何故、そんな規定があるんですか?


これにはフィギュアスケート界独特の事情が関係しています。ご存じのように、日本ではフィギュアスケートはマイナーなスポーツです。

しかしアメリカ合衆国では、アイスショーと呼ばれるフィギュアスケートの興行が極めて盛んで、アイスショーの人気者は結構な金額を稼ぐのです 。(一方、アマチュアのフィギュアスケート選手は、ごく一部のトップ選手を除くと、決して経済的に恵まれている人々ではありません)
そして、アイスショーで人気者になる一つの道として、オリンピックや世界選手権という最高レベルの競技会で名前を売るというものがあるのです。
さらにつけ加えておくと、アイスショーとアマチュアの競技会では、要求される技術の難易度やプログラムを滑る為に必要な体力という点で、大きな差があります。楽なのはアイスショーです。


ですから、選手や選手の家族の中には、オリンピックや世界選手権をさっさと勝ってプロに転向してしまった方が良いな、と思う人も出てくるわけです。こうした風潮を象徴するのが、長野オリンピックで優勝したタラ・リピンスキー選手でした。彼女は今回の浅田選手と同じように特例で世界選手権に出場して優勝したのですが、続くシーズンの長野オリンピックで優勝するとさっさとプロになってしまったのです。


こうした風潮に歯止めをかけるために設けられたのが、フィギュアスケート独自の年齢制限です。
日本スケート連盟もこの決定に賛成しています。




最終更新:2005年12月20日 18:30