Royal Guard

第10話 ボリノークサマーン

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 転校初日の放課後によくあることー。

 そう、今朝あった子に学校の案内をしてもらう、である。

…んで、なんでこうなるかな」

 わたし、アル、そして今朝の子こと熱たんの三人は3-4で屍になっていた。

「まぁ、ネタ装備で3Fに行けばねぇ」

 キモヘルムの羊が二匹と安ヘルの兎が横たわっている姿は目を引くらしく、教室を掘っている獅子がちら見してくる。

 こうなったのは一通り学校の説明を熱たんから聞くと、アルが話にあった『はさまれた鬼を見たいと言い出したからだ。

 この歓迎学園には七不思議どころじゃない、すごいいきおいで不思議がころがっているという話だ。

 その中の一つ。

 こっくりさんをやっている人たちがいて、その儀式は半分成功した。

 半分というのは、召還されたのはこっくりさんと呼ばれる低級妖怪ではなく、バカでっかいA級妖怪の鬼だったのだ。

 見た目からして妖怪トンネルとか通れそうにない。

「でも迫力だねぇ。こんなのでてきたらそりゃ逃げるわ」

 わたしは鬼を見上げていった。

 なんというか…ボールとサイコガンダムって感じ?

 もちろん、わたしたちがボール。

 こっくりさんをやっていた人たちはこれが出てきたから、途中で儀式を中断して逃げたらしい。

 そしたら、中途半端に召喚された鬼は帰ることも出ることもできなくて、そのまま結界に閉じ込められてしまったという涙ぐましいお話である。

 なんてあほなことを考えていると、ガラガラッとドアの開く音がした。

 視線を移してみると、とげヘルムをかぶった羊が入ってくるところだった。

「おかえりふぅちゃん」

 ねつたんがふぅちゃんと言ったので思い出した。

 たしか…クラスメイトにいた気がする。

「はろー」

 べしっべしっ。

 ワープ後の無敵時間を使って受け答えをするふぅちゃん。

 べこっ。

 クリティカル!

 あ。しんだ。

「はいしんだ」

「乙」

「一撃で・・・一撃で撃破か」

「あの赤鬼は戦艦の主砲なみの攻撃力があるのかっ」

 原因はそこじゃないと思うけど。

 魅力1のやわらか羊って自己紹介してたのって、このふぅちゃんだったなぁ。

 そうだ。思い出した。

 ふんわり=ですの―――――スコットランドの生まれだって言っていた。

 っていうかこっからの角度だと…。

「ふぅちゃん」

「なにかな」

「つんぱ見えてる」

 ちょうどえるのほうに足が向いていて、ちらりと見上げればつんぱまるみーえナノデス。

 ・・・ぴんくか。

「見るな」

 そして、ふぅちゃんを含めた四人で猥談を始めた。

「えっーーー。熱たんって女の子だったの!?」

 せっかく転校生フラグたてたのにーーーっ。

「むしろふたなってるけどね」

「ばらすな」

 このふぅちゃんと熱たんの会話は聞いていてテンポがよくて楽しい。

 うん。いいコンビだなぁ。

 と関心してしまった。

 子一時間ほど話し込んでいると、ガラリとまたドアの開く音がした。

 わたしは屍のままそっちを見ると、思わず声を出してしまった。

 その人物は、えるが知っている、しかも意外な人物だったからだ。

「あ…りーや……?」

 一度しかあったことがないが、その白いフォルムを忘れるはずがなかった。

…エ…ル?」

 これが、私とりーやの再開であった。 

 であああぁぁった。

 え? それはもういいって?

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