「ルール」(古処誠二)でいっかな、と思っていたら発掘できず、他にお勧めできる作品も見あたらず、ということで私的に封印していた漫画を選ぶことにしました。単純に読んでいなかった星里もちる作品ということで丁度良かった、というのもあるのは否定しない。一番の氏のお勧めは汗がニトログリセリンのニトロ少女「危険がウォーキング」であるが、現在は傑作の短編が収録されていないアスペクト刊(オリジナルは少年キャプテンコミックス)のほうが入手しやすい。
一体何回やれば気が済むのであろう、という「りびんぐゲーム」より始まった「無理矢理同居もの」であり、今回は結婚前に婚約者に逃げられた主人公の自宅が、女子寮化しつつ、主人公も同居するという設定である。ルール無用の無茶な設定を強引に押し切り、思いテーマを軽い演出で楽に読ませるのが氏の持ち味ではあるのだが、まあ成功しているのかな、という感じ。実際、前作の「本気のしるし」は読むと鬱になる星里作品であった訳で、リアルタイムで追っていたら「あーやっぱりあの方向は駄目だったかー」と思ったかも知れない。
「いーかげん」が良い意味で氏の持ち味であると私は思っているのだが、それが万全に発揮されたとは言いきれないが、まあ氏の作品としては悪くない。いつもながらの持ち味が出ているけれど、星里作品を初めて読むなら「危険がウォーキング」か「りびんぐゲーム」にしておきましょう、というのが正直なところでした。
単純な偶然であって、故意も何もないのだけれど、ifさん、次は三度目の「つ」ということでひとつ。