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第15話 あの女のハウス ~彼を返して ……あとお金貸して!~

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 運命という名前の必然があるならば、この出会いは運命だったのかもしれない。

 劇を見た次の日。
「テンレンせんせー。昨日は大変だったんだって?」
「修羅場ってどんなのですかー」
「今度はなにしたのー?」
「むしろ。ナニしようとしたらフラれたんじゃない?」
 ホームルームにテンレン先生があらわれると、一斉射撃が始まった。
「なっ…」
 集中放火を浴びているテンレン先生は絶句している。
 そりゃそうだ。
 教室に入ったとたんに質問攻めだもんね。しかもつい昨日のおもいっきりプライベートな内容で。
 でもこのままではつまらないので次のアクションに移るとしませう。
「テンレン先生」
 二人でテンレン先生に近寄って言った。
「彼を返して」
「あとお金貸して」
「……みてたのかーーーーーーっ」
 吠えた。
 っていうか、なんかあたまにちっくたっくって…いんすぴ?
 ちょwwwしゅりけんまで使いやがったwwwww
「……悪い子にはお仕置きです」
 とつぶやくと、なんか黒い物体を投げてきた。
 私はそれを大振りで避けた。
 後ろにいるのは…アル。
「ふっ」
 とアルはかっこつけて、その黒い物体を紙一重で避けようとした。
「ダメです! それを紙一重でよけては!!」
 青空殿っぽいセリフを熱たんが言うが、時すでに遅し。
 黒い物体はアルの顔面ギリギリをすぎると、なんと、Uターンして戻ってきた。
 その動き。我流・大蛇のごとく。
 そして、振り返ったアルのその顔めがけて向かっていった。
 ばしゃ。
「GYAAAAAAAAAAA!!!」
 アルの顔面がまっくろになった。
 そっか。アレ、ぼくじるか……。
 しかも、クリティカルヒットだったみたいで悶絶している。
「あははははは。アルってば似合いすぎ」
 あまりにもその格好が似合いすぎているので指さして笑ってあげた。
「あの二人って実は仲悪い?」
「多分人には言えないドロドロな過去でもあったんじゃ?」
 などというクラスメイトのひそひそ話がデビルイヤーにとどく。
「スッキリ」
 テンレン先生はそれで満足したらしく、えっちの後のようにつやつやしてた。

 そんなこんなでテンレン先生の家に再度呼び出しを食らったアルに泣きつかれて、私も一緒に来ていた。
 ファントムパークのちょうどド真ん中にある大きい家がテンレン先生の家。
 通称、あの狐のハウスだ。
 今日は家の前に人がいることはなく、普通にインターホンを鳴らすことができた。
 ぴんぽーーーん。
 と景気のいい音がすると
「はーーーい」
 とかわいらしい声がした。
 明らかにあの狐の声ではない。
 …っていうか、この声……つい最近聞いたことが………。
 ガチャリと音を立ててドアが開かれる。
「どちらさまー?」
 ひょこっとでて来た少女は、先日ステージでみた女の子―――*そるとだった。 
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