Royal Guard

ロイヤルガード喫茶店3

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ロイヤルガード喫茶店・3



店内の掃除をあらかた終えた僕らはサラさんが色々と事情を説明をしてくれるということで奥の従業員室に集まっていた。
サラさんの話によれば今スワンプでは風邪が広まっており、サラさん以外の従業員も全員それにやられてしまったらしい。
仕方が無いので臨時休業の看板を出そうと外に出ていたところ、ひょっこりテンレンさんが現れて大方の事情を聞き、店の掃除などの手伝いを引き受けたということだ。

「それで・・・その直後に偶然僕らが店に入ってきて捕まったというわけですか」

「そういうこと、その時はサラはタウさんに手伝いを頼みにいっていたからその場にいなかったし・・・運が悪かったわね]

まったくもってその通りだ。
たまたま今日喫茶店に行ったことでテンレンさんに捕まってしまうとは。
これはかなり運が悪いことだと言えるだろう。
まぁ浮かれていたことと急いでいたことで休業の看板に気付かなかった僕らも悪いのだろう・・・
けど・・・

「ちゃんとした事情があるなら喜んで手伝いますけどね」

僕はまたテンレンさんがネタか何かのために喫茶店で働いてるのかと思っていたけど。
そういう事情なら話は別である。

「できることは少ないかもしれませんけど・・・頑張りますね」

「皆さん・・・ありがとうございます」

サラさんが僕らに対して深々と頭を下げる。

「気にしなくていいよ、僕らもここにはお世話になってるし」

「そうそう、いつも使わせてもらってるお礼に・・・ねw」

そんなサラさんにイーノさんと熱暴走さんは明るくそう言った。
その二人の言葉を聞いてサラさんはもう一度「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。




「それで?今後の予定はどうするんですの?」

一通り話がまとまったところで、ふんわりですのさんがテンレンさんにそう尋ねる。
しかし従業員がこの数となればやれることは大分限られてくるだろう。
たった6人(タウさんをいれれば7人だが彼も色々と忙しいのでそう毎日はこれないらしい)では営業もできないだろうし。

「えーっと・・・とりあえず今日はこの後下準備をしてお終いで、営業は明日からね」

「・・・・・え!?」

今テンレンさんは何と言ったんだろう・・・
たった6人しかいない状態で営業すると言わなかったか・・・
いや、流石にテンレンさんでもそこまでの無茶はしないだろう。
空耳だ・・・空耳と信じよう・・・

「というわけで営業時間は半分にしておいたけど明日から忙しくなるからそのつもりでね」

「ちょっと待ってください!!」

テンレンさんのその言葉に僕は思わず大声をあげた。
やはりさっきのは空耳じゃなかったらしい・・・テンレンさんは従業員たった6人あまりでこの大きな喫茶店を営業するつもりだ。
いくら営業時間を半分にしたって無茶すぎる・・・一体何人の客が入ってくると思っているんだ・・・

「レヴィさん、いきなり大きな声だしてどうしたの?」

熱暴走さんが怪訝そうに僕を見てそう言ってくる。
いや・・・貴方は何も疑問を持たないのですか・・・
この大型の喫茶店で調理・洗い物・接客等をたった6人でやらなければならないんですよ。

「いや・・・いくらなんでも営業は無理かと思うのですが・・・」

「大丈夫!」

僕がそう意見を出すとテンレンさんは自信満々でそう言葉を返す。
何だろう?何かいい案でもあるのかな?

「風邪が流行ってるってことはお客さんも減るってことだし、何とかなるわよ」

「・・・・・・・・・・」

そういうことですか・・・けどそれあまり解決になってないような気もしますが・・・
だってここにはスワンプに住んでる人だけじゃなくて各地から様々な人もたくさん来ますからね。
昼時から夜にかけては絶対に忙しくなること間違いなしだ・・・

「そっか、あたまいいな」

「流石テンレンさんです」

イーノさん・・・ふんわりですのさん・・・そこは褒めるところじゃないですって。
ていうか無茶ってことわかってて言ってるでしょう貴方たち・・・

「それじゃあ明日のための下準備をするから皆各々の仕事よろしくね」

そういってテンレンさんは仕事内容の書かれている紙を僕らに手渡した。
そして結局意見も聞き入れてもらえないまま解散となった。

「・・・・・はぁ」

その場に残されてしまった僕にサラさんが苦笑しながら一言・・・

「レヴィットさんも大変ですね」

まったくもってその通りです・・・・・・



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