、次走者・htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。に「う」でバトンタッチです!(本書の正式名称は、サブタイトル「発酵食品物語」までを含んだものなのかもしれないけど、背表紙の記述は「うま味の誕生」だけだったので、「う」でお願いしますよー)